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放送大学はどうやって授業を飛ばす

昨日ちらっと書いたけど、東京タワーにある放送大学の地上波テレビ・ラジオの本局は廃止される予定となっている。

引っ越してくるまであまり知らなかったのだが、

放送大学は関東圏では地上波のテレビ・ラジオを通じて授業をしているのだという。

関東圏以外の人にとってはけっこう驚くかも。


放送大学は1985年の開学当初は関東圏の地上波だけだけだった。

関東圏以外にも学習センターがあったから、そこに来れば録音・録画で学習はできたのだろうが、それじゃあね……

そんなわけで1998年より全国で放送大学の授業を受けられる環境ができたという経緯がある。

いまでこそ日本全国に開かれた大学の印象が強いが、開学から10年ほどはそうではなかったということだ。


かつて関東圏以外で放送大学を受信する方法は2つあった。

1つはCATVに加入するという方法。ほぼ全てのCATVで放送大学は標準チャンネルに含まれている。

なのでCATVに入れば放送大学の授業は簡単に見られる。

もう1つの方法がスカパーに加入するという方法。

そう、放送大学は関東圏以外の全国に授業をばらまくための手段をスカパーに託していたのだ。

確かにスカパーで飛ばせばCATV局はそれを受信して、他の有料チャンネルと同じくケーブルに乗せて運べる。

一般家庭でも専用のアンテナを置き(BSとは別のアンテナが必要)、スカパーと契約すれば一応は見られると説明できた。

ただ、無料放送である放送大学を見るだけでもスカパーの契約が必要だし、装置の問題もあってあまり便利とは思えなかった。


それが大きく変わったのは2011年のBSアナログ放送廃止後のBSデジタル放送の拡大時である。

このときはスカパーからBSへの移転が多かったのだが、その中に放送大学も入っていた。

開学当初の想定としてはBSで全国に授業をばらまくことを考えていたそうだが、それはかなわずスカパーに託したという経緯があるそう。

デジタル放送への移行でチャンネル数が増やせるようになり、それに伴いアナログ時代よりもBS放送の普及が進んだ。

アナログ放送廃止で空きができたところで、放送大学のBSデジタル放送への移行が認められたわけである。

その後、スカパーでの放送は廃止され、今後は関東圏の地上波も廃止される見込みとのこと。

そもそも関東圏でも東京タワーの本局と前橋中継局の2局だけしかなく、しかもアナログ時代からUHFだからカバレッジはあまり高くなかった。

関東圏でもBSアンテナまたはCATVさえあれば普通に見られるわけだから、地上波をやる理由もなしという判断に至ったようだ。


インターネットでの授業配信ができるようになったのも後押しになっているのではないだろうか。

まず、放送大学ラジオはradikoで日本全国対象に同時配信を行っている。当然無料だ。

放送大学ラジオは関東圏ではFMの地上波で、全国対象ではBSの1チャンネルとして(実質的には静止画のテレビとして)放送されている。

わざわざラジオ授業を受けるのにテレビでBSを見る必要は必ずしも無く、radikoでもよいわけだ。お手軽だ。

さらに、テレビ授業、ラジオ授業ともどもインターネットでのアーカイブ化が行われており、ここでも受講できる。

今の発想で言えば当たり前のことなのだが、1985年の開学当初、キャンパス外で授業をばらまく方法はテレビかラジオしかなかったわけだが、

インターネットがあればそれを使うのは理にかなった話なのだ。ほとんどの授業がインターネットで受けられるそうで。


ところで放送大学ってなんでテレビとラジオ、両方やってるんでしょうね?

その昔、CATVの放送大学ラジオ(当時はスカパー経由)を見て、わざわざこんなのテレビでやるもんかと思ったわけだが、

ラジオ科目はラジオで受講するしかなく、テレビ科目もラジオ科目も受講しないと卒業できないので、ラジオは必須なのだ。

ただ、そもそもラジオ科目が必要な理由というのもよくわからない話である。


そう思ってたのだが、ちょっと計算してみるとラジオ科目なしに放送大学はなり立たないことに気づく。

放送大学の授業は1コマ45分、これを15回受講すると2単位になる。毎週1回で15週やる。

一般的な大学だと90分の授業を15回受けて1単位だから、それに比べると講義時間は半分しか無い。

印刷教材を見ての自習が半分、テレビ・ラジオを見ての学習が半分という計算でこうなってるそう。

そもそも大学の学修単位って45(単位)時間の学修で1単位のところ、教室内15(単位)時間、教室外30(単位)時間でやってるのに、

放送大学はテレビ・ラジオ7.5(単位)時間で1単位だから、定義からするとおかしい気はする。一般的な大学生がそんなに自習してるとは思わないけど。

その上で放送大学のプログラムを見てみると朝5時15分or朝6時から夜24時or25時30分まで授業が詰まっている。

再放送はほとんどなし、大学の窓という情報番組が挟まる程度でほとんど授業、週175コマぐらいある。

一般的な大学では平日の昼間、1日5コマぐらい時間割が設定されているだろうか。だから教室1つで週25コマぐらい設定できるということになる。

ということは放送大学の1チャンネルって大学の教室7つ分ぐらいしかないんだよね。もちろん収容人数は無限に許されるが。

これで大学の1~4年の全ての授業、教養学部として多彩な授業を行うことができるかと言われれば、ちょっと厳しそう。

もっとも放送大学の卒業には124単位中、面接授業20単位以上必要なので、その分は割り引いて考えてもよいが、それでも窮屈なことに差は無い。

そこでラジオである。テレビとラジオの2チャンネル構成にすれば週350コマほど設定できるようになる。


ただ、これは1985年の開学当初においては正しかったのだろうが、デジタル放送ではマルチチャンネル構成ができる。

実際、デジタル化後の放送大学テレビでは一部時間帯ではマルチチャンネル構成で再放送を行っている。

アナログ時代にテレビで放送大学第一、放送大学第二とかやることは許されなかっただろうが、

デジタル時代になってみれば、どうせSD画質なんだし3チャンネル構成やったところで、HD画質1チャンネルと一緒だから何の問題も無い。

それでもラジオ授業はそれはそれでニーズあるような気はするけどね。録音して持ち出せるし。

もっともBSだと録音は難しいんだけどね。radikoを録音する非公式ツールを使うのが一番簡単なのかな。


ちなみに放送大学の高校版とも言うべきNHK高校講座、NHK学園高校をはじめとする通信制高校の教材として重要なものだ。

これもテレビ(Eテレ)とラジオ(ラジオ第二)の両方を使っている。

割り当てはテレビは月~金の1時間、ラジオは月~土の1時間、1科目20分で割り振って年40週ほどの設定になっている。

通信制高校の場合、一応は教科書と添削で済むのだが、NHK高校講座を使うことでスクーリングを減らせることになっている。

というわけで、かなり補助的な位置づけではあるのだが、だいたい2~3単位科目で週1回20分の番組が相当するようで。

一般的な高校では1単位科目で50分授業35回だからで、2単位科目だと週2コマとなる。

20分番組40回だと一般の高校の2単位科目の授業時間の1/4ぐらいですかね。

どうもテレビもラジオ単独だとスクーリングは最大60%しか減らせないのだが、両方使うと最大80%まで減らせるという決まりなんだそうで。

それもラジオ・テレビを併用している理由なのかもね。なんか変な規定のような気はするけど。

いずれにしてもテレビ・ラジオ・スクーリングの3本建てが放送を活用した通信制学校の姿のようでして。


Author : hidemaro
Date : 2016/06/06(Mon) 22:27
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