紙の乗継券はお得かも知れないが

当初計画では文化の日より後ろ側で関西に旅行にいくつもりだったのだが、

京都国立近代美術館での展覧会スケジュールを見て、今日までの特別展があったので、

じゃあ前倒しにするかと思ったが、正倉院展は予約制ですでに日程が決まっているので、

結果としては文化の日を挟んで1週間仕事を休んでの旅行となった。

というわけで新幹線に乗り込んで京都へ直行である。


こういう事情から最低限、岡崎公園に行けば用事は済むのだが、

それだけではちょっともったいないなと上賀茂神社まで足を伸ばすことに。

フリー乗車券を買うほどではないが、単純往復というわけではない。

そこでいろいろ悩んだのだが、地下鉄→バス→バス→地下鉄という乗車になる。

PiTaPaで乗れば自動的に乗継割引が効くが、紙のきっぷの方が割引額が大きいらしい。

そしてこの制度は来年4月から廃止になる。というわけで初めて紙のきっぷでやってみた。


まず、地下鉄→バスは普通に券売機でバス乗り継ぎ券を買えばOK。

券売機に330・370と並んでいて、一見して運賃表との対応が付かない。

京都~東山は260円だが、別の運賃表で地下鉄260円区間とバスは370円となるので、これで選ぶ。

まずこれが不親切だよな。

あとは降りるときにきっぷを取って乗換先で使うんですね。


で、その前にやっておくべきことがあって、それがバス→地下鉄の乗継券を買うこと。

この乗継を紙のきっぷでやる場合、バス乗車前に地下鉄駅などできっぷを買う必要がある。

以前はそれ用の券売機があったような覚えがあるけど、さっぱり見あたらない。

それで改札の駅員に言うと330円ということで現金で払うと、しおりのような厚紙の券が渡される。

これが不便なので乗継割引が自動適用されるトラフィカ京カードが愛用されていたと思うのだが、

実はトラフィカ京カードは今年10月に発売停止になったので、その選択肢はないのである。


岡崎公園を出て二条通を西に進み、河原町通まで歩いて来た。

そこ歩くかという話はありますが。まぁ散歩するにはいいでしょう。

で、京都市役所前から4系統に乗り上賀茂神社まで行くが、

けっこうクネクネと曲がりながら走るので時間がかかるなと。

上賀茂神社に来たのは久しぶりだけど綺麗だねぇ。


その後、このあたりを散歩して北大路バスターミナル行きのバスに乗り込んだ。

実は京都駅まで行くバスも走ってたりするんだけど、そこまで乗り通すのは大変だしね。

あらかじめ買っておいた乗継券のバス券を切り離して運賃箱に入れる。

そしてそのまま北大路駅の改札に乗継券の引換券側を渡して「竹田まで」と言って差額を払う。

ここできっぷを発行するのだが、端末を操作する必要があり奥の方に引っ込んでいった。

あまりそういう目で見たことなかったんだけど、京都市の福祉乗車証らしきものは自動改札機使えないらしく、

駅員が奥に引っ込んで操作している間もひっきりなしに通っていた。


というわけで、バス→地下鉄を紙のきっぷで乗り継ぐのは実用的とは言えない。

トラフィカ京カード使えなければ、ICカードかなぁと思うけど、割引額が少し小さいんだよな。

これについては来年4月からは新しい制度に移行する予定である。

月3600円以上の利用がある場合に限り、1日に乗継2回までICOCAではポイント付与、PiTaPaでは請求時に減額するとのこと。

これは日常的に利用する人は乗継割引の恩恵を受けられるが、訪問者を乗継割引から排除するという意図があるらしい。


それならフリー乗車券かというと、それも値上げされましたからね。

地下鉄・バス1日券が1100円と以前の京都観光1日乗車券(1200円)の価格に戻ったようだ。

バス1日券の値上げと引換に値下げされたのが逆戻りである。

(もっとも山科・醍醐も利用できるようになったり利便性は多少上がっている)

ICカードで乗継割引が適用されるようになり、フリー乗車券にこだわらず、

市営地下鉄・市バス・京都バス・京阪・阪急・JRと選んで乗ってもいいと思ってたが、

乗継割引が実質なくなると、乗り継ぎが重いよなぁ。そんなこと観光客は気にしない?

どうだろう? でも乗継割引もあるからバス延々乗り通すのはやめようという後押しにはなるでしょ。

乗換がだんだん不便になる駅

JR渋谷駅の中央改札が中央東改札に集約されるそうで。

JR渋谷駅中央改札、10日初電から閉鎖。中央東改札と統合 (Impress Watch)

この中央東改札というのは銀座線の駅が移転したときに銀座線乗換と渋谷スクランブルスクエアへのアクセス用にできた改札口だったはず。

これはどういうことかというと、井の頭線渋谷駅・渋谷マークシティから改札口が遠くなるということである。


そもそも京王井の頭線とJR山手線の乗り換えはだんだん不便になっている。

かつては山手線池袋方面ホームに玉川改札(東急田園都市線のルーツとなった路面電車、玉川線に由来)があって、

これが使えれば真っ直ぐ歩くだけで乗換が済んだ。

山手線品川方面ホームでの乗降ではそういうわけにはいかず、階段を上って中央改札へ行くのだが。

まず銀座線の駅移転により、この中央改札へ至る階段を銀座線乗換の人も利用するようになった。

直接的にJRに関係ないように見えるが、これは階段が混雑すると言うこと。ラッシュ時は問題となった。

さらに通路として使っていた東急百貨店東横店が取り壊されることとなり、

玉川改札が閉鎖、代替となる仮設通路が設けられることに。

不思議な通路でマークシティ側が階段になってるので階段を歩けない人は使えない。

ということは車いすなどの場合は路上を歩いて乗り換えるしかないってことですね。

(ただ、もともと車いすで利用できたかというのは微妙なところですが)


