試作品は不良品だらけ

明日は早朝に家を出るというのに、珍しくも残業。

というのも今日の午後に試作品が届いたのである。

それで月曜が休暇なので、今日中にセットアップと簡単な動作確認ぐらいはやろうと。

そこまでやっとけば月曜の作業で困ることはないでって。


ただ、この試作品、なんと届いた基板のうち6割ほどが不良だった。

しかもプロジェクトの特殊性から特定のタイプは予備品がない。

「1枚でも壊れたらスケジュール崩れるから」とは言っていたけど、まさかね。

正しく動くものもあるので設計ミスということはないわけだが……


調査したところ、ある部品のはんだ付けの不良であることがわかった。

特殊な はんだ付けが必要になる部品だとまずいなとおもったのだが、

幸いにして一般的なはんだごてで修正可能な内容ではあった。

工場に送りつける証拠写真を撮影した上で、修正しやすいもの1枚を先行してリワークしてもらい、

これで最低限のテストができる体制になった。

他もこの部品のはんだ付けの問題ではないかとみられる。


けっこう試作品の製造不良って多いんですよね。

工場に言わせれば「試作品にはAOI(自動光学検査)かけないからね」と言うけど、

そういうレベルではないミスが見つかっている状況である。

どうしてこういう不良を引き起こしたのかという背景はある程度想像できるのだが、

なぜその手順で作業する必要があったのかという疑問はやはりある。

あと、その手順でやるにしても作業者の技量としてどうよという話はある。


工場にとってみれば試作品の製造というのは非定常作業であって、

それでやはりいろいろあるのは理解できる面もあるけどね。

しかし、怖いのは製品の製造でもこういうミスをやらかしていることであって、

製品の場合は各種の検査で発見されることも多いんだろうが。

(AOIをかけてないのを免罪符にされるほどにはAOIが効果的なのだろうか?)


ただ、全般的に見れば心配していた問題はあまりなくて、とりあえず一安心。

とりあえず製造不良らしきものはリワークして使えるようにした上で、

壊さないように注意深く扱って、評価でも問題が起きなければ……

というわけだから、来週・再来週は忙しそうだ。

周波数変換設備はどこに置く?

昨日、直流送電の話を書きましたが。

日本海経由で北海道から電気を送る

日本で直流送電と言えば忘れてはいけないのが、周波数変換設備である。

60Hzの中部電力と50Hzの東京電力の間の送電は直流送電による必要がある。

これを周波数変換設備と呼んでるんですね。


この周波数変換設備、両社の営業エリアの境目付近にありそうなもので、

確かに東清水変電所はそういう立地なのだが、これは3番目に出来た設備である。

他はあんまり境目付近じゃないんですよね。

日本初の周波数変換設備は 佐久間周波数変換所 なのだが、

所在地は浜松市天竜区佐久間町、静岡県ではあるけど1kmも行けば愛知県豊根村なんですね。

かなり中部電力エリアに入り込んだところだが、なぜそこで60Hz地域と50Hz地域をつなごうと思ったのか?


