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複製品と写真の博物館

今日は奈良へ出かけていた。

近鉄で行くと西大寺駅で乗り換えになるのだけど、そのために階段を上がって、

振り返ってみると、今までとだいぶ様子が変わっていた。

もともと線路をはさんでの移動は開かずの踏切か、階段しかない地下通路か、という不便さがあったので改札外に通路を作ったんですね。

そこに改札口を移設して、これが今年4月からオープンしたので見た目が変わっていたと。


そもそも西大寺駅は2009年に「Time’s Place Saidaiji」として、増築が行われた。

これ自体はショッピングモールだが、エレベータ設置のための増築でもあり、平城遷都1300年祭を目前としてエレベータ設置が完了したことになる。

そして、今回の東西自由通路開通とそこに面した中央改札のオープンということで、それ以前と大きく様変わりした。

それだけ変わったけど、1つだけ変わらない店があって、それが「二条庵」といううどん・そばスタンド。

Time’s Placeの店舗の中には増築以前の既設店舗も少しあって、二条庵もそんな店の1つである。

他にコンビニ「K PLAT」(後にファミリーマート)もあったが、こちらは中央改札オープン時に移設されている。

今後はトイレの改装工事などの予定があるが、二条庵だけは変わらず残り続けることになりそうだ。


そんなこんなで近鉄奈良駅に到着して、奈良公園に向けて歩く。

平日なのもあるが、人はまばらである。

外国人観光客が皆無なのもそうだけど、学校の遠足・修学旅行や、バスツアーの団体客がいないのも影響が大きそう。

平日こそ多いですからね。おかげで鹿たちも暇で仕方ないようである。

昼食を食べたときも、店内に自分だけでしたからね。まぁここまで極端な店ばかりでもないと思うが。

人通りは一定程度あるので。人の少なさだけ言えば、京都の東山界隈の方が壊滅的で目も当てられなかったが。(悪天候ではあったが)


今日のお目当ては奈良国立博物館の「よみがえる正倉院宝物-再現模造にみる天平の技-」である。

奈良博にしては珍しい現代の作品ばかりを並べた展示である。模造元は正倉院に封印されてるから対比できないしね。

機能をすっかり失った楽器の模造というのは、今までの正倉院展などでも見ることはけっこうあったけど、

地味ながらに力が入ってたのが染織品、すなわち布物ですね。

布きれとはいえ、失われた技法を宝物から解きほぐして再現するというところが、とても難しいらしい。

あと、正倉院には外国由来の宝物もあるけど、そういうのも模造の対象になってたりするようですね。

ちょっと意外だったんだけど、そもそもこの時代のものが土に埋まることなく残っていることが世界的にも貴重なことで、

日本の宝でもあるけど、世界の宝でもあるということで、取り組んでいる面もあるのかなと。


それと、正倉院宝物の理解というところとはちょっと違うんだけど、正倉院文書の複製なんてのも紹介されていて、

これはコロタイプという写真製版で複製されているのだが、複製して何がいいって展示できることですよね。

もう1つ、ガイドにも言われて、確かにそうだと思ったんだけど「複製」ってなっている展示物が多いんだよね。

複製となっている資料にはもちろん本物があるのだが、本物を取得できていない、あるいは寄託などされていても展示に適しない事情もあるようだ。

まぁ複製も悪いことばかりではなく、特に紙の資料だと、長期展示には適しないので、本物を展示するとすれば頻繁に展示替えをしなければならない。

(名古屋市の博物館・美術館)