これがさらに遠くなるわけだが、問題は現中央改札へ至る階段の先、

現中央東改札にたどり着くまでずっと比較的狭い通路を歩くということでさらなる混雑の懸念があると。

そこで、ハチ公改札と南改札への分散を呼びかけているようだが……

ハチ公改札はマークシティで地上に出て、スクランブル交差点として知られる渋谷駅前交差点を渡ることになる。

うーん、これはめんどくさいな。

南改札は仮設通路を歩いて、中央改札へ至る階段の前で右側の階段を降りればたどり着ける。

でもこれも南改札が駅の東側に寄ってるから、山手線への乗換と考えるとちょっと遠回りっぽい。

まぁ南改札は使ったことないからなんとも言えないんですが。


あっちに回ってもこっちに回っても不便というのは、いろいろな施設を同時に作り替えているがためであろうと。

現在、渋谷駅は2つの山手線ホームを1つの広いホームに作り替える工事を進めている。

このために駅の導線を作り替える作業も進めているわけですよね。

それでも駅の機能を維持できるようにやっているわけだけど、

通路が狭くなったり、遠回りを強いられることは避けられないということですね。

山手線ホームの改築が完了すればこの遠回りも経るんじゃないかな。


最近はあまり渋谷での井の頭線・山手線の乗り継ぎをすることはないですけどね。

でも、この乗換を全く使わないということはないでしょうから。

そのときどの乗換ルートを使うかは悩み所ですね。

南側の車両に乗って南改札という方向に寄せるのはアリだと思うし、

他の通路も見直される中で有利不利も変わっていくのかなとも思う。


ところで、JR渋谷駅のニュースを見て、そういえばと思ったんですけど、

以前、埼京線のホームが大きく南に寄っていて、その埼京線ホームに対応して新南口ってのがあったんですよね。

新南口自体は乗換や繁華街へのアクセスにはあまり役に立たなかっただろうけど。

埼京線ホームの移転により新南口はその意義を失ったが、現在も改札口は残っている。

従来の埼京線ホームを連絡通路として残しているためである。

でも、将来的に新南口はなくすという話だったはず。どうなってるのだろう?

調べたところ、新南口へ至る通路ができたら連絡通路と改札は閉鎖されるようで。

渋谷駅 遠かった旧埼京線ホームは今後どうなる? 移設1年 長~い高架通路も消えた (乗りものニュース)