その理由は近くにある佐久間ダムと佐久間発電所(水力)にある。

このダムと発電所はJ-POWERの施設で、1956年に運転開始している。

天竜川の豊富な水量と、大きな渓谷を生かした当時としては破格の大規模発電所である。

このため静岡県・愛知県境という立地にもかかわらず、60Hz・50Hzを切り替えて発電できる仕組みが導入された。

発電所からの電力を送る送電線もJ-POWERが建設・所有していて、

60Hzの電気は名古屋付近で中部電力の送電線に接続する佐久間西幹線、

50Hzの電気は川崎付近で東京電力の送電線に接続する佐久間東幹線で送られる。

両地域に大電力を送るのだから2つとも275kV送電線である。

これが1965年に日本初の周波数変換設備が佐久間町にできた理由だという。

この頃は大電力を扱える半導体素子がなく、水銀整流器(整流器という名前だがコントロールにより直流→交流の電力変換も可能)を使っていたという。

1993年には光サイリスタを使った設備に更新されている。


次に作られた周波数変換設備は新信濃変電所である。

信濃とある通り中部電力の営業エリアである長野県朝日村にあるのだが、

この変電所は東京電力の50Hz用の施設である。

なぜかというと東京電力は信濃川水系の水力発電の権利を持っていて、

このために長野県内に東京電力の水力発電がいくつかある。当然50Hzである。

特に1970年頃には揚水発電所が3つもこの地域にできて、大量の電気が出入りするようになった。

当時、送電線の大容量化のため500kV送電線というのが導入されつつあり、

水力発電所群と埼玉県方面と500kV送電線で接続するための変電所として作られたのが新信濃変電所だそう。

周りは60Hzの中部電力管内、その中に東京電力の営業エリアと大電力をやりとりできる変電所があるということで、ここも周波数変換設備の適地とされた。

そこで中部電力の275kV送電線が引き込まれ、1977年から周波数変換設備が稼働している。


そして3つ目が最初に「営業エリアの境目付近」と書いた東清水変電所である。

これ自体は中部電力が静岡市清水区周辺に電気を供給するための変電所で、

末端の需要家に向けて電圧を下げるために存在していた変電所である。

ちょうど営業エリアの境目付近ということで周波数変換設備が置かれることになったが、

実は中部電力にとっても、東京電力にとっても営業エリアの端なので、送電線の増強が必要だったのである。

中部電力側の送電線はもとも154kV送電線だったので、275kV送電線を新設する工事を行ったが時間を要したとのこと。

東京電力側は駿河変電所(富士市:東京電力の営業エリア内)まで来ていた154kV送電線を延長するのがやっとだった。


2021年、4つ目の周波数変換設備として飛騨信濃周波数変換設備が運用開始された。

飛騨と信濃とついているのは、60Hz側が飛騨変換所(高山市)・50Hz側が新信濃変電所と違うところにあるためである。

他の周波数変換設備は同じ敷地内に60Hz・50Hzの送電線を引き込んでいるのだが、

この周波数変換設備は2つの施設の間を直流送電線で結ぶ形で作られている。

どうしてこういう方法が取られたのか?

明確な理由は書かれていないが、おそらくは中部電力側の送電線の都合ではないかと思う。

飛騨変換所は越美幹線、越中と美濃を結ぶ500kV送電線に接続されている。

この送電線の沿線には目立った発電所や需要地はないが、おそらくは北陸電力と接続する南福光連系所(南砺市)のために作った送電線であろうと思う。

この送電線にはかなり余裕があるので、60Hz側の接続先に選ばれたのではないか。


現在、佐久間周波数変換所・東清水変電所の周波数変換設備の増強が進められている。

変換設備を増設すれば済むという話ではなく、接続する送電線の増強も必要である。

佐久間東幹線を増強し、そこから分岐して50Hzの275kV送電線を東清水変電所に引き込むルートを作り、

60Hz側も接続先の変電所を通る電力が増えるということで、変圧器の増設をしたり。

周波数変換設備が4箇所に分散して設けられているのは、地理的分散というのもあるかもしれないけど、周辺設備の都合もけっこうありそう。


結局のところ交流のまま接続できたとしても、送電線の増強、変圧器の増設といった対応は必要なんですよね。

50Hz地域・60Hz地域ともども連系線の強化を進めているが、これもけっこう大変なんですよね。

直流送電(周波数変換設備含む)がいらないけど、だからといってそう簡単ではないのはこういう事情である。

日本海経由で北海道から電気を送る

東京電力管内は特に電力需給が厳しいわけですが、そんな中でこういう話が。

北海道と首都圏結ぶ送電線、経産省きょう計画要請…日本海経由で最大200万キロ・ワット (読売新聞)

北海道から東京電力管内に直接的に電気を送る送電線を作るという計画である。


具体的には北海道~新潟県の日本海に海底送電線を引くということである。

新潟県は東北電力の営業エリアだが、東京電力は新潟県に柏崎刈羽原子力発電所を持っているため、営業エリアに向けた送電線を持っている。

おそらくここら辺で既存の送電線に接続するということではないかと思う。

容量として200万kWというのが示されているが、

現状、津軽海峡を挟んで北海道・本州を結ぶ直流送電線(北本連系)の容量が90万kWである。

これは1979年運用開始の設備(下北半島経由)が60万kW、2019年運用開始の青函トンネルに送電線を敷設した施設が30万kWである。

後者については2027年度までに30万kW増強し、60万kWとする計画がある。

これが実現すると北海道~東北で120万kWになるが、それより大容量の構想なんですね。


日本では交流送電線にループを作らないようにしてきた。

60Hz地域では中部~関西、北陸~関西、関西~中国、中国~四国、中国~九州について交流での接続がある。

本州~四国は瀬戸大橋経由、中国~九州は関門海峡(早鞆の瀬戸)上空を通っている。

しかし、これ以外にも営業エリアが隣接した会社というのは存在する。

これは直流送電の出番ということで、関西~四国(紀伊水道直流連系)と中部~北陸(南福光連系所)という60Hz地域同士を結ぶ直流送電がある。

紀伊水道直流連系が直流送電なのは海底を通るという事情もある。

容量140万kWと実は本州~北海道よりも容量が大きいという。

四国と大需要地の関西を直接結んでいることによる恩恵は大きいのだと思う。

一方で後者については交流ループを許容して廃止するという計画があるらしい。

送配電事業者間の連携による一層の効率化に向けた取り組み(設備形成の最適化)の進捗について (中部電力)

