均一制は環境対策だった?
中央自動車道について調べていたら、偶然にこんなことを発見した。
中央自動車道は八王子IC~高井戸IC(首都高速接続)で均一料金を採用していた。
現在はETC車は区間制になったが、現金車は最大料金を払うという形で均一制が残っている。
でも、この区間の開通当初は東名高速道路と同じように全て区間制だったらしい。
なぜ、この区間が均一制になったか? それは環境対策だったらしい。
開通当初の山梨県方面から首都高速へは、三鷹料金所で中央道の料金を支払い、首都高速に入って永福料金所で首都高速の均一料金を払っていた。
逆に首都高速から山梨県方面は、中央道に入る前後で料金所を通ることはなく、出口料金所で高井戸からの料金を払っていたらしい。
通行券の発行すらなかったことには驚いたが、当時の中央道は勝沼ICまでで切れていたので、問題なかったらしい。
ETCのなかった時代、料金所というのは渋滞の大きな原因になっていて、三鷹料金所でも渋滞が起こっていた。
三鷹料金所の周辺は住宅が多く、料金所付近の環境悪化の影響がひどく、対策が必要になった。
そこで、八王子IC~高井戸ICを均一化するという対策が取られた。
均一制の場合、必ずしも出口に料金所を設ける必要は無いので、料金所の配置を工夫できるようになった。
均一化後は、山梨県方面からは八王子料金所(八王子ICに併設)で八王子までの料金+均一料金を払うことになった。
これにより、三鷹料金所は東京方面では廃止され、そのまま首都高速に入れるようになった。(永福料金所で首都高速の料金を払うのは同じ)
首都高速からの車は、もともと料金所がなかったが、三鷹料金所で均一区間の料金を払い、八王子料金所で通行券を受け取るようになった。
すなわち三鷹料金所は東京方面の料金所から、八王子方面の料金所に作り替えられたわけだ。
確かに地図で見てみると、東京方面の道路は曲がっていて、八王子方面はもともと直進できたように見える。
中央自動車道の東京都内区間は沿線の市街化にたいへん悩まされた路線だった。
さらに調べてみると、高井戸~調布が開通する以前、調布ICが東京側の起点・終点だった時代に「調布IC封鎖事件」なんてことが起きている。
環境悪化に耐えかねた結果、調布市長が先導して調布ICを一時封鎖に追い込んだ事件だったそう。
これもまた料金所付近の渋滞が環境悪化の原因だったのかもしれない。(あまり資料が残っていない)
この問題が首都高速に直結して解決したのかというと、実は解決しなかったということですね。
都市高速ではおなじみの均一制だが、NEXCO管理の高速道路ではさほど多くない。
ただ、近畿圏では均一制が採用されている路線が多いんだよね。
近畿自動車道・西名阪自動車道・第二神明道路の全線と阪和自動車道・第二京阪道路の一部が該当する。
確かに近畿自動車道は都市高速スタイルだから、均一制を採用するのはもっともだなと思うけど、他はどうだろう?
特に西名阪自動車道は1981年までは区間制だったらしく、普通に出入口とも料金所があったらしい。
なんで均一制になったのかはよくわからないが、1999年には均一制であることを生かして料金所の再構築が行われた。
もともと松原本線料金所で大阪方面も天理方面も均一料金を徴収していたが、料金所のレーンが少なく渋滞が起きやすかったらしい。
そこで、大阪方面の料金所を移設して柏原本線料金所を新設し、天理方面のレーン数も増やすという対策が行われたそう。
もっとも、現在はいずれの道路でもETC車では区間制が採用されるようになった。(第二神明は今年4月から)
関東圏でもう1つの均一制の高速道路として東京外環道がある。ここも現在はETC車は区間制である。
東京外環道は2017年までに開通していた大泉JCT~三郷南ICは均一制(普通車で510円)だったのだが、
両方向に延伸するにあたっては、すでにETC時代だったからか、複数区間に区切る料金所が設けられていない。
複数区間に区切るとその境界に本線料金所が必要だろうから、それが不要になるのは建設費の節約にも、環境対策にもなるけど。
そのため、東京外環道を走る現金車は基本的に最大料金1020円(普通車)が徴収される。全通時には1300円になる予定だそう。
ETC時代だからこそとも言えるが、現金車にはずいぶんきつい話だ。
Author : hidemaro
Date : 2019/02/11(Mon) 23:25
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