新南口はホテルメッツ(JR東日本の経営するホテル)が入居するビルになっている。

だからここへ至る通路は何らか確保したいということらしい。

根岸線は市電の代わりでニュータウン路線

先日、新横浜駅から東神奈川行きの電車に乗っても、桜木町・関内まで乗換1回で済むという話を書いた。

新横浜駅は便利か知らないけど

この両駅は横浜~大船を結ぶ根岸線の駅である。

京浜東北線で大船行きとあれば、この根岸線経由の大船行きということであって、

大船駅は東海道線の駅でもあるけど、京浜東北線の電車は横浜からは大きく異なるルートを走る。

ということに気づいたのは実は1年前ぐらいの話でなんだけど。


この根岸線、全線開通したのは1973年と比較的新しい路線である。

でも、一番古い区間は1872年開通、この年は日本で最初に鉄道が開通した年ですね。

日本で初めて鉄道が開通したのは新橋~横浜と言われるが、

実はこのときの横浜駅というのが現在の桜木町駅である。

ただ、行き止まり式の駅だったので、この駅を越えて東西に走る列車は方向転換を強いられ、

これでは不便だと言うことで短絡線が設けられ、横浜駅は短絡線上に移転することになった。

横浜駅は2回の移転を経て1928年に現在地へ、初代横浜駅は桜木町駅に改名された。

横浜~桜木町は東海道本線支線として1駅間の盲腸線となったが、

東海道本線の各駅停車である京浜線(後に北進し京浜東北線となる)の発着駅として使われたという。


その後も長らく1駅間の支線のままだったのだが、1964年に磯子まで延長され、根岸線と命名された。

だから、歴史が古いのは1駅間だけで、あとは日本の鉄道路線では比較的新しい方である。

そんなこともあってか、この路線には路面電車の代替とニュータウン輸送という役目があって、

私鉄ならともかくJRの路線としては珍しいなと思う。

そもそも路面電車を地上の鉄道で代替するというのが珍しいと思う。


路面電車を代替した区間というのは、横浜~磯子あたりが該当する。

もともと横浜駅から花園橋(現在の横浜スタジアム付近)、本牧を経て根岸方面に至る路線があって、

根岸線開通で利用者が減少して、当時、道路状況の変化で路面電車の運行が難しくなり、根岸線開通を追うように市電は廃止されたという。

もっとも根岸線は本牧付近は通過しておらず、ここら辺の代替交通は専らバスだが。

現在、横浜には市営地下鉄が走っているが、これは市電全廃より少し後に最初の区間が開通しており、

市電代替というよりはニュータウン開発のための路線という色合いが濃いようである。


ニュータウン輸送というのは新杉田~大船が該当し、洋光台・港南台・本郷台といかにもニュータウンっぽい。

この根岸線の計画自体はだいぶ昔からあったらしいのだが、

磯子~大船についてはニュータウン開発に合わせてルートが変更された経緯もあるらしい。


そんな生まれながらの通勤路線といった感じの根岸線だが、

実は貨物列車がけっこう走っており、そのため通勤電車の間隔が開くところがあるらしい。

一体何の貨物列車なのかというと、一番多いのは石油製品らしい。

根岸駅はENEOSの製油所に隣接しており、ここで石油製品を積んで関東甲信の内陸部に走っているんだそう。

根岸駅から桜木町駅まで根岸線を走り、ここから高島線という貨物線に入り、鶴見駅を経て各地へ向かうそうで。

意外だがとても重要な役目である。


ちなみに公営地下鉄以外が市電を代替したという点では神戸高速線が知られている。

開通時期も1968年と根岸線と同時期の路線である。

とはいえ、これは神戸市と私鉄4社(阪急・阪神・山陽・神鉄)共同出資の会社が、

私鉄4社から車両・乗務員を借りて運行するというスタイルだったので、

運行方式はさておき、準公営の地下鉄プロジェクトといってもよいと思う。

今でこそ阪神・阪急・神鉄の各地下区間という形になりましたけどね。


というわけで意外と歴史の浅い根岸線なのだった。

でも、市営地下鉄やみなとみらい線なんかよりは当然古い路線なわけですよね。

ましてや桜木町駅は日本最古の駅でもあるわけですから。

新横浜駅は便利か知らないけど

新横浜駅というと横浜の玄関口だが、その立地は港北区で都心から離れている。

新横浜駅を利用する人の目的地もいろいろだろうが、都心方面へ行くにはどうするか。

これは基本的にJR横浜線を使うとされている。


しかし1つ問題があって、それは横浜線の電車は東神奈川発着が多いということ。

実際には昼間は2/3は桜木町発着で運行されているが、朝晩は全部が東神奈川発着、

これは横浜駅に行くにはその1駅手前で乗換(しかも跨線橋を使うことも多い)ということである。

ここが1つ大きなハードルである。でも、これは横浜線では普通のことだし……

一方で、東神奈川での乗換を乗り越えれば、桜木町・関内(いずれも中区)まで直通である。

新横浜~都心方面は地下鉄もあるが、駅の立地はどっこいどっこいである。

東神奈川での乗換の手間は省けるが、一方でJRなら横浜市内発着の乗車券が使える。


いろいろな事情により新幹線の駅が在来線の中心駅と別の場所に設けられることがある。

特に東海道・山陽新幹線関係では、新横浜・新大阪・新神戸は利用者も多くよく知られている。

それぞれ置かれた状況はけっこう異なる。

新横浜駅はさっき書いたように都心との往来はやや複雑な事情はある。

でも、こうして都心と行き来して新横浜駅を利用する人は多い。


新大阪駅は大阪駅から1駅なので、ここはJRでサクッと1駅間乗車すればよい。

この移動は新大阪・大阪両駅にデカデカと案内されており、迷う人はそんなにいないはず。

あるいは御堂筋線が通じているので、新大阪~難波などは御堂筋線を使えば手頃である。

これはどちらにしてもJRだけではたどり着けず地下鉄に乗ることになるのが通常だからこれがよい。


新神戸駅を使うぐらいなら、新大阪から神戸市内は新快速で移動するわという話はあるかもしれないが、

新神戸駅はJR在来線との接続こそないが、立地はすこぶるよくて、

地下鉄に乗れば、三宮や県庁前(元町駅から近い)といったところまですぐ行ける。

さらに言えば、新神戸駅と三宮駅の双方から徒歩圏の地域もあったりして、そんなところで宿を取るといろいろ楽だったりする。

あと、新神戸駅は淡路島・徳島方面のバスの発着地だったり、便利な駅である。

めんどくさいなと思いながらも使われる新横浜駅とは対照的に、

好立地の割に新大阪からも在来線を選択する人も多いというところである。


よりマイナーなところで言えば、新富士駅が新幹線単独だが市街地から意外と便利そうな立地だったり、

逆に八戸駅は在来線時代から市街地から離れた立地で、中心街へはバスか八戸線の汽車で移動する必要があったり、

この辺はところによって結構違うなと思う。


それにしても新横浜駅は冷静に考えるとトンデモ立地だよなぁ。

でも、横浜からだと空港も近くないですから。

新横浜駅の立地が多少悪くても、西日本方面は新幹線有利である。

新横浜駅周辺はオフィスやスポーツ施設があり、生活色も強まっている。

相鉄新横浜線・東急新横浜線が開通すると、在来線でのアクセス手段も増えることになる。

横浜都心へのアクセスには寄与しませんが、川崎市内(武蔵小杉~新横浜が直通になる)や、相鉄沿線の横浜市内、あるいは大和市あたりとの往来が便利になるだろう。

快特好きには理由がある

昨日、大田区と品川区の境目あたりに行った話を書きましたが、

往路は品川駅から京急に乗って平和島駅へ向かうことに。

それでどの電車に乗ればいいのかなと発車案内を見ると、快特・普通・快特・快特 と並んでいる。

なんだこの快特だらけ…… 明らかに平和島は快特通過駅なので、普通に乗ればよいわけですね。

途中、後続の快特に抜かれながら向かったのだった。


「快特」というのは何かの略称というわけでもなくそういう種別である。

ただ「特急」の上位にあたる種別であることは確からしい。

ちなみに英語表記は”LTD.EXP.”となってたが、どうもこの表記は特急とまるっきり同じらしい。

緑色のLTD.EXP.と赤色のLTD.EXP.と区別するのだろうか。停車駅がだいぶ違うのだから難しいと思うが。


快特には大きく2タイプあり、東京から横浜を過ぎて横須賀方面へ向かうもの。

こちらは大半の時間帯で運行されるが、通勤時間帯は概ね特急と交互に走るようになっている。

もう1つが蒲田から空港線に入り羽田空港へ向かうものだが、こちらは通勤時間帯はエアポート急行に変更になる。

2012年、東京~羽田空港の快特・エアポート快特が昼間には10分間隔で走るようになった。

そして、その時間帯のエアポート急行は全てが川崎・横浜方面に向かうことになった。(略)

川崎・横浜方面には乗り換え無しなのに、東京方面へはフロアをまたいでの乗換が必要で、東京都内のはずなのに……と。

もっとも朝夕の通勤時間帯は、両方向のエアポート急行が混ざって走り、快特がほとんど走っていないので、

一定程度は沿線の通勤・通学にも配慮したものにはなっているそうである。

(空港アクセスの犠牲になる沿線住民)


それで停車駅はどんなもんなのかという話だが、快特・特急が通過運転を行う品川~堀ノ内(横須賀市)に着目してみると

  • 快特・特急停車駅 : 品川・蒲田・川崎・横浜・上大岡・金沢文庫・金沢八景・横須賀中央・堀ノ内
  • 特急停車駅(上記以外) : 青物横丁※・平和島※・神奈川新町・追浜※・汐入※
  • エアポート急行停車駅(上記以外) : 立会川※・鶴見・東神奈川・日ノ出町・井土ヶ谷・弘明寺・杉田・能見台

※の付けた駅は昼間は快特・普通と羽田空港から横浜・逗子方面のエアポート急行しか運行されない時間は普通しか停車しない

実は平和島って特急停車駅だったんですね。だから特急が走ってれば乗ってよかったわけ。走ってないけど。


それにしてもこの快特への偏重は異常ではないかと思ったのだが、これは京急が並行するJRより駅数が多いこととも関係するのでは? と。

京急本線とJR東海道線(京浜東北線)の品川~横浜は非常に近接して2社の路線が走る区間で、関東圏では意外に少ない。

JR総武本線と京成本線・千葉線もそうか。(ただ、ここは船橋で京成の成田方面とJRの東京方面を乗り換える人が多いという)