もちろん1200年以上の時を超えて伝来した文書、できるだけ本物らしく複製しないともったいない。

そんなこだわりも映像で紹介されていた。普通の写真製版じゃないんですよ。


ところで、博物館では感染症対策の取り組みとして、入口での検温や、マスク着用の呼びかけが行われていたが、

ちょっとおもしろかったのが、注意事項に「いのりの世界のどうぶつえん」のキャラクタの絵が添えられていたこと。

世界の子供のための博物館

去年の夏に行われていた特集展示ですね。今もそのときのフォトコーナーのパネルが地下回廊に置かれている。

だから、よっぽどスタッフのお気に入りなんだろうなとは思っていたのだが、

マスクを付けた獅子の絵など、明らかにこのために書いたとみられる絵が添えられていたのは驚いた。

あと観覧時の目安として、白い丸が人がたまりそうなところの床に貼られていた。

もっとも、今日は平常展だけやっているときぐらいの人入りだったので、混み合うことは全くなかった。

正倉院展は別格として、そうでなくても特別展ならもうちょっと混みそうなもんだけどね。


せっかく奈良に来たのだし、いつものように春日大社へ。境内が広いだけにひっそりした感じが強い。

春日大社といえば、今年1月31日から新型コロナウイルスの悪疫退散祈願を連日行っていることが報じられた。

過去にも新興感染症の流行につれて、悪疫退散祈願を行ってきた経緯もあるらしい。

普段なら世界各地から参拝者が訪れるところだけど、そうもいかない中でやっているのである。

神頼みだけでどうにかなる話ではないが、世界の人々のために祈ることは悪いことではないはず。


その春日大社の境内を南に進んで、ほとんど森の中みたいなところを歩いて、

そこから矢印に従ってたどり着いたのが、奈良市写真美術館である。新薬師寺の隣接地にある。

なんとなく奈良博のWebページを見てたら「奈良トライアングルミュージアムズ」ということで、奈良博の半券を出すと割引があるらしい。

そんなわけで気になってやってきたのである。

とにかくわかりにくい自覚があるのか「新薬師寺→」「奈良市写真美術館→」と道中至る所に書かれていた。


この美術館は入江泰吉という、奈良市生まれで、奈良県内で風景や仏像などの写真を撮った写真家の作品を主にして、

それと他の写真家の作品を取っ替え引っ替え展示するという、そういう美術館のようである。

当初は白黒で撮影していたが、1963年ごろからカラー写真を主にするようになり、亡くなったのが1992年、

ということで全体としてはカラー写真で奈良の風景を多く集めたということになるのかな。

展示されている写真を見て、その後に撮影された時期をみると、30年、40年前というかなり昔なんだけど、

ここで切り取られた景色というのは、質の高いカラー写真で見ると、今も昔も変わらないものだなと思う。

都市を撮った写真だと、どうしても経過した時間相応の古さを感じちゃうけど、そういうのがあまりないからね。


帰りもまた西大寺駅を通って帰ってきた。

そういえば、西大寺駅には「サービス券付入場券」というのがあるらしい。使ったことはないが。

これを買って、改札内に入って、店でサービス券を出すと入場料分の値引きが行われ、実質的に入場料が無料になる仕組みである。

これはTime’s Place開業当初に、地元住民の利用を想定して、何か買い物をすれば入場料を免除するキャンペーンをしていたのを、恒久的な制度にしたもので、現在は難波駅にも導入されている。

気になって帰り道に調べてたんだけど、意外にもこういう制度を大々的にやってるのって近鉄ぐらいなんだよね。

類似する制度は他社でも一部にあるのだけど、一般に周知されてるとは言いがたいように見える。

そんな中でWebサイトや駅の掲示物などで積極的に宣伝している近鉄は異様に映るほどである。

入場料買ってまで使いたくなるショッピングモールを目指すのもいいですけど、それは客を選びますからね。

JR東日本は明らかにその路線ですけど。それで入場券が売れているのかという話ですが。


Author : Hidemaro
Date : 2020/07/07(Tue) 21:47
文化 | Comment | trackback (0)

