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世帯主のすべきこと

5月早々に特別定額給付金の申請を出したら、半月で給付されたのは驚くほど速かったが、

普通に給与を払われている身としては、むしろ娯楽や旅行などで使おうとしても使えない金が貯まっている状況で、

とりあえずは投資に回さずに置いてあるところだが、なんとも難しい話である。

勤務先について言えば、今年度は相応に売上は上がりそうだからなぁ。来年度以降はともかくとして。

だからといって受け取らないことにメリットはないですからね。


そんな給付金の受給者は原則として世帯主となっていることについてこんな記事が。

10万円給付、「世帯主の口座に」で見えたもの (朝日新聞デジタル)

世論調査ではなくて、アンケートで、母集団も偏っているように見えるけど、

およそ半分の人が世帯主が受け取るというところに反対という回答をしている。

もっとも、この記事に書いてあることにはこんなのもあって。

DV(家庭内暴力)や性暴力の被害者を支援するNPO「ハーティ仙台」の代表理事、八幡悦子さんのもとには「夫が独り占めした。子どもの分も合わせると、離婚のための別居資金にできたのに悔しい」といった訴えがあるそうです。

自分の給付金を夫に取られることを否定して、子供の分は自分のために使いたいという主張は一貫性がないと思いますがね。

子のものは自分のものと考える母親の主張をしばしば見るけど、それもまた正しいとは言えないんじゃないかなと。

こういう夫婦関係と親子関係に関わる問題は、家庭裁判所できちんと公平に話し合った方がいいと思いますね。

それはさておき、給付金のやりくりに困る世帯主や、不満を持つ世帯員もいるというのは実情らしい。


世帯主が代表して受け取るというのは実務上の問題がほとんどではある。

住民基本台帳法では世帯主について明確な定義はなくて、世帯員の異動事項を本人に代わって届け出ることができるぐらい。

今は昔だけど、外国人登録制度の時代は、日本人と外国人の混合世帯では必ず日本人が世帯主になることになっていた。

日本人と外国人の夫婦で、必ず日本人の方が世帯主になるというのは、そういうルールだというので済まされそうだが、

外国人の親と日本人の子の世帯では、子を必ず世帯主にしないといけないという奇妙なことも起きていた。

実際には「事実上の世帯主」というのを住民票・外国人登録原票の備考欄に記載して対応していたようだが、

制度上はおぎゃあと生まれたばかりの赤ちゃんが世帯主となることはかつては普通にあったのである。

それでも原則通り届けているだけだからと言われたら、市町村は受領するしかなかったのではないかね。それも今は昔ですが。


その割には世帯主というのは、社会保険や福祉制度では、それなりに重要な場合がある。

特に国民年金保険と国民健康保険においては、保険料の納付義務というところに世帯主が関わっている。

なので住民票上の世帯主を変えると納付義務のある人が変わるということが起きる。

それによって保険料の減免にも影響することがある。


国民年金保険料の納付義務者は本人・配偶者・世帯主となっている。

20歳の誕生日から就職するまでの4年少し国民年金に加入していた。

この間の保険料は父親が納付していたが、このとき父親は世帯主でしたから、僕の保険料を納める義務があった。

国民年金保険料は所得によらず定額で高いので、自分で負担するのは現実的ではなく、父は当然の役目を果たしたということになる。

相応に課税されていたはずの父親にとっては、社会保険料控除の恩恵もそれなりにあったんじゃないかと思う。


ところでこの期間、父は仕事の都合で別居していた期間がある。

なにかに理由を付けて住民登録は変えないままだったが、素直に考えれば世帯から転出することになる。

もしも転出していたとすると世帯主を変更しなければならなかったわけである。

普通に考えれば母親が世帯主なんだろうが、僕も成人を迎えていたので世帯主としての体裁がないわけではない。

母親もサラリーマンで相応の所得があるので、国民年金保険料の納付義務があるとなれば、払えなくはなかったと思う。

一方で、僕が世帯主になっていたとすると、納付義務者で保険料を払う能力のある人は誰もいない。

この場合は所得条件だけ見れば保険料全額免除の水準となる。実際には学生は必ず免除ではなく納付猶予になるんだが。

(ちなみに免除の場合はその期間の加入月数が1/2となり年金が目減りする。納付猶予の場合と同様に追納すれば、残り1/2が加算される。)