この京急とJRの関係に近いように思えるのが、大阪(梅田)~神戸(三宮)の阪神・JR・阪急である。

この中で駅数が多いのは阪神、歴史ある市街地を走ることもあり、特急は主要駅をくまなく止まって両都市を結んでいる。

一方のJRは新快速は尼崎・芦屋の2駅のみ停車で短時間で大阪から神戸、さらにその先の明石・加古川・姫路を結んでいる。

山側の住宅地を結ぶ阪急ともども、阪神間の3社の役割分担はわりとくっきりしている。

(ここに落ち着くまでにはいろいろあったわけだけど、今となっては)競合という感じはあまりない。


東京~横浜のJRと京急も同じような構図かと思いきや全然違うんですね。

というのも、京急はこの区間で海沿いを走る区間が多く、JRと比べて集客力があるというわけでもない。

京急が真に集客力があるのはJRと平行しなくなる横浜から横須賀方面のことで、

この区間では近接してJRの駅があったとしても、駅の立地やルート上、京急の方が有利であるのが普通である。

エアポート急行はこの区間で利用者の多い駅をくまなく拾って走っているわけですね。

大都市交通センサスのデータを確認したら、京急の利用者のピークは横浜~戸部(横須賀側の隣駅)ということで、

東京都心~空港線の需要を加えても、品川駅付近よりも横浜駅付近の方が利用者多いんですよね。

横浜駅で乗降してどうするのかというと、もちろん横浜市内で通勤・通学する人もいるわけだけど、

東京方面へ通勤する人でもJRへ乗り換える人は多いらしく、これは目的地の都合もあるんでしょうけど。


これこそが京急が快特に傾倒する理由であって、品川~横浜ではJRと勝負できる所要時間でないと、

せっかく横浜・横須賀市内で集めた東京方面へ行く乗客も横浜駅でJRに逃げられてしまうんですね。

快特はこの目的を達成するために最適な種別であって、JR東海道線快速と京急快特の所要時間はほぼ同じである。

これが特急だと5分ほど余分にかかってしまう。それでもJR横須賀線と同じぐらいだからすごい遅いわけではないが。

さっきも書いたようにこの区間の途中駅は蒲田・川崎を別とすれば、そんなに利用者が多いわけではない。

だからラッシュ時以外は軽視しているとそういうわけである。


ただ、ラッシュ時にエアポート急行が来ない区間の快特通過駅を普通だけで賄うのは難しく、

これを埋めるために特急を走らせているということなんだろう。

あるいは空港線途中駅と東京都心の行き来も不便するので、この区間にもエアポート急行が出てくると。

昼間とはだいぶ雰囲気が違うことは見て取れる。

なかなか京急の商売も大変だなと思いましたね。

外回りばっかり走らせればいいわけではない

今日から東京オリンピックは札幌での陸上競技が始まった。

2021年夏の札幌都心に掲げられた「TOKYO 2020」の下を選手たちが必死で歩いていた。

それにしてもこれが東京から830km離れた札幌であるというのは外国からテレビ観戦している皆さんには伝わってるのかね?

冬には雪に見舞われるけど、そんなことも感じさせないような大都会ですからね。

練習場所は1972年の札幌オリンピックでメイン会場となった真駒内屋外競技場という冬季オリンピック要素もあったらしい。

しかし、今年は北海道も暑いんだな。WBGTで見れば東京より多少マシだけど、それでも過酷ですよ。


今さらなんですけど、10月23~24日にJR山手線が一部運休となる。

渋谷駅山手線内回り線路切換工事(ホーム拡幅)に伴う列車の運休について (pdf) (JR東日本)

目的は渋谷駅の山手線ホームの工事のためで、現状、内・外それぞれのホームがあるのを1つにまとめて拡幅するんだそうで。

やりたいことの割には大がかりすぎる工事だと思うんですけどね。

で、今回は池袋→大崎の内回りの線路の工事なので、当該区間の内回りは全て運休となる。

ここで珍しいのが内回りだけ運休となることである。


じゃあ、外回りは普通に動いてるんかいと思ったらそういうわけにもいかない。

JRの説明に期間中の山手線の運行形態は、

内回り 池袋~渋谷~大崎間・・・運休

    大崎~東京~池袋間・・・本数を大幅に減らして運転(池袋駅で上野方面に折返し運転)

外回り 大崎~渋谷~池袋間・・・本数を減らして運転 (一部、大崎駅で東京方面に折返し運転)

すなわち 大崎→池袋→上野→品川→大崎 という列車と 大崎~品川~上野~池袋 を言ったり来たりする列車が混在して走ると。

山手線の電車は車庫を出れば基本的には車庫に入るまでは同じ方向に走り続ける方式らしいのだが、

この期間はぐるぐる回るのと、折り返し運転を織り交ぜて走るというスタイルになるわけだ。


しかし、山手線というのは品川~田端では京浜東北線と並行して走っているのだから、

あえてこの区間の往復運転を確保する必要があるのかと思ったのだが、よくよく考えてみれば重要である。

大崎~品川~上野~池袋 で京浜東北線と並行しないのは 大崎~品川 と 池袋~田端、

前者については途中駅はなく、代替手段がいくつかある(後で書く)ということでなんとでもなると思う。

しかし、池袋~田端は平行する鉄道路線がないわけですよね。ここら辺は豊島区内の生活路線という色が濃い区間だが。

外回りだけの運転だと、池袋→巣鴨 みたいな移動はよいけど、逆に巣鴨→池袋はこれといった代替手段がない。

それは困るので、外回りの大崎→池袋の運行本数を削ってでも、内回りの本数は少なくても、往復運転を確保しているんじゃないか。


そんなわけで、期間中に線路に電車が走らなくなるのは 池袋→大崎 の山手線だが、

当該区間には埼京線・湘南新宿ライン(山手貨物線)の電車が運行されており、埼京線で増発が行われる。

ただし、停車駅が 池袋・新宿・渋谷・恵比寿・大崎 と限られている。

停車駅相互なら埼京線で移動すればよいが、池袋側から通過駅に行きたい場合はどうするか。

この場合、行きすぎてから外回りの電車で引き返すとかいう使い方も考えるのかも知れない。

あるいは振替輸送ですね。高田馬場~西武新宿(歌舞伎町だからJRの駅からはちょっと遠いけど)の西武新宿線とか。


大崎~品川については、往復の運行は確保されるものの本数が大きく減る。

ただ、代替手段はいろいろある。

1つは埼京線の直通先、りんかい線(振替輸送対象)の大井町駅で京浜東北線と乗換ができること。

渋谷~川崎みたいな移動だったら、大井町でりんかい線から京浜東北線乗り換えて行けばいいわけですね。

1つは湘南新宿ラインと横須賀線(品川方面)を西大井で折り返すという方法。

平時にやると不正乗車になる可能性はあって、なぜならば大崎~西大井は運賃計算上は品川経由とみなすルールがあるから。

ただ、大崎→品川の本数が激減するので、複乗になるとしても西大井での折り返しは正当な理由があると考えていいんじゃないか。


そして、実はこの区間を埋める臨時列車が設定されるらしい。

山手貨物線の線路を使用し、品川~新宿間で臨時列車を運転

(臨時列車は、品川・恵比寿・渋谷・新宿に停車)