すでに会社内、あるいは2ルートで接続された関西~中国の間などではループが存在するらしく、設備の改良で中部~北陸~関西~中部のループにも対応できる見込みらしい。


やはり北海道電力管内にとっては、電力の出口が増えるということは大きな意義だと思う。

特に北海道・東北管内では風力発電の導入が拡大する見込みがある。

その出口がないのは困るということである。

逆に北海道に電力を送るという需要もないとは言えなくて、

2018年の北海道胆振東部地震で大規模停電が発生しましたが、あれは北海道内の限られた発電所がまとめて停止したことによる。

こういうときに本州側の発電所で北海道側の電力供給を補完するという機能も期待できるはず。


ただし、海底送電線の敷設、変換設備の建設には時間を要する。

当面はすでに設備のある北本連系の増強や、既存の交流送電線の増強で対応するという。

あと、60Hz地域と50Hz地域の周波数変換所(これも直流送電の一種である)も、

現状が210万kWなのを300万kWに増強する計画がある。

というか2021年に信濃飛騨周波数変換設備(90万kW)ができたのも、この増強構想の一環である。

残り90万kWの増強は既存の変換設備の増強で2027年度までに対応する予定である。


再生可能エネルギーの導入拡大で、50Hz地域は特に長距離送電が重要になるのは明白でこれが大変だと。

50Hz地域は関東圏に需要が極めて集中している。

水力(これは今さらだが)あるいは太陽光・風力の適地は全く異なるところにある。

60Hz地域は需要地はそこそこ分散してるんですがね。

コストはかかるが省資源のためにやるべきことであるということである。


しかし60Hz地域でもこういう話はあるんかな?

