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史跡じゃない世界遺産

百舌鳥・古市古墳群が世界文化遺産の登録勧告がなされた。

堺市などがずいぶん頑張っていたけど、登録確実とまで言えるところまで来たのは驚きである。

ただただ古墳で、華やかななこともほとんどないが、

狭い地域に大小様々な古墳があり、それが時の権力者の姿を現しているのは評価に値するものだったのだろう。

確かにすごいけど、それが世界遺産登録されるというのはなかなか。


ところで世界遺産への登録にあたっては、それが国内法で保護対象になっている必要がある。

これまで、文化遺産では重要文化財(国宝含む)・史跡・名勝に指定することで保護対象になっているとしてきた。

もともと、これらに指定されている文化財も多いが、世界遺産登録のために登録されたものも3つ知っている。

1つ目が広島市の「原爆ドーム」だが、世界遺産への推薦を求める声が高まったことを受け、史跡の登録基準を見直した経緯がある。

1995年に史跡「原爆ドーム」として登録され、それをもって世界遺産への推薦が行われた。

2つ目が「古都奈良の文化財」を構成する正倉院だが、もともと皇室用資産ということで指定を受けてこなかった。

ただ、世界遺産登録には重要文化財への登録が必要ということで「正倉院正倉」として建物が国宝指定された。

3つ目が「ル・コルビュジエの建築作品」を構成する 国立西洋美術館本館 である。

築年数からすると重要文化財になるにはやや早かったのだが、世界遺産への推薦にあたって重要文化財に指定された。


今回、世界遺産への登録が勧告されたといっている百舌鳥・古市古墳群には史跡になっている古墳がある一方で、

特段、文化財としての保護対象になっていないものもある。

というのも、天皇陵や陵墓参考地などとして宮内庁が管理しているから、史跡への登録は不要という判断があるようだ。

その代表例が 仁徳天皇陵古墳 で、大仙古墳としても知られる日本で最大の古墳だが、史跡ではない。

ただ、宮内庁が天皇陵として維持管理を行っているので、文化財保護という観点ではあまり問題ないと思われている。

もっとも、被葬者は本当に仁徳天皇なのかなど謎は多いが、かといって天皇陵という性質上むやみに発掘調査はできない。

そんなこともあって、研究者らは地名由来の「大仙古墳」と呼ぶことを推奨しているなどという事情もある。

ちなみに、世界遺産への推薦は「仁徳天皇陵古墳」ということで、天皇陵として管理されていることを踏まえた名前になっている。

史跡でない以上、天皇陵として管理されていることが世界遺産登録の前提だから、そこは認めざるを得ないが。


どうして史跡への登録をしないのだろうかと気になったのだが、文化財保護法のこの条文を気にしているのではと言われている。

文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。

できるだけ公開するよう努めなければならないというのに、研究者による発掘調査も厳しく制限するのはどうなんだと言われかねないと。

ただ、天皇陵として祭祀の場になっている事情を考えれば、それはできないと拒んでいいと思うし、

なにより、天皇陵は誰でも自由に参拝できるから、中に入ることは許されなくても、公開していると言えるようにも思う。

参拝できるだけでも天皇陵への理解はかなり深まっていると思いますけどね。


一方で、最近は宮内庁も天皇陵や陵墓参考地の調査を市町村と共同で行うこともあるようだ。

仁徳天皇陵古墳でも墳丘を囲む濠の保存のため、築堤の調査を行うことになったのだが、

この調査に当たっては堺市に協力を要請し、その調査の成果は堺市を通じて公開されることになる。

実際に埋葬されていると思われる墳墓の中心の調査はすべきではないという考えはあると思うが、

周辺部は保存のための調査を行う機会も比較的あるだろうし、専門家の立入も認めやすいだろう。

こういう成果を積み重ねることで、天皇陵や陵墓参考地の理解も深まっていくんじゃないだろうか。


とはいえ、本当に法律で保護対象にしないまま世界遺産登録するつもりなんかね。

宮内庁の天皇陵や陵墓参考地の維持管理の体制はそれなりだと思うが、これといった根拠がないんだよね。

もっとも説得力があるのが史跡に登録することだし、それでいいんじゃないかと思うんだけど、

そこに受け入れがたい事情があるなら、何らかの代替策がいるような気はする。


これをもって近畿地方の7府県全てに世界文化遺産の構成資産ができる見込みとなった。

  • 奈良県: 法隆寺、古都奈良の文化財、紀伊山地の霊場と参詣道(吉野・大峰と大峯奥駈道と熊野参詣道の小辺路)
  • 兵庫県: 姫路城
  • 京都府: 古都京都の文化財(大半)
  • 滋賀県: 古都京都の文化財(延暦寺)
  • 和歌山県: 紀伊山地の霊場と参詣道(熊野三山・高野山と熊野参詣道の大半と高野参詣道)
  • 三重県: 紀伊山地の霊場と参詣道(熊野参詣道のうち伊勢路)
  • 大阪府: 百舌鳥・古市古墳群(見込)

滋賀県がちょっとズルい気がするし、三重県も参詣道の一支線があるだけとも言えるが、それなりに重要ではある。

それぞれ時代は異なるが、長らく日本の政治の中心だった地域だからこそ育まれた文化遺産である点は共通している。

現役の寺社から、古代の墳墓までいろいろだが、地域に根ざしてこそ生き残るものだと思うので、努力しなければならない。


Author : hidemaro
Date : 2019/05/14(Tue) 23:20
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