なんだこりゃ? と思ったのだが、どうも埼京線の線路から大崎駅をすり抜けて品川駅へ至るルートがあるらしい。

ただし、本数は毎時1~2本程度と当たればラッキーという程度の本数である。

多分、大概においては 大井町のりかえ か 西大井折り返し の方が早いと思う。


今回は運休にもかかわらず、全く電車の来ない駅はないというのが珍しいスタイルである。

ただ、電車は来ても一方向きしか来ないとか、往復で本数は全然違うとか、いろいろ混乱はある。

埼京線が利用できるケースはまだよいが、そうでない場合は地下鉄などへの迂回を検討すべきだろう。

実際、これがどれぐらいの混乱を起こすんだろうなとは思うんですけど、

駅自体は動いてて、折り返したりなんとかすれば使えてしまうというのは案外難しい話だと思う。


とはいえ、これは難しい工事だけど、埼京線があるおかげで長時間の運休も許容できるというのは助けになってると思う。

実際、渋谷駅の埼京線ホーム移設のときは、山手線があるということで運休を許容できる部分は多かった。

その逆をやるが、埼京線の停車駅は絞り込まれてるので、ここがポイントである。

瀬戸内海は難しい

来島海峡付近で貨物船の衝突事故があったということが報じられた。

貨物船沈没、船長ら3人が不明 現場は海上交通の難所 (朝日新聞デジタル)

一方の船員3人が行方不明ということで、うーん……という感じですね。

来島海峡は瀬戸内海最大の難所として知られている。

その来島海峡を安全に航行するためのルールがこの事故の背景にありそうだ。


瀬戸内海は島が多く、大型船が安全に航行できる範囲というのは意外に限られる。

明石海峡・備讃瀬戸・来島海峡の3箇所は航路が厳密に決められ、東西に行く多くの船が航行している。

それぞれ本州・四国間の架橋ルートが通っており、明石海峡は明石海峡大橋(神戸淡路鳴門自動車道)、

備讃瀬戸は瀬戸大橋(瀬戸中央自動車道)、来島海峡は来島海峡大橋(西瀬戸自動車道=しまなみ海道)が架かっている。

(明石海峡大橋以外は複数の橋の総称であることに注意)

陸同士が近いところを架橋するのが合理的であるのは言うまでもないが、それは裏返せば海上交通の制限が多いということ。

安全な航行のためには、船が守るべきルールはいろいろある。


明石海峡は海峡自体はそこまで狭くないが、東側で明石海峡と阪神港の各方面と往来する船が錯綜するのを防ぐために、

明石海峡の東側の一定区間で東西を行く船が交差しないようにするルールがあるという。

備讃瀬戸では全ての船は12kt以下で航行しなければならないという速力制限が設けられている。

安全に航行できる範囲が限られる中で追い越しが発生しにくいようにということらしい。

オーシャン東九フェリー(東京~徳島~北九州)が、徳島~北九州で基本的には太平洋に出るルートを使うのだが、

これは瀬戸内海経由の方が遅いからということであり、その要因の1つにはこのような速力制限もあるとみられる。

なお、荒天時は瀬戸内海経由のルートを使うこともある。(欠航するよりは遅れながら運航した方がよいということ)


で、来島海峡の航行ルールはかなりトリッキーなものである。

来島海峡の見どころ (来島海峡急流観潮船)

来島海峡は鳴門海峡・関門海峡と並んで潮流が激しいところとして知られる。(全部瀬戸内絡みだな)

で、このページの中程に「順中逆西」と書かれているが、これこそが来島海峡の特殊航法である。

来島海峡の大型船の通れる航路は馬島を挟んで、四国側の西水道と大島側の中水道の2つがあり、それぞれ一方通行である。

普通は船は右側通行ですから、中水道を北行、西水道を南行として使うのだが、

来島海峡付近に限っては特別なルールがあって、

潮の流れと同じ方向に航行する時は中水道、潮の流れと反対方向に航行する時は西水道を航行する決まりとなっています。

このルールを「順中逆西」といい、このように潮の流れによって航路を切り替えるのは世界唯一だという。


それにしてもなんでこんなルールが? と思うわけだけど、

中航路は比較的真っ直ぐ航行できるのだが、西航路は陸との関係により曲がりくねったルートになる。

来島海峡は潮の流れが特に速いが、潮の流れに乗ってスピードが出ていると舵が利きにくくなる。

この状態で西航路を通ると事故の原因となりかねないということで、潮の流れに乗って進む船は中航路を使い、

逆に潮の流れに逆らって進む船はスピードが出ないので安全に西航路を航行できるということである。

なお、巨大船はより安全な航行が出来るようにこのようなルールがあるとのこと。

200mを超える巨大船は、潮どまり前後の潮流のゆるやかな時間帯に、中水道を航行することが義務付けられています。


しかし、このルールにはいろいろ問題はあり、潮の流れが変わるときのコントロールは問題の1つである。

そして、ここだけ一般的な右側通行のルールと異なるということは、来島海峡前後で船が交差する場合があると。

実は今回の事故現場はまさにこの船が交差するポイントで起きたという。

現場海域は、海峡を抜けた船舶と海峡に入る船舶が交差するポイントにあたるという。

余裕を持って右側通行と左側通行の入れ替えができるようになってはいるはずだけど、

そこで何らかの問題があり、東西を行く船同士が衝突するということになったとみられる。


なんて難しいと思ってしまうけどね。

ただ、来島海峡の流れの速さは相当のようで、行方不明の船員を探すのも難航しているという。

今治海上保安部によると、潮流が弱まる時間帯を見計らって、28日昼から約6時間おきに特殊救難隊員らが潜水。船尾付近から船内に入って捜索している。水深約60メートルの海底に転覆して沈んでいる船体(高さ約30メートル、長さ約170メートル)の捜索は、海中で活動できる時間が十数分と限られ、潮流も速いため、難航しているという。

(貨物船捜索、機関室にたどり着けず 機関士らいた可能性 (朝日新聞デジタル))

今回の事故が発生したのは来島海峡を抜けて少し広くなったところであるはずだが、

そこで潮の流れが変わる時間を見計らって、数十分程度の捜索するのがやっとということである。


瀬戸内海は多くの漁船も行き交い、離島航路などで航路を横切る方向の船もあるから、気が抜けない難しい海域だと思う。

大きな船にとって瀬戸内海を通らなくて済むならそれに越したことはないけれど、

瀬戸内海に沿っては多くの工業都市があり、それらは瀬戸内海の海運あってのものである。

カーフェリーの定期航路も多く設定され、高速道路が整備された現在でもトラックの利用は多く、レジャーでの利用も多い。

あと、普段は瀬戸内海を通らない船でも、造船所への出入りというのもありますからね。

難しいなりに避けられない海域なんじゃないかなと。

駅名入れ換え作戦

そういえば、先日に北陸新幹線の越前市にできる新駅が「越前たけふ駅」に決まったという話を書いた。

なくなる駅でも重複したくなかった?

