急増する大型郵便局
最近、郵便局の開局ラッシュらしい。
えっ、そんなに郵便局って増えてる? いや、一般の人が想像する郵便局ではないですよ。
地域区分局と言われる広域の郵便物・荷物の仕分けを行う郵便局ですね。
実はその先陣を切ったのが2015年5月に開局した東京北部郵便局なんですね。(cf. 東京都になくても東京も同然)
ほとんど物流基地で窓口もない。和光市にあるが和光市の郵便物の仕分け・配達はせず、東京都の一部地域の郵便・荷物の仕分けに特化している。
その新設される郵便局の中にはあれ? というのもあって、
京都郵便局(地域区分郵便局)の開局 (pdf) (日本郵便)
京都府・滋賀県の全域の郵便物・荷物の仕分けを行うために、今年2月に城陽市に新しい郵便局ができる。
その名前が「京都郵便局」なのだが……なんかすでにありそうな名前の郵便局だなぁ。
ただ、幸いなことに現在あるのは 京都中央郵便局(現在、京都府南部を担当する地域区分局でもある) なのでこの名前だと大丈夫だと。
けど郵便事業会社の時代は、京都中央郵便局の場所で集配・仕分けをやっていたのは京都支店だったんですけどね。(その時代には京都という消印があった)
そう考えると、城陽にあるのに 京都郵便局 なんて大胆な命名には驚いたが。
まぁ城陽市の配達を直接担当する郵便局でもないので、広域な地名から採用した方がよいのも確かではあるが。
なんでこんな命名なのかというと消印押印の集約も見込んでいるのだろう。
三重県のほとんどの地域の消印が 四日市西郵便局 で押されるようになった。
尾鷲だろうが桑名だろうが「四日市西」という消印ではなんのことやらという話である。
こういう問題自体はその前からあった話で、伊豆諸島・小笠原諸島の郵便物の消印が「新東京」になったのもその1つ。
ただ、三重県では10万人クラスの都市でも全て「四日市西」に集約されたので、大きな衝撃があったわけだ。
後にこのような消印押印の集約は他地域でも進められ、こういう事例が全国的にも多くなってきた。
最初に書いた東京北部郵便局もそうで、調布市などの消印が「東京北部」に集約されている。
まぁ確かに三重県のほぼ全域の消印が「四日市西」になりますと言われると「えっ!?」って思うけど、
山口県の全域の消印が「山口」(2017年1月開局の山口郵便局で押印)になるというのは、まだ分からんことはない。
(cf. えっ!全部「山口」消印!? (新周南新聞社))
とはいえ、新設される京都郵便局は滋賀県の仕分けも担当するので、滋賀なのに「京都」消印かよという話は出てきそうだが。
今のところは消印押印の集約を行うかどうかは明らかではないけどね。十中八九やると思うけど。
新しい地域区分局のポイントは2つだろうと思う。1つは荷物サービスの充実、もう1つは郵便ネットワークの効率化だ。
昨今、荷物の取扱量は増加しており、その処理能力を向上させることが求められている。
そして、法人向けには「物流ソリューション業務」ということで、物流基地として商品の保管・出荷を受託する機能も提供している。
もう1つは郵便ネットワークの効率化ということで、末端の郵便局は集配に特化し、仕分け機能は大きな郵便局に集約していこうということだ。
既存の郵便局が広ければ、そこの機能を強化することでも対応できるが、既存の地域区分局ではどうにもならない場合もある。
かつて鉄道郵便の時代には大きな駅前に郵便局があるのが好都合だった。
でも今はトラック輸送主体なので、そこには必ずしも合っているとは言えないし、なにより市街地だから拡張の余地に乏しい。
実際、京都郵便局に地域区分局の機能が集約される 京都中央郵便局・大津中央郵便局・福知山郵便局 はいずれも市街地にあり、そんなに広くもなさそう。
荷物で新たなビジネスチャンスを開拓し、郵便の効率化も図れる、ということで新郵便局は一挙両得ということだ。
消印だけは困った話なんだけどね。
やっぱり我が町の消印にならないってのは残念な話だし。
ただこの点についてはいまさらの問題ではありますので、受け入れるしかないのかなぁと。
とはいえ、日本郵便の荷物サービスの重要性が増しているというのはよくわかる話で、
そのための取り組みとして、大型郵便局の新設というのはよいことなんじゃないかなと。
Author : Hidemaro
Date : 2018/01/07(Sun) 22:11
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