いろいろ調べたが九州~四国間の連系線というのは見たが。

これは既存の紀淡海峡で四国~関西を結ぶルートと合わせて九州からの出口を拡大するという話なんだろうか。

火力発電への依存が大きいとか、逆に再生可能エネルギーの受入制限が顕在化している沖縄・奄美方面との海底送電線はなかなか見合わないのかなぁ。

さすがに距離が全然違いますよね。

ボロい測定器はわかりにくい

最近は連日出社して評価をやっている。

複数人で分担しているのだけど、そのうち1人が測定器やツールの操作に慣れていないのでいろいろサポートしていた。

2年前に来た新人だけど、あんまりこういうことをやってなかったみたい。

いろいろなタイプの仕事があるのはそうですがね。


というわけで測定器を操作して、評価対象の機器からデータを吸い出す、

このデータの吸い出し部分のサポートをしていたのだが「なんか数字がおかしくない?」と。

あまりに不可解な動きをするので、ハンディのデジタルマルチメーターを持ってきて測っていたら、測定器の出力がおかしいことに気づいた。

0.00V出力とセットしているのに、0.9Vぐらいの出力が出てしまっている。

いろいろ切り離して確認した結果、測定器そのものの出力がおかしいことが判明。

これは故障か? となって代わりの測定器を用意して、それに交換して評価をすると、

だいたい期待通りの数字が出てきて、これなら評価できるねと。

おかしいことに自分で気づいてくれればよかったのだが、そういう勘も働かなかったと。


もうだいぶ古い測定器で故障していたらそれは仕方ないけど、

ボロいのに使われ続けていたのは同種の測定器が慢性的に不足していて……

というわけで、ダメなら捨てるしかないが捨てるには惜しいな。

なんて思いながら、説明書を確認して設定の初期化を実施してみた。

そうすると指定した値が出力されるようになった。

どうも何らかの設定によって設定値と異なる出力が出るようになっていたらしい。

しかし、それがどのような設定かは全く見当が付かないのだが。

これは故障じゃないねととりあえず定位置に戻したのだが。


代わりに確保した測定器と見比べて思ったけど、

交換前の測定器は表示器が数字5桁ぐらいしか表示できない。

それに対して交換後の測定器はドットマトリックスの蛍光表示管(これも一昔前の表示器だが)で、表示できる情報量が多い。

例えば、画面には出力設定値とともに、リミッタの設定値・動作状況も表示されるようになっている。

このため、想定と違う動きをしても、何が起きたか判別しやすくなっている。


最近の測定器は液晶ディスプレイが付いたものも多いですよね。

しかもカラー表示のものも多い。

こんな測定器に液晶ディスプレイが付くのかと思ったこともあったけど。

表示の自由度が高いわりに低コストということは理由として大きいんだろうけど、

何を設定しているか、何を表示しているかということに悩むことは少なくなり、

説明書いらずは言いすぎにしても、だいぶ操作も直感的になった。


それにしても問題の測定器はだいぶ古いよなと改めて思った。

メーカーのWebサイトから説明書のPDFをダウンロードしてきたら、まずスキャンしただけのPDFだから文字起こしされていないので検索ができない。

あと、RS232CとかGPIBで制御できるようになっているけど、

その操作方法の例示がひたすらBASICというのも時代を感じる。


そんな機器をよく使い続けてるなというのはもっともな指摘ですが。

前に、測定器の管理をしている人といろいろ話したんだけど、

計画的に測定器の買換は進めているが、性能が見合っていない測定器や、校正の維持が難しい測定器が優先されるわけである。

そんな中で今回問題となったタイプの測定器は、あまりこのあたりの問題が無く、

なおかつ、比較的高価で、同じ予算では他の測定器を優先したい事情は理解できる。

その一方で使用頻度の高い測定器なので、稼働率はかなり高い。

ゆえに新しく測定器を買っても、古いのを捨てるということもあまりやってこなかった。

なので他の種類の測定器と比べても格段にボロを引く確率が高い。


とはいえ、台数不足を古い測定器で補っているという状況はあまりいいとも思えない。

それでこの測定器の機能を部分的に代替出来るハンディタイプの測定器があって、

それならこれ1台分の値段で3~4台ぐらい買えたような気がするので、そういうのも考えてはどうか? という提案をしたんですけどね。

ただ、これを買えば古い測定器が捨てられるかというと、そうもいかないけど。

なにしろ一部の機能しか代替出来ないわけだし。

でも、古い測定器の稼働率はある程度は下がるでしょうし、能率は改善できるんじゃないか。

復帰したように見えるが部品故障

最近、客からエラーの原因と処置方法の問い合わせが来ていて、

再通電したらエラーが消えましたというような話だったのだが……


わりとありがちな話ではある。

評価作業中など操作ミスでエラーを起こして、再通電してエラーから復帰させるということはある。

立ち上げ作業中などの操作ミスでエラーを発生させるのは珍しいことではないだろう。

こういうタイプのエラーで問い合わせがあれば、再通電して復帰すればOKで、正しい使い方をしてねということになる。


今回の問い合わせはエラーフラグからすれば操作ミスのようなもので引き起こされたものではないが、

再通電でなかったことにできるエラーということを考えると、本当にそんなエラーが存在するのか? となった。

それで詳しい人に相談したら、とある部品が故障したのでは? という指摘があった。

確かに稼働中に故障すれば、このエラーフラグが立つこと自体は変なことではない。

しかし、問題は再通電したらエラーが消え、その後、数日にわたって動き続けているということである。


そんなことある? と指摘した人に聞いたらあり得るとの返答。

と言うのも、過去にこの部品が故障したとき、恒温槽にぶち込んで1週間以上動かしてやっと再現したとか言っていて、

ほとんど普通に動いているが、時々おかしな動きをするという現象が実際にあるということである。

温度ストレスをかけると発生頻度が上がっていき、そのうち常温でも頻発するようになっていくらしいが、

壊れかけのときは、大半の時間で普通に動いているという、そういう実情もあるらしい。


部品故障だが再通電すればエラーが消えるというシチュエーションとしては、

特定モードのときのみエラーが顕在化するというものがある。

過去にもそういうタイプのエラーの問い合わせを受けたことがあるが、

もしも部品故障だとすると動作モードが変われば顕在化するから、早急に取り替えてくださいなどと言うわけだ。


ただ、今回のエラーは動作モードによって、エラーを踏むか踏まないか変わるものとは解されない。

原理的には常に故障部位を踏んでいるはず。だけど時々しか故障が顕在化されないがためにこういうことが起きてしまうらしい。

これは過去にそういう時々しか顕在化しない故障の経験がなければわからんなぁと思った。

聞いてみると部品の種類によってはわりとあるみたいですね。


その後、しばらくしてエラーが再発したと連絡を受けて、これは部品故障という見立ては正しかったんだなと。

今まであまり経験したことはなかったが、このシステムでこのエラーフラグなら、

これは再通電でなおったように見えても部品故障と考えるべきなんだなと。

あまり教科書的な現象ではないのだが、現実に起こっていることなので。

着払伝票を貼ってファミリーマートへ

買取に出そうと、ソフマップ(ラクウル)に荷物を出荷してきた。

ラクウルは基本的にはヤマト運輸が集荷に来てくれて、箱も用意してくれるのだが、

集荷に来てもらうとなると、その時間帯に家にいないといけないなどの手間もある。

これは不便な場合もあろうと、自分で梱包を準備できて、2回目以降の買取であることを条件に、

着払伝票を送ってもらい、宅急便取扱店に持参するという方法も可能になっている。

ちなみに着払伝票はクロネコDM便で送られてくる。(宅急便センターで印刷しているわけではないらしい)