この件について、福井鉄道の越前武生駅は越前市の負担で改名されるそうである。

新幹線の新駅名と同じ読み…既存の私鉄駅の名称変更へ 福井鉄道の越前武生駅 (福井新聞)

非常にスムーズというか、既定路線だったんだろうな。


これを見て「京成千葉駅」のことを思い出した。

現在の京成千葉駅は そごう千葉店・JR千葉駅 に隣接したところにあるが、

1987年3月末まではここには「国鉄千葉駅前駅」があった。

しかし、同日に国鉄がJR東日本になるにあたって、この駅名ではおかしいと改名されたのである。

ところがここには大きな問題があって、もともとより千葉市街に近いところに「京成千葉駅」があった。

そこで、この駅は同日に「千葉中央駅」と改名された。現在の千葉中央駅はもとは京成千葉駅だった。

この名称変更は同日に行われたので、3月31日と4月1日の京成千葉駅は違う駅である。

そんな無茶苦茶な話があるかよと思うけど、本当にこんなことをやらかしているのである。


もっとも駅の移転に近いようなケースではそんなに違和感はないかも。

調べたら、比較的最近でも下記のようなケースが見つかった。

1つは北九州モノレールの小倉駅は1985年の開通当初はJR小倉駅の南方400mほどの位置にあったのだが、

利便性を高めるために1998年に延長され駅ビル内に新駅ができたが、それまでの小倉駅は「平和通駅」として存続することになったもの。

1つは京成が1991年に成田空港ターミナルビル地下に新線を開通させて、第1ターミナル地下に終点となる「成田空港駅」を開業したとき、

それ以前の成田空港駅(ターミナルビルへはバス連絡だった)を「東成田駅」に改名した例。

東成田駅は空港への通勤客が利用する駅として存続したが、成田~東成田は利用者はごく少なく、本数もごく少なかったのだが、

2002年に東成田~芝山千代田に芝山鉄道が開業し、芝山町への生活路線としての意義も持つようになり、少し持ち直してきてる。

多分、こういう例はいろいろあると思う。


混乱を避けるために少しタイミングをずらして駅名を入れ換えた例もあるようだ。

現在の和歌山駅は当初は東和歌山駅という名前だったのだが、少なくとも国鉄においては和歌山市における中心駅だった。

ところが、この当時は1898年に現在の紀勢本線の始発駅として作られた和歌山駅が別に存在していた。

この和歌山駅は開業当初は始発駅だったのだが、1903年には和歌山市駅へ延長して南海鉄道(現在の南海電車だが)と接続して、ここを拠点化。

なので開業5年で代表駅としての意義を失い、長年放置されていたのだが和歌山駅の名前を東和歌山駅に譲ることになり、

1968年2月に和歌山駅を紀和駅に改名、同年3月に東和歌山駅を和歌山駅に改名と1ヶ月ずらしで改名した例がある。

まぁ元々の和歌山駅がほとんど存在意義がない駅だったから大きな問題はなさそうだが、さすがに同時は……となったんだろうな。

中心駅っぽくない名前で改名されたというと、2004年に新幹線開業に合わせて行われた 西鹿児島→鹿児島中央 の改名なんかもそうだけど、

こちらは旧来の鹿児島駅はそのまま残っている。(県庁所在地の代表駅っぽいのにしょぼい駅として有名である)


今回は福井鉄道の越前武生駅の改名タイミングが新幹線開通に対してどういう時間関係で実施されるのかはわからないが、

両社が異なる会社であり、一方はローカル私鉄、一方は新幹線新駅ということで、遠くの駅で混乱を引き起こす可能性は低い。

これは越前市内でどういう形で言い分けるかというところがだけが問題とも言える。

「越前武生駅」と「越前たけふ駅」と表記上は異なるので、その気になれば区別できる点では好都合だし、

もっとも新幹線開通は2024年とまだ時間があるので、1~2年前に改名しておけばかなり余裕はある。


しかし、京成千葉駅の改名は本当によくこんなことやったなと思いますね。

定期券とかどうやって区別してたんだろうね。発行日によって「京成千葉」の意味は違うんですからね。(わずか1駅間だけど)

しかも直接の改名理由が他社の組織変更に伴うという、実態として何が変わるんだというしょうもない内容である。

この頃には京成にとっての代表駅も千葉市最大の百貨店である そごう千葉店 のある 国鉄千葉駅前駅になってたんだろうし、

そういう意味では「国鉄――駅前駅」なんてのはすでに実態に合わない駅名だったのかもしれない。

それこそ越前武生駅の旧駅名「武生新駅」なんていうのもそういう話でしょう。

指定席券売機1台でOK

最近は近距離で紙のきっぷを買って電車に乗ることは減りましたね。

JRで近距離きっぷを最後に買ったのっていつだっけ?

ICカード非導入区間を乗ることはあるが、JRだと長距離乗車の一部であることが大半だからな。

で、JRの近距離きっぷと言えば、オレンジ色の感熱紙で出てくるのが通常だが、

最近は一部の駅で水色のきっぷが出てくることがあるらしい。これは長距離きっぷと同じ紙である。

でもきっぷ自体のサイズは小さいんだよね。


これは指定席券売機に近距離きっぷの発行機能を付けている場合に見られる。

この方式はJR東海とJR北海道で採用されているとのことである。(JR北海道の方が先行して導入されたらしい)

指定席券売機のサービス拡充について (pdf) (JR東海)

指定席券売機(昔はJR東海ではエクスプレス券売機と言ってたが、もう今は聞かないね)に近距離きっぷ発売画面を付けて、

特急券・長距離乗車券・定期券の発売画面と切り替えて使えるようにしてあると。

JR東海の画面を見ると、ICカードのチャージや残高利用でのきっぷ購入はできないように見えるが、

JR北海道では同システムでICカードのチャージにも対応しているようだ。

(そもそもこの機械自体はICカードの定期券の発行ができるので、やってやれないことはない)