巨大古墳をみながら歩く

旅行期間中の予定で最も迷ったのが今日の目的地。

月曜なので博物館は軒並み休み、そして大雨の予報。

というか今回の滞在期間中、ずっと雨の予報だが、その中でも一番雨が強いとのことだった。

ただ、その後、天気予報が少しずつ変化していき、思っていたほどは雨は強くなさそうだったので、

それならということで、百舌鳥・古市古墳群を歩いて回ることにした。


と、その前に大阪へ。あまり考えずに日本橋の電気街にやってきたが、人はまばらである。

まぁ平日なんでこんなもんだよという話だけど、以前はそれでも外国人観光客が目立ったものである。

あれこれ物色しながら堺筋を下っていたら、そういや恵美須町駅から阪堺電車に乗れば堺に行けるなと。

時間はかかるけど、均一制で安いからね。というわけで路面電車スタイルの電車に乗り込んだ。

ちなみに阪堺電車は今年10月に運賃改定を予定していて、実施運賃では210円均一から230円均一で値上げとなるそう。

しかしながら、上限運賃では大阪市~堺市またぎは290円だったところ、250円均一で申請するので値下げになる。

現在の210円均一は堺市の補助を受けての取り組みだが、そこに あべのハルカスの開業も相まって、利用者増加につながった。

そんな成果も踏まえつつの運賃改定だそうだ。大阪市内で手堅く稼いで、堺市内の客もつかむという作戦ですね。


そんなこんなで阪堺電車で堺市中心部に到着、ここから昼食を食べながら、東へ向かう。

歩いて行くと、小高い山が見えてくるが、これこそが仁徳天皇陵古墳である。うーん、デカイ。

地図で見てみると近くに少し小さな古墳があるので、見てみると丸保山古墳とある。

ここに限った話ではないが、大きな古墳の周辺には小さな古墳がいくつかある。多くは陪冢という付属的な墳墓である。

百舌鳥・古市古墳群のある堺市・藤井寺市・羽曳野市というのは都市化が進み、古墳の周辺も民家が多い。

小さな古墳なんて住宅地の中に埋もれるようにあったりするのに、よく保存されているなと感心するが、

宮内庁管理であったり、そこから漏れたのを市管理で保全したり、でもなにより周辺住民が保存してたのはあるよね。

まぁ全てが良好に残っているわけではないのだけど、仁徳天皇陵古墳周辺は特に保存状況がよい。


北端から東側を半周回って、拝所にやってきた。ここが正面なんですね。

こんな雨の中なのに、案内をする人が2人いてびっくりしたので、いろいろ教えてもらった。

このあたりは堺と飛鳥を結んだ街道筋に沿ったエリアである。

大陸からやってきた人たちが通る街道筋に沿って巨大墳墓を作って、国力をアピールしたのではないかとのこと。

確かに後で調べてみると竹内街道は百舌鳥・古市古墳群を貫くようなルートになっており、

この街道筋に沿って巨大墳墓を作ったというストーリーは納得感もある。


仁徳天皇陵古墳の南側は大山公園という都市公園になっており、ここにもいくつかの古墳がある。

月曜日でなければ堺市博物館があるので、いろいろ勉強できたのだが、これは仕方ない。

その大山公園を抜けると、履中天皇陵古墳がある。これも相当にデカイ。これも北端から拝所まで半周歩いた。

案内図を見ると、周辺にはいくつかの陪冢が保存されている一方で、破壊された物もいくつか書かれていた。

ちょうど上野芝駅付近にも破壊された古墳があったようだ。線路をまたいでいるからかなり昔に壊されていたのだろうか。


その上野芝駅から電車に乗り堺市駅で下車、ここから松原駅行きのバスに乗る。

その松原駅から近鉄に乗って藤井寺市の土師ノ里(はじのさと)駅へ、というわけで古市古墳群にやってきたわけ。

堺市内から近鉄南大阪線に行こうとすると、電車だと 天王寺・あべの橋に回るか、河内長野経由で行くか。

かなり遠回りになってしまうのだが、実は堺東駅・堺市駅~松原駅というバスがあって、これなら遠回りにならない。

総合的に早いかというと微妙だが、そんなに遅いバスじゃないし、本数も平日は1時間3本、休日は1時間2本だから悪くないかな。

土師ノ里駅で降りると、いきなり古墳がお出迎え。駅前に早速3つの古墳が見えるという。


百舌鳥古墳群では墳丘の中に入れるところはあまりなかったが、古市古墳群では一部は自由に入れる。

「バーベキューをするな」「サッカーをするな」なんて掲示もあるが、良好に保たれているようだ。

