日記帳だ! with Tux on Libserver

二度目の大改造!! 日記帳…か?を継承し、より柔軟でパワフルなBlogに変身しました。

RSSに対応しています。リンク・コメント・トラックバックは自由にしていただいてほぼ問題ありません。
RSS購読方法、僕のリンク・コメント・トラックバックについての考えを読むことをおすすめします。

中傷される背景はありそうだが

こんな記事を発見して「ああ、あのことか」と思ったわけだけど。

「人気作に抜てき」で若手声優にネット中傷 事務所は刑事告訴「人格攻撃見過ごせない」 (弁護士ドットコムニュース)

ブシロードの芸能部門「響」が、自社タレントのSNSでの中傷にどのような形で対処してきたかという経緯が書かれているが、

警告を公式Webサイトに掲載したことで、9割ぐらいは自主的に削除したりという対応が取られたという。

ただ、残り1割は法的措置をちらつかせてもやめないので、警察に被害届を出そうとしたがなかなか受け取らず、

Twitterに削除要請など出してもほとんど対応されないし、投稿者特定のための裁判手続きは金も時間もかかる。

果たして、現在行っている各種の措置は実るのか。できるだけ迅速に対応したいが、まだ道半ばではないか。


中傷は問題だが、そこを後押ししてしまった、あるいは受け止める側の負担が重くなった背景はあるように思う。

それがデビューまもない人が人気作に抜擢されたということである。

この記事に関連してかどうか、ブシロード作品の他の出演者が、

自分もかつてそういう中傷を受けた経験があって、それはよくないというようなことを書いていて、

あー、この人もそうだと思ったのである。当時そういうことがあったのは知らなかったが、理解できなくもない話である。


やはり人気作への抜擢ということで期待値は高いわけで、そこにルーキーを登用するということで、

そこにはやはり期待があってのことではあるが、お披露目の段階では期待水準に満たないという評判になりがちである。

僕も正直なところ「今の段階ではちょっとなぁ……」と心の中では思っていたが、

まぁ様子見だなって、この段階であれこれ言うことはなく見守っていた。後に良さが見えてくるだろうと。

ただ、やっぱり思ったことを率直に書く人はいて、すると抜擢された本人はよい評判以上に悪い評判を多く見ることになるだろう。

それ自体はプロとして受け止めるべきところもあろうと思うが、この時点でなかなか辛い話である。

悪い評判が立てば人格を否定するような投稿も出てくるし、執拗に悪い評判を書き込むような人も出てくる実情はある。

それでも自分の仕事を評価してくれる人がいれば励みになるが、そういうのはあまり多くなかったんじゃないか。


果たしてこの想像が当たってるかはわからないんだけど、あったとすれば過酷だろうなと思う。

ただ、これは作品を見ている人とのコミュニケーションに課題があったのかもしれない。

本当ならばキャスティング含めコンテンツ作りの意図をしかるべき立場の人が説明するべきだったのかもしれない。

ブシロードという会社のコンテンツ作りへの信用度はあまり高いとは思われていないような印象はあり、

初期段階ではよい評判が付きにくい傾向はあるかもしれない。

そういうのが負の連鎖を起こせば、悪い評判ばかりになってしまうことはあるだろう。


もちろん、そうはいっても人格を否定するような発言はあってはならないことで、そこには厳しく立ち向かうべきだろうと。

そこにはこの経験もあったわけである。

今年5月、同じブシロードグループの「スターダム」に所属していたプロレスラー・木村花さんが誹謗中傷を苦にしたとして亡くなった。

あとで知ったのだが、木村さんはドラマ出演を含めてプロレス以外のことのマネージメントは他の会社がやっていた。

ところがこの事務所とのコミュニケーションに問題があり、適切な対策が取られることなく、亡くなったのではないかとのこと。

そこにはスターダムとしても、有効な手立てが取れない悩みはあったのかもしれない。


一方で、今回の件はコンテンツも人のマネージメントも、どちらもブシロードですから、そこは手が打ちやすかった。

引き金は自社コンテンツでの抜擢にあって、救うべきは自社タレントなのだから、積極的にやる理由はあった。

法的措置には金も時間もかかるが、それに耐えうるだけの体力がある大企業だし、

金銭的には割に合うこととは思えないが、それでもやるという覚悟を見せることに意義があるのだろう。


SNSでの中傷というところについて、どういう形で対策すべきかというのはいろいろあって、

芸能人であれば、場合によってはSNSから遠ざけることで対策するというようなこともある。失言対策という面もあるわけだが。

中間的な対策としては、管理しやすいSNSに集約するとか。Twitterはよい面もあるが、管理はしにくいと思う。

「煽り耐性」だとかいう言葉もありますが、受け止める側次第という面もある。繊細な人には厳しいことである。

真っ向から法的措置で対応するのは実用上は難しいかなと思うが、こういうケースではよいかもしれない。


現状、SNSでの投稿について、投稿者を特定するための裁判手続きが煩雑であることが問題視されている。

ここを簡素化するような提案があって、検討されているところである。

ただ、これが弱い立場の人を救うものになるかは疑問だなと思うところはあって、

確かに現状の手続きはお金も時間もかかるので、そこに耐えうる体力のあるところでなければ法的措置に出られない。

一方で厳格な要件が求められるので、投稿者を特定できる段階では、中傷だとかプライバシー侵害だとかがあったことの確実性は高い。


ところが手続きが簡素化されると、場合によっては確実性が低くても投稿者の情報を得ることができる可能性があって、

それを使って強い立場にある人(大企業や政治家)が弱い立場の個人を恫喝するようなことが多発する可能性もある。

こういう恫喝目的の訴訟はスラップ訴訟と言われていて、弁護士・ジャーナリスト・出版社などが標的にされているが、

SNSでの投稿者を対象にすれば、もっと弱い立場にいる個人を標的にできるので、これはより効果的なんじゃないかと。

そうして、SNSでの正当と考え得る批評までも、訴訟をちらつかせて来るようなことになれば悪夢である。

どういう形で簡素化するかによるのだが、やはり厳格性を求めると、時間もお金もかかる状況はあまり変わらないんじゃないか。

現状が厳しすぎるのは事実かなと思うけど、やっぱりこれで救えるのは限定的な気がしますね。


Author : Hidemaro
Date : 2020/09/03(Thu) 23:56
社会 | Comment | trackback (0)

Tools