さて、どうしてこういうシステムを導入したのかというと、いろいろな見方があると思うが、

大きいのは駅業務の自動化のために指定席券売機を設置しようと考えたときに、

既存の券売機を撤去して設置するとなると、近距離きっぷを買う人が割を食うことになる。

そこで近距離きっぷの券売機を撤去した分は、近距離きっぷ対応の指定席券売機にするという方法が考えられたと。

実際、JR東海ではこのシステムを導入したことをきっかけに在来線駅への指定席券売機導入が進んだという。


なんとこのシステムの導入で全ての券売機が指定席券売機になってしまったところがあるという。

そんなところの1つが名古屋駅の近鉄→JR乗換改札である。

この改札の利用者の多くは近鉄電車と新幹線を乗り継いで使う人なので、新幹線のきっぷの購入・受取の利用が多い。

せせこましい改札口なのだが、かつては有人窓口もあったという。

ただ、改札を出て窓口に来てもらえば済む話なので、有人窓口は「サポートつき指定席券売機」に置き換えられたという。

(この辺の経緯は鶴橋駅にも似ていて、ここも京橋方面乗換改札の みどりの窓口 が みどりの券売機プラス へ置き換えられた)

この時点では同改札には、指定席券売機4台(うち1台がオペレータ対応可能)と近距離券売機が2台あったのだが、

その後、近距離券売機2台を撤去し、指定席券売機1台増設、そして全てを近距離きっぷ対応にしたという。


名古屋駅で近鉄・JRの乗換をすることはあっても、ここを使うことはほとんどないので知らなかったんだが、

まさかそんな極端なことになっていたとはと驚きつつも、実情には合っていると思う。

現在、近鉄・JR東海はPiTaPa・ICOCA・TOICAのいずれも両社とも利用することができる。(PiTaPaはJRでは要チャージだが)

JR側はICカード非導入路線も残るが、名古屋から近距離だと三重県方面が主ですから、近鉄~JRの乗換には実質関係ない。

先ほど書いたように、JR東海で本システムの券売機はICカードのチャージに対応していないが、近鉄の精算機でチャージ可能である。

このことから、ここできっぷを買う必要がある人の大半は特急券の購入が必要と言うことである。

だからといって近距離券売機を置かないわけにはいかないのだが、5台の指定席券売機いずれも使えるので、従来より自由度は高まっている。


他にも駅唯一の券売機が指定席券売機になってしまった例があるらしい。

それがJRの鳥羽駅だそう。

JRの鳥羽駅なんてあったっけと思ったのだが、確かに近鉄の利用者が圧倒的に多いが、JR参宮線の終着駅でもある。

歴史的には参宮線は鳥羽を含む志摩地域に至る唯一の鉄道路線だったのだが、1970年に近鉄鳥羽線が開通し、

これにより、それまで飛び地で存在した近鉄志摩線(鳥羽~賢島)と大阪・名古屋方面が直結することとなった。

(なぜ近鉄志摩線が飛び地で存在したのかというと、もとは国鉄に接続するローカル私鉄だったのが戦時統合で近鉄系列に入ったため)

データを見てみると1970年を境に国鉄の駅利用者は激減、多少の経路の違いはあるが、伊勢市~鳥羽のJR利用者はごく少ないとみられる。


こうして考えてみると、むしろなんで鳥羽駅に指定席券売機が必要なのだと思ってしまうのだが、

鳥羽駅には「快速みえ」が乗り入れており、この列車自体は基本的に乗車券だけでよいのだが、一部に指定席が設けられている。

(なぜ指定席があるのかというと新幹線接続で使われることを想定しているらしいが、そういう利用はおそらく少ない)

このため、駅では指定席券の購入ができることが好ましく、かつては有人窓口で指定席券を購入できるようにしていたそう。

しかし、さきほど書いたようにこの駅の利用者はごく少なく、駅員を置くのももったいないと無人化、

さらには券売機も近距離きっぷ用と指定席用を兼ねるようにしてしまったのだという。

というわけで、近距離きっぷ対応の指定席券売機を導入した結果、駅無人化が実現できたという話である。

なお、参宮線はTOICA非導入路線なので、ICカード非対応であることは全く問題にならない。


全体としてはここまで極端なことは少ないみたいなんですけどね。

JR東海では本方式はICカード非対応なので、もしもICカード導入駅の券売機を全部これにすると、チャージ機を単独設置しないといけない。

(もっともJR東海の場合、残高0円でも改札を通れるから、改札内にチャージ機を1台置けば最低限の目的は達成される)

それも含めてJR北海道ではICカードのチャージに対応しているように、必要ならICカード対応も可能な仕組みなので、

そういうところまで含めて1台に集約してしまうことは可能かも知れない。

券売機自体のコストは高いと思うけど、台数が減らせることはそれ以上のメリットなのでは?


これを見て思いだしたけど、そういえばJR東日本で みどりの窓口設置駅が、

指定席券売機ではなく黒い多機能券売機に置き換えられたという話があったとかなんとか。

多機能券売機は定期券が購入できる券売機だが、指定席特急券の購入はできない。

特急停車駅でなければ、駅で特急券が購入できないことは軽微な問題だし、通学定期も駅員操作で買える場合もあるとか。

そして多機能券売機は近距離券売機がベースだから、1台あれば全てのニーズに対応できるという発想もあったのかもしれない。

それが指定席券売機の近距離きっぷ対応で、本当に1台で全てのニーズに対応できるものができたとのかもね。


これを調べてたときに知ったけど、伊勢市駅や鳥羽駅など、三重県内のJR駅の指定席券売機には、

近鉄で名古屋まで行って新幹線に乗る場合も想定して名古屋駅からのきっぷも買えるが、

その新幹線に乗り継げるかどうかは自分で調べることという主旨の貼り紙が貼ってあるらしい。

(指定席券売機には時刻検索機能があるので、特急乗車駅までの乗り継ぎも考慮して買えるようだ。使ったことないけど。)

よく考えてみれば、伊勢市駅の場合は近鉄・JR問わず両社の改札を使え、近鉄はJR管理の改札に特急券うりばも置いてある。

このことから伊勢市駅のJR管理の改札も圧倒的に近鉄利用者が多く、そのJR改札で名古屋からの新幹線のきっぷも買えるのならそりゃ便利だわな。

JRとしては不本意な面もあるが、どう考えても名古屋まで近鉄を使う方が便利だし、特急券込みなら他駅発のきっぷも扱うのは当然である。

そういう現実を踏まえた上での貼り紙なんだろうな。いやはや。

なくなる駅でも重複したくなかった?