もちろん宮内庁管理の陵墓は厳重な管理だが、市管理の古墳はそこまでのことはないらしい。

古墳と人々の関わりもいろいろで、周濠を農業用水のため池に使ったり、周辺で畑作をしていたり。

そのような現況はそうそう変えられませんからね。


今回巡った古墳で大きいのが、仲姫命陵古墳、応神天皇陵古墳、白鳥陵古墳、いずれも宮内庁管理。

天皇陵は自由に参拝できるが、実は8時半~17時という時間制限がある。

とはいえ、ほとんどの天皇陵は無人なので、どうやって管理しているのかは気になるのだが、

応神天皇陵について言えば、隣に古市陵墓監区事務所があるので、厳密に管理しているだろうと。

ここはどうしても外せないと思ったがタイムリミットギリギリだったので焦った。

結果的には無事に参拝できた。ここが拝所からの見た目が一番雄大でしたね。


歩いて見ると見飽きるほどに古墳だらけという一帯だった。

しかも巨大な古墳の多いこと。古墳が多くてもここまで大きいのがたくさんあるのは珍しいと思う。

あと、やっぱり保存状況の良さですよね。もちろん部分的あるいは全部が破壊された古墳も少なくはないが、

宮内庁管理のおかげか、市管理のおかげか、住民の保全活動のおかげか。なかなかないと思う。


知っての通り、百舌鳥・古市古墳群は昨年に世界文化遺産に登録された。

その構成遺産の中には、史跡の指定を受けず、宮内庁管理であることを根拠にして登録されたものもある。

史跡じゃない世界遺産

まず、これが世界遺産に登録されるということ自体が驚きだったけど、

宮内庁管理であれば国内法の保護対象であるとユネスコが認めたこともまた驚きだった。

どれが世界遺産の構成遺産かとか、どういう制度で保全されているかというのは複雑に過ぎるのだが、

世界遺産の構成遺産は、国の史跡になっているか、宮内庁管理か、どちらかではあるようだ。


実のところ、日本政府の推薦後、すんなりと世界遺産に登録された理由はよくわかってないのだけど、

世界の特徴的な巨大墳墓の1つとして、登録しておく価値はあるという判断があったのだろう。

その中で、今も続いている王族の墓らしいという事情は大いに考慮されたということなんだろう。

天皇陵の推定も怪しいもんだとは思うが、宮内庁がそういうのだから仕方ない。

とはいえ、いかに天皇陵と言えども、発掘調査が何も出来ないでは、さすがに実像がよくわからないが、

周辺には宮内庁管理ではない古墳もいくつかあり、そこでの発掘調査の結果からの推定も行われている。

よくわからない巨大墳墓ではさすがに厳しかったと思うが、意外といろいろわかってるんじゃないか。


その後は古市駅から近鉄電車に乗って帰った。

実は堺からの帰り道に藤井寺・羽曳野に寄ったという見方も出来る。

その割には遠回りだし、やたらめったら歩いたけど。

というか今日はすごい歩きましたね。やっぱり古墳めぐりはどうしても歩くね。

自転車でという話もあるみたいですけどね。


Author : Hidemaro
Date : 2020/07/06(Mon) 22:55
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新築移転した店の居抜き

今日、両親に市内の料理店に連れて行ってもらった。

過去にも行ったことがある店なのだが、引っ越していた。

もともと店があったところの2軒隣なんで、すごく近いですね。

なにより店がすごく大きくなっていて、これが驚いた。今までちっちゃい店だったからなぁ。


ただ、さらに驚くべきことは、この建物はもともと衣料品店だったということ。

まさかこんな使い道があったとは……

気になって調べたところ、もともとここにあった店は新築・移転してたんですね。

それで空き家になっていたところに、その料理店が目を付けて改装したと。

やはりもともと衣料品店だったのを飲食店にするというのは、そこそこ大変な工事だったんじゃないかと思う。

料理店にしては変な構造だが、もとが衣料品店だったという感じはさせない作りでよかったですね。

なによりおいしかったし。


居抜きと新築移転といえば以前、こんな話を書いてましたね。

消えたり移転する店も多いが、その店の跡地に新しく生まれる店も多い。
同じ建物でスーパー→ホームセンター→電器店→家具店と変遷したのは有名な例だったが。

(故郷の居抜き物件めぐり)