そんなわけで、手元にあった適当な箱(というか宅急便コンパクトの使用済みの箱)に入れて、

伝票を貼って、ファミリーマートに持ち込むことに。

ファミリーマートといえば、最近は宅急便コンパクトの出荷でおなじみである。

もう「サイト連携専用袋」の使い方もだいぶ慣れましたね。

「配送連携APIサービス」ファミリーマートさま店舗にお持ち込みいただく際の送り状の仕様変更について (ヤマト運輸)

Famiポートで発行された受付票をレジに持参して、レジで発行されるレシートを袋に差し込んでと。

受け取る荷物ではあまり見ないんですけど、コンビニから出荷だとセブンイレブンが多いみたいで、するとこれじゃないんですね。


今回の場合は着払伝票をすでに貼っているので、そのままレジに持ち込めば良いが、

意外にもレジ係の作業はこちらの方が多いようにみえる。

  1. 伝票の追跡番号を読み取る
  2. サイズを測定する (今回はどうせ60サイズだろと目算してたが)
  3. あて先の郵便番号などの必要情報をレジに入力する
  4. 伝票に出荷日・配送予定日・サイズ・運賃を記載する

というわけで、この場で料金の収受はないのだが、この時点でサイズを確定させる必要がある。


一方で、ヤフオク・PayPayフリマの匿名配送で宅急便をファミリーマートから出荷する場合は、

その時点では荷物サイズの測定は行われず、ヤマト運輸に引き渡し後に行われるとされている。

同じシステムを使っている「宅急便をスマホで送る」の説明にもそのように書かれている。

※お支払いいただく金額は、ヤマト運輸で荷物をお預かりする際に実サイズを計測することで確定します。

(FAQ/スマホで荷物の発送手続きをする画面で表示される荷物の「S・M・L」サイズは具体的にどのくらいの大きさですか? (ヤマト運輸))

個人から送る荷物ではあるのですが、法人の掛売と同じような仕組みになってるんですね。

(このことから、ヤマト運輸において掛売を表す「未収」という表記が伝票に見られることがある)


着払もその場で料金が決まらなくても困らないと思うのだが、発払と同じフローのようである。

ただ、これは紙の伝票をつかっているがためのようで、

実は「宅急便をスマホで送る」は着払も可能らしいのだが、この場合は測定はヤマト運輸で行われるらしい。

なので、着払の料金を発送時に確定させる必要があるわけではなく、

従来型の伝票を使う場合は、取扱店で料金を確定させなければならないというのが正しそう。


そもそも伝票をメール便で送っているということ自体がアホらしい話であり、

ヤフオクと同じようにQRコードを読ませて、伝票を発行できる仕組みにすればよいという話もある。

宅急便センター・ファミリーマート・セブンイレブンでしか発送できないのは難点ですけど、

米屋みたいな取扱店から出荷することがそんなにあるかという話でもある。(地域にもよるだろうけど)

調べたところ、airClosetという衣類のレンタルサービスで返送方法の1つとして採用されているようである。

ちなみに同サービスではスマリボックス(cf. スマリボックスから ゆうパケット)も併用されている。

システム上は「発払」と表示されるが、客に請求が行くことはないということが書かれているけど、

これは受取人が発送を依頼しているから、制度上は発払になっているという話だろう。


もしかしたら将来的にはあるかもしれませんけどね。

現時点でヤマト運輸に集荷依頼を出しているのなら、その延長で対応できそうなもんだし。

しかし思ったけど、60サイズで千葉県あて(ソフマップの買取センターは浦安市にある)の運賃が持込で830円ですか。

これがそのまま請求されるのかはわからないけど、案外するんだなと思った。

それに見合った買取品かという思いはありつつ、まだなにがしかの価値はあるんじゃないかと思っている。

二酸化炭素は埋めていいのか?

地球温暖化対策として二酸化炭素を地中に埋めるという話がある。

CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)と呼ばれる技術なのだが、

さて、二酸化炭素を地中に埋めるというのは根本的解決なんだろうか?


と、気になっていたのだが、どうもそれなりの意味はあるらしい。

CCS安全性評価への取り組み (RITE)