北陸新幹線の金沢~敦賀で唯一の新幹線単独の新駅が 越前たけふ駅 に決まったらしい。

「北陸新幹線(金沢~敦賀間)」新駅の駅名について (JR西日本)

当初の仮称は南越駅、ただ周辺地域からはあまり納得感のない駅名だったらしく、

越前市の提案した候補でも真っ先に外されてたぐらいである。

(まぁ工事段階の仮称なんてそんなもんだよねと)

その提案された駅名の1つが「越前たけふ」だったのだが、さてなぜこんな駅名になったのだろう。


やはり大きな理由としてあったのは、立地するのが越前市であったことである。

越前市は2005年に武生市・今立町の合併でできた市である。越前国の国府があったことにちなむ市名らしい。

ただ、そもそも越前というのが福井県の敦賀市より北側を示す広域地名なので、そのまま採用するのははばかられる。

そんなことで越前に何かをつけた名前をいくつか提案していたようである。

北陸新幹線新駅駅名候補選定委員会 (越前市)

越前たけふ というのは 市名+地域名 という発想だが、なぜ武生がひらがなになったのだろう?


実は越前武生駅はすでに福井鉄道の駅として存在している。

かつては武生新駅(駅名標には「武生新」と書かれていた)だったが、越前市ができるにあたって改名したそう。

変な駅名だという思いはあったんだろう。(同時に福井新駅も赤十字前駅に改名されている)

位置としてはJR武生駅のやや北側にある。中途半端に離れているが乗換駅の範疇である。

駅名が重複するにもかかわらず越前市は「越前武生」を提案していたのだが、

こちらを何らか別の駅名に改名する覚悟はあったんだろうと思う。


ただ、結果としてはJRは越前武生駅を採用せずに越前たけふ駅を採用した。

音が同じなので、さすがに福井鉄道の越前武生駅がそのままの名前で存続するのは難しいという話はあるので、

改名に向けて動く可能性はあるが、福井鉄道にとっては新幹線は関係ないので、改名するにしても越前市の費用負担とかになるのかなぁ。

福井鉄道も越前市の費用負担があれば改名自体は問題ないということを越前市の選定委員会でも述べていたようだ。


どうせ改名するなら越前武生駅でもよかったんじゃないか? という話はある。

ただ、どうもJR西日本は過去にあった駅名をそのまま採用することは避けているようである。

というのが最近の新駅の命名から見えるんですよね。

一番言われたのは広島市を走る可部線で過去に廃線になった一部区間を復活させたときに、

新しい終着駅となった「あき亀山駅」のことである。

実はもともと同地区には安芸亀山駅という駅があって廃線時になくなったのだが、同位置に復活したわけではない。というか場所はだいぶ違う。

このことから、命名趣旨は同じ(亀山駅は三重県に存在しているので重複を回避する必要がある)で違う駅名ということで、

広域地名の「安芸」をひらがなで表記することにしたようだ。まぁダサいとは言われたが。


もう1つが、嵯峨野線の新駅、梅小路公園へのアクセス駅として新設されて、仮称は七条駅だった。

この駅は「梅小路京都西駅」となった。JRと京都市が共同で発表しており、地域と円満に決定されたことがうかがえる。

しかし、この駅名を見て、なんで梅小路駅ではいかんかったのだと。というか「京都西」とはなんだと。

というのも、梅小路駅というのは、もともと当地に貨物駅として存在していたのだが、この時点では京都貨物駅に改名されていた。

それなら梅小路駅と命名しても困らないんじゃないかという話である。伝統ある駅名が復活するのはよいことじゃないかと。

このことについて、梅小路駅が過去に存在していたということが梅小路駅にならなかった理由ではないかという指摘があった。


というわけで、以上のことからすると、JRは越前武生駅が改名されて別の名前になるとしても、

越前武生駅という名前をそのまま使いたくはなく、その結果として越前たけふ駅になったんだろうということである。

これは地域の要望も踏まえた命名ではあり、市名の越前を取り入れることを優先したということである。

JR西日本の新駅では、先ほど出てきた あき亀山駅 以外に、はりま勝原駅・ひめじ別所駅など、地名をひらがなにした駅があるが、

いずれも広域の方の地名をひらがな表記しているところ、狭い方をひらがな表記にしているという点では独特である。

命名の経緯が違うのでなんとも言えないのですけどね。


この駅が当地でなんと呼ばれるようになるのかというのは気になるところで、

越前武生駅は改名したとしても、武生駅は今後も北陸本線(福井県が設立した会社に移管予定)の駅として存続するだろう。

北陸新幹線の新駅では、黒部市に設けられた 黒部宇奈月温泉駅、これも新幹線単独駅で地域の要望を踏まえて命名されたものだが、

この駅は富山地方鉄道が接続駅を新設しており、この駅は「新黒部駅」と命名された。

これはもともと新幹線の新駅の仮称だったのだが、新幹線の駅名に合わせなかったのは、

同社にとっては宇奈月温泉の最寄り駅は終点の宇奈月温泉駅だから混乱するという理由である。

この経緯は端から見れば奇怪な話だが、宇奈月温泉の人々は新幹線の駅名の一部に温泉の名前が入ったことは喜んだらしいのでいいんだろう。

(実際、自動車で移動することを考えれば、黒部宇奈月温泉駅は宇奈月温泉には十分近い)


JR西日本の駅名の命名はいろいろ言われることは多いが、結果的には定着しているんじゃないか

1994年に湊町駅がOCAT開業にあわせて「JR難波駅」と改名されたのは、

日本初のアルファベットを含んだ駅名であり、またJR自身が「JR」と駅名を付けた初めての例だった。

当初はいろいろ言われたらしい、四つ橋線なんば駅とはごく近く、またOCATは難波地区の高速バスターミナルとして定着し、

各社呼び名がバラバラということはさておき「JRなんば駅(OCAT)」の表記を採用する会社も多く、確かにわかりやすいなと思う。

この後も他社との重複が問題となるようなところでは「JR」を付けた駅名がいくつも採用されている。

この方法で駅名の重複を回避出来ると、シンプルに JR+地域名 の命名ができるというメリットがある。


というわけで、けっこうな奇策だとは思うが根拠はあるんだなと思った。

なお、北陸新幹線の同区間では 小松・加賀温泉・芦原温泉・福井 は既存駅に併設される。

わりと既存駅への併設が多いんですよね。新幹線が使いやすくなるという点でよいと思う。

新幹線開通後は京都・大阪あるいは米原・名古屋方面へは敦賀駅での乗換がメインとなる見込みである。

また、福井県内から東回りで東京へ行く人が多くなるはず。(現在は米原経由が主流なので大きく変わる)

福井県はしらさぎ号の福井までの運行を要望しているし、これは一理あるんじゃないかと思うところはあるが、本数は多くならないだろう。

敦賀での乗換がどうかなぁという感じはあるけど、特急の乗り換えは楽になるように工夫されるらしい。

逆に言うと特急だけですね。新幹線の敦賀駅が在来線からかなり離れてしまうのは確からしいので。