電器店が新築移転した跡地に、新しく家具店が出来たのだが、実はその家具店は最近に新築移転した。

新築移転するほどに盛況だったとも言えるのだけど、店がコロコロ変わるのだから呪われた物件に見えなくもない。


ここまで店が変化する都市というのもなかなかないような気がする。

つぶれる一方でも、できる一方でもなく、全体としては市内での移転が多いですね。

立地がよくないところは、跡地が廃墟のようになることもしばしばあって、これはよくないところだが、

概して見れば市内での買い物がわずかに充実する方向ではあるんじゃないかなと。

大都市圏の外縁部だから、不満なら電車なり車で1時間も行けばいろいろありますがね。


大都市圏の外縁部とあって、人口減少の傾向というのはある。

ただ、その程度は周辺都市に比べればゆるやかではあり、全国的に見てもそんなに悪くない地域だと思う。

工場の立地で職住近接化が進んだことや、商業施設や医療機関などの施設が充実したことが理由かと思う。

地域圏全体で見れば、減少著しい地域が多いので、より長期的には苦しいところもあるんじゃないかと思うけど、

そんな中でも、新築移転なり居抜きなりという投資があるのは、よい傾向かなと思う。


住宅もリフォームや新築はけっこうありますね。これも市内での引越が案外多いという話も。

それにしても、家の近所で家を新築してたのにはびっくりしたけどね。

こんな既成住宅団地で新築なんてと思いますけどね。ただ、立地的にはいいとは思う。


Author : Hidemaro
Date : 2020/07/05(Sun) 22:56
社会 | Comment | trackback (0)

京都の人通りはまだら模様

今日から夏休みということで、2月以来、久々の遠出である。

当初は九州ぐらいまで遠出する案もあったが、やはり計画が立てにくいということで、

機動的に計画を立てやすいということで、両親に厄介になって、関西に1週間ほど滞在とすることにした。

もうちょっと手の込んだ計画はもうちょっと先にとっておこうということである。

ただ、それもちょっと厳しいのかなと思ったけど。


目的地の主なところは博物館なんですよね。

それでスケジュールを引いてみたら、京都国立近代美術館の「チェコ・デザイン 100年の旅」が日曜までという。

日曜は出かけるつもりはなかったので、それなら土曜のうちに行かないとなということで、今日は京都から入った。

京都までは新幹線、EXこだまグリーン早特なんで こだま号 で。

東京駅から乗るんだけど、東海道新幹線の乗り換え改札は驚くほど空いている。ここまでなのかと。

車内もガラガラだけど、こだま号のグリーン車はこんなもんだろう。それでも少ないだろうけど。


京都駅に到着して、河原町通のバスに乗って四条河原町まで乗った。

驚いたのは途中のバス停で時間調整のために停車したこと。

乗降もほどほど、道路も空いているということだが、普段の昼間にそんなことあるかなぁ。

河原町通のバスは生活路線としての色も濃いからこんなもんだが、東山通とかどんなんだったんだろ?

あれは普段はバスに押し寄せる観光客、混み合う道路という想定が全く違いますからね。


実のところ、京都も都心の商店街の人の行き来はそこそこである。

普段に比べれば明らかに少ないが、少ないなりの人通りではある。

地元の人もむやみに繁華街に行かないだろうと考えれば、妥当なラインではないかと思う。

ただ、ここから歩いて岡崎公園まで行くと、ここは本当に人通りが少ない。1/10以下では?