まず、地中に埋めて漏れてこないのかという話だが、適切な地層を選ぶのが前提である。

ただ、地層で永遠にトラップし続ける必要はなく、数年程度で二酸化炭素は他の形でトラップされるようになる。

1つは岩石の隙間に入り込む残留ガストラップ、こうするとガスは岩石から出られなくなる。

1つは周辺の水に溶解する溶解トラップ、二酸化炭素は水より軽いが、水に溶ければ水より重くなる。

そして最終的には鉱物固定ということで、非常に長い期間をかけて石灰石になっていくわけである。

石灰石には貝などの死骸に由来するものもあるが、炭酸イオンと海水中のイオンの反応により作られたものも多い。

まさにそういう形で地中に二酸化炭素を戻そうとしているわけだ。


以上のことから、二酸化炭素を埋めて、しばらくの間、地底下に保てば、そこから逃げない状態にすることはできる。

そして、これは非常に長い目で見れば、我々が石灰石を掘り出して使うことの逆になるということで、

一応は理屈に合っているということになる。


二酸化炭素を放出する要因もいろいろありますが、地中にある炭素を含んだものが掘り出されることが原因で、

これはエネルギーとしての利用とは限らなくて、例えば泥炭地が乾燥することで自然発火するようなケースもある。

けっこうそういうのはあって、湿地の保全というのも地球温暖化対策のメニューなんですね。

いずれにせよ、地中に安定した状態で炭素分を置いておけるのなら、それは地球温暖化対策である。

それなら積極的に地中に炭素を戻すということで、CCSは妥当性はあるということ。

あと、地中に戻す以外にもコンクリートなど、工業製品として二酸化炭素を保持させるというのもそうである。

CO2-SUICOM (ランデス)

こういうことができる素材は限られますけどね。


もっともCCSの大きな課題は、二酸化炭素を分離するために無駄なエネルギーを要することである。

一般的には省エネルギーは地球温暖化対策になると思っているかも知れないし、それは多くにおいて正しいが、

工場から排出される二酸化炭素を分離して、埋めるなどして固定化するというのは、

本質的に二酸化炭素は発生してるんですね。ただ、それが地中に出ないというだけで。

なので、現状で二酸化炭素を出している工場に、CCSをつけると資源の浪費になりかねないわけだ。


でも、もしかすると正当化できるかもしれないケースがあって……

オーストラリアで低品位の褐炭を使った水素製造に向けた動きがあるようだ。

褐炭は石炭ではあるが、水分が多く運搬が難しく、その場で燃やすぐらいしか使い道がなかった。

(水素で聖火を灯す?)

褐炭は現状では他の地域に運んで使うことが難しい。

その褐炭があるのがエネルギー消費地近くならばその場で発電することはできる。

ところが、オーストラリアの辺境だと、その場で消費するにも限りがあり、実質的に使えないエネルギー源となっている。

そこで、その場で水素やその派生燃料を作って運搬できるようにして、そのとき発生する二酸化炭素は分離して埋めてしまうと。

実質的に使えないエネルギー源を「CO2フリー水素」という付加価値をつけた形にできるのなら、資源の浪費も正当化できるというわけ。


いろいろなロードマップがありますけど、単純な燃料以外の用途だと製鉄用還元剤とか。

製鉄所では石炭とかプラスチックを原料としたコークスを燃料と還元剤に使って、二酸化炭素を放出している。

プラスチックをコークスの原料にすると、同じ二酸化炭素排出でも廃棄物処理と製鉄の2つの役目を果たせるのでお得である。

それで水素を還元剤にすれば、還元剤の分として放出されるガスは水蒸気などになる。(燃料分は引き続きコークスの想定)

「CO2フリー水素」が安価に手に入るようになれば、これを還元剤として投入すると、コークス使用量が減り、二酸化炭素排出量が減る。

まずはコークス炉ガス(製鉄所内で発生)の水素分を使って二酸化炭素排出量の10%の削減を目指しているそうだ。

そういう素材作りに使うところも削減していかないといけないんですね。


ただ、そもそも地中で安定して存在している掘り出さないに越したことはないんですけどね。

省エネルギー・省資源はなにごとにおいても基本だと考えてよいのではないか。

ただし、地球温暖化対策としては、エネルギーの浪費でも二酸化炭素を放出しなければよいとかいう話が出てくる。

それが妥当なのかというのはよく考えないといけない。

でも、多分そういうごまかし方をしないといけないところはあると思いますね。

だって、どう頑張っても石炭の燃焼によらずに鉄は作れなさそうだし。(もちろん鉄をリサイクルするのは前提だけど)