なお、このような場合でも、同一生計にある父親が保険料を払うことに問題はなく、社会保険料控除の恩恵を受けることは出来る。

ただし、納付義務はないので、父が滞納したとすれば、本人と世帯主が連帯して納付することになる。


国民健康保険料(保険税)の納付義務者は世帯主となっている。

ところが世帯主はサラリーマンで職場の健康保険に加入していて、世帯員の誰かが自営業で扶養に入れず国民健康保険に入る場合、

その世帯主は被保険者でないにもかかわらず、世帯主が保険料の納付義務者となる。(これを擬制世帯主と呼ぶそう)

不思議なことにその自営業の世帯員自身には保険料の納付義務がないわけである。

普通に考えれば自分の保険料は自分で払うわけで、世帯主は納付義務はあるが実際には払っていないことが多いだろうが。

あと、届出により国民健康保険上の世帯主を被保険者の誰か1人に変更することもできる。

ただし滞納すると、本来の世帯主が支払うルールなので、健康保険上の世帯主と本来の世帯主が連帯して払うという理解でしょうか。


一般的には世帯主には支払い能力があるという前提で書かれているが、世帯主に支払い能力がない可能性もある。

そういう所得もない、資産もない世帯主をスケープゴートにすると、保険料を堂々と踏み倒せるということになる。

世帯主以外の被保険者には保険料の支払い義務は全くないはずなので、こういうことができるはず。

ただし、これは全くオススメしなくて、なぜかというと保険料を納めないと保険証が没収されるから。

結局痛い目を見るのは被保険者自身なので、支払い義務うんぬんではなくちゃんと払いましょうということである。

ただ、低所得の人を世帯主に仕立て上げるのは、保険料の減免という点ではメリットがあるかも知れなくて、

これは国民健康保険というよりは、後期高齢者医療制度のことなんだけど。

ここの保険料軽減の基準は同一世帯の被保険者と世帯主の合計所得で決まるので、高所得の世帯主がいると不利になる。

この点では後期高齢者の誰かを世帯主にすると制度上は有利である。


かつては世帯を支えられるほど稼ぐ人は1人しかいないという想定もあったんじゃないかと思う一方で、

今よりも大家族が多かった時代だと、世帯内に複数稼ぐ人がいるというのも、また実情だったかもしれないが。

夫婦間、親と未成熟な子の間には強い扶養義務があるが、一方で財産は個人単位で独立している。

それぞれの関係性で生活費を分担するということになるが、けっこう難しい話だなと思う。

この給付金は総崩れの世帯にも、世帯内の困窮度に差がある世帯にも、誰もさほど困窮していない世帯にも等しく支払われる。

しかも人頭割で支払われるというところで、こういう混乱が発生してたんじゃないかなと思う。

制度の趣旨からすると、家庭内で困窮しているところに優先的に回すとよいと思うのだが。


そもそも人頭割で支払うことになったのは公明党が横やりを入れたから……といえばその通りなのだけど、

それ以前に計画されていた所得減少世帯に30万円給付する案も難しさがあったからというのもある。

しかもこれもまた世帯主というのが問題となっていた。

世帯主以外の減収も対象 30万円給付、政府が拡大方針 (朝日新聞デジタル)

この記事を見たとき、厳密に「世帯主」の所得変化を基準にするつもりだったの? って思ったんだけどね。

自動的に給付されるわけではなく、所得減少の状況などを自己申告して給付されるので、実態に即して申請するのだと思ってたが。

この方式では、世帯当たりの金額が定額なので、個人に支給しろという問題もここまで起こらなかったと思う。

ただ、この仕組みは元が低所得の単身世帯には有利すぎる面もあった。親元離れた学生でアルバイトで少し稼いでいるとか。

世帯あたりで定額である一方、世帯員の数が増えるほど受給基準が下がるというところで調整してはいるものの、

同一生計でも住むところが違えば別世帯になるという仕組み上、世帯構成による有利・不利が生じやすい面もあった。


そこを「福祉政党」である公明党に突かれたんだろうが、ここのやることは格差是正という点ではイマイチな面もある。

政権与党を見て、自民党の主張は少しシビア過ぎる傾向があるが、公明党もバランス感がよいとは言えないんだよね。

急を要する話だったので、仕方ない面もあるけど、人頭割というわかりやすすぎる仕組みがゆえに禍根を生んだ面もある。

当初の30万円給付案、もうちょっと詰めればいい仕組みだと思ったんだけどなぁ。

すると多少遅れたかもしれないが、急場を凌ぐ制度としては生活福祉資金の貸付などがすでに活用されていた状況ですからね。

この辺は平時からちゃんと準備されている制度がすぐに使えたというところで、よいことだと思いますね。


Author : Hidemaro
Date : 2020/06/15(Mon) 23:52
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