観光客の割合が高いエリアほどに、外国人観光客が皆無であること、国内観光客の減少の影響が大きいのだろう。

ちょっとこれは衝撃的だったなぁ。そりゃ臨時休業にする店も多いわけだ。

観光都市として知られる京都市だが、影響度は一様ではないということを思い知らされた。


京都国立近代美術館は、混雑するようなら整理券を配布するといっていたが、そんなこともなく。

検温があったことと、マスク着用のこと(これはいまどきどこもそうだよね)というぐらいで驚くほどのことはなかった。

来館者もいつも通りぐらいかな。特別混むような特別展じゃなければこんなもんだよね。

ということで、岡崎公園を行く人こそ少ないが、実は美術館の中はそこまでの影響もないという。

これもまた驚いたことなんだけどね。まぁここの美術館はいつもそんなもんだよね。


というわけで、久々の京都だったとさ。

そういえば2月に京都に行った時はこんなこと書いてましたね。

ただ、この冬は中国の国内の移動にも苦労するような状況で、日本旅行なんてとてもとても。

そんなわけで例年に比べると、人は少ないんだという。

もともと京都はヨーロッパ系の旅行客が多い印象で、その辺の顔ぶれはあまり変わっていないような印象。

ただ、普段ならもっと中国人いるよなぁと。そういう違和感はあった。

そうはいっても平日ということもあって、奈良も京都も外国人観光客が目立つことに変わりは無かったが。

(冬は観光シーズンではないということもない)

そうか、2月だとヨーロッパ系の旅行客が目立ってたのか。それこそ今は壊滅ですからね。

長期戦ではあるかなと思うけど、逆にこれまで京都は日本人離れなんてことも言われてたぐらいなので、

そこが作戦なんだろうなとは思うけど、これもどうなることやら。


Author : Hidemaro
Date : 2020/07/04(Sat) 23:33
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袋の代わりにカゴ

最近は連日在宅勤務で長期間出勤していない人もいるが、一方でこの時期は健康診断の時期でもある。

さすがに健康診断のためには出勤が必要ということで、これが久々の出勤になる人も出ている。

僕の場合は、ここのところは週1日程度の出勤で対応しているが、

今週は今日に健康診断の予定があったので、それにあわせての出勤にした。


ところで健康診断というと、空腹時血糖の測定の都合、絶食にする必要がある。

腹が減るから時間単位有給休暇

2年前は指定された時刻が遅かったから、空腹で仕事する時間が長くなるのは嫌だったと書いてあるな。

今回は朝一番だったので、そういう問題はなかったが。


健康診断が終われば、食べて良いわけですから、売店でパンと牛乳を買うことに。

それで売店に行って気づいたけど、袋が有料になってるんですよね。

普段は飲み物1本買うぐらいなので、手づかみで持って帰るし、店員も袋なんて渡してこないのだが、

さすがにパンと牛乳となると、手づかみはギリギリ……と思ったが、この店にはよいものがある。

それが買い物カゴ、実は以前から職場への持ち帰り用に使えることを案内していたので、

これ幸いと、買い物カゴにパンと牛乳を入れて、持ち帰って食べたのだった。


カゴは次に売店に来るときに返せばよいとなっているので、昼休みに返却してきた。

昼休みにカゴを置きに来ると、カゴはあらかた出払っているようだったから、

有料化のおかげか、カゴで職場に持ち帰るというのは定着しているように見える。

というか、今の出勤者数で出払うなら、それは足りてないんじゃないか?