通信データが読めるオシロスコープ

未だにうちの職場にはブラウン管のオシロスコープ(さすがにデジタル式だけど)があって、

あまり稼働率は高くないので予備用みたいな感じですけどね。

とはいえ、それは使い勝手の良いオシロスコープが台数がやや不足であるということで、

今年は1台の新品のオシロスコープを購入する計画があって、その計画を聞きつけてとある依頼をしていた。


それがオシロスコープにシリアル通信解析オプションを付けてもらうことだった。

実はこれまで導入していたオシロスコープにはオプションとしてシリアル通信解析機能が付けられるようになっていた。

メニューだけあったのだが、オプションを付加していないので実質使えないと。

オプションの追加注文もできるらしいのだけど、ちょうど新しいオシロスコープを買う計画があるならば、そこに乗っかれないかと。

今回購入するのは、職場ですでに導入している機種の後継機、シリアル通信解析機能も同様にオプションにある。


そんなわけで購入したオシロスコープが届いていて、早速使わせてもらった。

オプションを付けると、その分だけ値段が上がる。

カタログを見ると意外とするなと思ったが、それ以上の効率化は主張できるだろうという金額ではあった。

担当者も「予算次第だね」なんて話をしていたが、結果的にはオプション代のことでとやかく言われることはなかったという。

というのも、新機種になって全体的に値段が下がったので、オプションを付けても少し値段が下がってしまったらしい。

もともとオプションで付けていた機能が、新機種ではさらに高機能なものが標準で付いていたりしたんだよね。


そんなこんなでシリアル通信解析機能を使って、マイコンと周辺ICのSPI通信波形を解析してみた。

設定はちょっとめんどくさいのだが、ポチポチと設定すると、シリアル通信データが16進数で表示された。

改めて仕様書と見比べてみるとなるほどって感じだった。通信方式を学習するにはよかったですね。

それが目的ではないけど。製品評価のためですけどね。


あと、通信データをトリガにすることができて、複数の通信が連続して行われる中で、

特定の通信データをトリガにすると、うまく頭出しができたり。

もし、この方法でトリガができなければ、適当なところで波形を止めて、

通信データを目で読んで、特定のデータを探す必要があったわけである。

その機能がなければ、そこまで真面目にやったかはよくわからないけどね。


通信波形を目視でデータに読み替えるのは、この分野の技術者にとってはあるあるであって、

チームリーダーとも「UARTは目で読むよねぇ」なんて話をしていたが、やっぱり不毛ではあるんですよね。

シリアル通信解析機能を使ってみて、これなら自動で解析してくれるので、通信波形を読むところを絞り込む必要が無い。

今までは、目視でやるなら最初と最後数バイトだけ読むとか、そういうケチり方をしてたわけですよね。

そういうことをしなくても文字でデータが表示されるんだから、こんなに楽なことはない。


一方でこの機能を使う機会は限定的だろうというところはあって、

このオプションを付けたオシロスコープは1台止まりとなるんじゃないか。

全体としてはあまり高くなかったという話だから、来年かもう1台購入予定なんて話もあるので、

漫然とシリアル通信解析オプションを付けてくれる可能性もあるけど、必ずしもいらないとは思う。

最初にも書いたけど、このオプションそのものはちょっと値が張るので。


というわけで、もっと早く導入したかった機能だったなと、使ってみて思った。

一方で、こういうオプションが買えることはあまり知られてなかったのかも知れない。

そういうものがあることを知らなければ、買おうとも思いませんからね。

BGAをX線で観察できる?

最近、職場でX線撮影をしていた。

プリント板に実装されたBGAパッケージのICのはんだ付けの確認なんですね。

BGAというのは、ICの裏面にはんだボールが並んでいて、それがICの端子になっていると。

一般的なICはパッケージの辺に沿って端子が出ている。

1辺に並んでいる物、2辺に並んでいる物、4辺に並んでいる物、間隔もいろいろだ。

ただ、端子数の多いICでは、これでは巨大なパッケージが必要になる。

そこで高密度化できるBGAパッケージが重宝されているのである。


しかしBGAにはいくつか不便な話がある。

1つは手ではんだ付けができないこと。ICの裏面には はんだごて は入りませんからね。

必然的にリフローということで、はんだペーストを塗った上に乗せて、オーブンみたいなので加熱する方法になる。

まぁ表面実装部品のはんだ付け方法としてはこちらの方が一般的ですから、量産にあたっては何の問題もない。

もう1つの問題が、はんだ付けの状態を目視確認出来ないこと。

実はここが問題で、そこでX線を使って撮影して、はんだ付け状態を確認することとなったわけである。


ところで、これははんだ付けがおかしいと疑ってやっていることではない。十中八九問題ないと思っている。

とある現象を説明する上で、はんだ付けに要因がないことを確認するのが目的である。

これが難しくて、どうすればはんだ付けが正常であると言えるかは、なかなか部署内にノウハウもなく、

生産技術の人に、こういう特徴があれば異常な可能性が高いというのを教えてもらった。

明確に足が浮いているとか、そういうのが見えるわけでもないので、難しいのである。


X線撮影だが、事業所内に小型の装置があって、予約すれば容易に使うことができる。

使い方は部署内で経験のある人に教えてもらったが、想像していたより簡単だった。

小型の装置ということで、あまり大きな物は撮影できないが、そのために出張だのしなくていいので楽である。

(昔はこういうのがなくて、X線撮影のために、いちいち設備のある工場に出張していたらしい)

移動するテーブルの上にプリント板を入れて、ドアを閉めて、X線照射とすると、

画面にX線で透視された画像が出るので、スティックを操作してテーブルを動かして、撮影したいところに持ってくる。

管電圧・管電流やコントラストなど調整して撮影することになる。


以前、とある製品について、工場での検査で不良が多く出るもんだから、

調べたらBGAのはんだ付けについて問題があって、その原因を取り除くために設計変更を行ったことがあった。

そのときにX線撮影の画像とか使って、こういうことだったのですという説明があったので、

BGAのはんだ付けをX線で調べるということは、知ってたんだけどね。

実際にやってみると、見えてるのか見えてないのかわからないような撮影だなぁと。

これまで、この手の調査は生産技術の人が専らやっていたんだけど、

今回の件は事情が違って、開発部署でやるのが相当で、今後に向けてノウハウを蓄積するのがよいだろうという判断だった。

そこで僕が上司から指名されたんだよね。今後、同様の案件があれば、こうしてX線撮影を担当するんだろうと思う。

温湿度計の不思議な通信方式

Raspberry Piで部屋の温度を取得するという、いかにもな題材に取り組んでいる人がいて、

ふーんと思って見ていたら、使ってる温度センサーの通信方式がけっこう独特だった。


DHT11というよく使われている温湿度センサーもモジュールがあるようで。

温湿度センサ モジュール DHT11 (秋月電子通商)

足が4本生えているが、1本はNC(未使用)、1本はGND、1本はVcc(電源)で、

すなわち、通信線は1本だけということ。

通信線1本でデータをやりとりする手段自体はいろいろある。

調歩同期式シリアル通信(UART)はその典型ですよね。


どうなってるのかなーと見てみたら、なんかえらく複雑なんですが。

詳しいことはデータシートを確認して欲しいが、だいたいこういうこと。

  • 18ms以上のローパルスをマスターから送る
  • センサーからLo:80us, Hi:80us出力される
  • 40bitのデータを0はLo:50us, Hi:26~28us、1はLo:50us, Hi:70usとして出力
  • センサーから52us以上のローパルスを出力して、Hi状態が続く

なんだこれ。


Raspberry PiでDHT11からデータを取得するプログラムの実装を見てみると、

GPIOでピンの状態を取得し続けて、0が連続する数、1が連続する数を数えて、

0のカウント数と1のカウント数、どちらが多いかでデータが0か1か判定する仕組みになっているようだ。

ひたすらGPIOの値を読み続けるのがちょっとなぁとは思うんだけど、

Raspberry Piのプログラムとしては案外実装しやすいようだ。

とはいえ、取得失敗することも多いようで、あまり完成度は高くないのかなぁ。


UARTが線1本で通信ができるというのは、便利そうだけど、いくつか難点がある。

その最たるものが、送受信双方のクロック精度が要求されるということ。

マイコン内蔵のCR発振回路を使って、UARTで通信しようとしたこともあるが、うまくいかなかったこともある。

CR発振回路は温度による変動も大きいから、常温では通信できたが、温度が変化するとダメということもあるかも。

その点ではSPIやI2Cのような、クロックとデータの2本以上の信号線を使う方式は扱いやすい。

これは、マスター側が発生させたクロックに応じて、スレーブ側が出力すればよいだけだから。


おそらく、DHT11の通信方式は、1本の線で全て完結するということを重視したんだろうと。

SPIだと典型的にチップセレクト・クロック・データの3本の線が必要である。

複数のデバイスを接続する場合、チップセレクトはデバイスごとに必要、クロック・データは複数で共用できる。

I2Cはクロック・データの2本で、複数のデバイスをぶら下げることが出来る。

ただ、デバイスごとにアドレスの設定が必要なので、その点では不便かなと。

これが1本で済めばやっぱり便利だろということである。

LoとHiが連続する時間が長い・短いぐらいの判別がつけばよいのだから、

マスター・センサー双方のクロックに10%ぐらい誤差があっても全く問題ないだろう。


ただ、OSなしのマイコンで動かすことを考えると、GPIOの状態を読み続けると、

通信中マイコンを占有し続けて大変かなぁ、とか思ってしまうよね。

UARTとかSPIとか、マイコンのペリフェラルで対応している通信方式ならば、通信中は手放しで済む。

ところが、DHT11のような特殊な変調方式だと、どうしてもソフトウェアで復調しなければならない。

どうせこのデバイス、温湿度の更新周期が2sおきというのだから、ゆっくり送ればよいのである。

あと10倍ぐらい長いパルスだったら、数百usおきに割り込みとかそんなんでもいけたかなぁと。

温湿度測定に使える安価なデバイスは他にもいろいろあって、I2C対応だとAM2320というのがあったりするようだ。

温湿度センサ モジュール AM2320 (秋月電子通商)

でもDHT11に比べるとだいぶ高いですね。流通量の差か。