全ての小売業で袋を有料化されると、スーパーやドラッグストアでの袋の有料化に慣れていた人にも戸惑いはあるかもしれない。

以前、イオンの衣料品売り場で袋を購入したなんて話もそうだし、オリジン弁当で袋について聞かれた話もそうだし。

専門店がやってないイオンモール , 出勤して弁当を買って帰ってくる

職場の売店というのはちょっとした盲点だったな。

普段ほとんど手づかみで持って帰ってたので、袋に入れて持ち帰るということがありうると思ってなかったのもあるが。


コンビニに袋を持って買いに行くか? なんてのがちょっと話題になっていたが、慣れというのはあるだろう。

なお、ファミリーマートでは袋は大きさによらず3円とのこと。ローソンも同様だそう。

コンビニでの購入金額も人それぞれだが、金額に対しては少し大きいかも知れない。

職場の売店は手ぶらで買い物に行くからこういう問題があったが、

僕がコンビニで買うときはだいたい外出中で、それでカバンがあればそこに入る程度しか買わないので、いらないなと思ったが。


僕が注意が必要だなと思っているのが書店で、これはちゃんと袋を持っていかないとなと思う。

物がそこそこ大きいですからね。手づかみというのもちょっと現実的ではないので。

ちゃんと準備していけば、これといったことないんですけどね。

突発的に書店に行くこともあんまりないような気はするし。


ところで少し話題になっていたが、この袋の有料化にはいくつかの抜け道がある。

紙袋にするという方法が1つ。ただし、単価が高いので、紙袋も有料提供でという店も多いんだが。

客単価が次第ではそういう選択肢もあるということか。

袋の厚さを増やすというのが1つ、これは再利用が可能だからということである。

もう1つが、バイオマスプラスチックを配合した袋にすること。

この方法で対応した店はけっこう多いし、有料化した店でもバイオマスプラスチック配合にした店もしばしばある。

これは、おそらく価格面ではそこまで不利ではないんだろうと思う。


ただ、いずれも省資源という点ではどうかと思うところである。

紙袋については、紙の製造にかかるエネルギーがけっこうあるのが気になるところ。

とはいえ、比較的丈夫で再利用性もあったり、古紙再生の行き場という面もあるし、素材自体はカーボンニュートラルだったり、

紙袋だって減らせるに越したことはないが、用途次第ではプラスチック袋よりよいところは多々あると思う。


次の厚手の袋にするというのは、客が意図を理解しているかどうかにかかっているわけで、

リピーターが袋を再利用して、結果として提供数が減っていけばよいが、どう考えてもそうはならんだろうと。

有料提供の袋を厚手にするなら、じゃあ今度もそれ使おうという動機はあると思うんですけど。

無料提供の袋をあえて再利用する動機は乏しく、再利用されないなら厚手にした分だけ資源を使いますからね。逆効果ですよ。


バイオマスプラスチックというのも謎ではあって、なんでこれが除外されたのかはさっぱりわからない。

というのも、多くは石油・天然ガスから製造していた物質と同じものを、バイオエタノールから作るというだけのこと。

石油・天然ガスの省資源化にはなるんじゃないかという話ではあるけど、そうはいっても配合率30%ぐらいなんですよね。

大量に使う素材の30%を置き換えたのなら大したもんだけど、袋なんて全体がたかが知れてますからね。

あとはバイオエタノールの製造が環境に悪いんじゃないのかということか。


こういう抜け道は気になるものの、多くの店は有料化に踏み切り、客に袋の持参を推奨するようになった。

それで削減できる資源は高々知れてるとは思うけど、客の判断で減らしやすいところではあるので、よいとは思いますが。

業種ごとに削減度の差はあると思うけど、今まで袋の有料提供なんて考えなかったが、意外と効果が出る業種はあると思う。

そうなれば、小売業を網羅的に対象にしたことには意味があったということなので、そこは見守りたい。


今のところの印象としては、一番有料化に躊躇してるのが、飲食業の持ち帰りですかね。

ものがものだけに、商品が傾くと困るが、一般的なマイバックでは物が安定しないので、専用の袋を使った方がよいということ。

コンビニもそうだし、一般的には袋を有料化したスーパーでも弁当用の袋だけは無料提供していたところがあった。

ここらへんはスパッと有料化してしまうところが多いのだが、やはり飲食業の場合は、ほぼ全てが傾くと困る商品ですから。

そういう店が飛びついたのはたいていが バイオマスプラスチック で、姑息な対策だという印象が強くなったのはある。


Author : Hidemaro
Date : 2020/07/03(Fri) 23:10
買い物・消費 | Comment | trackback (0)

NHKを受信できないテレビを作ったらしい

NHKが受信契約についての裁判で敗訴したらしいなんてニュースが流れたが、

そのことについてこんな記事が出ていた。

受信料裁判でNHK敗訴 秘密兵器「イラネッチケー」を開発した筑波大准教授に聞く (デイリー新潮)


放送法ではNHKとの受信契約について次のように定めている。

協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(略)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

NHKの地上波テレビまたはBSで受信できる機器を設置した人は受信契約をしなければならないと。

ただし、どうやってもNHKが受信できないスカパープレミアムサービスだけの受信機ならば、これは契約不要である。

でも、例外はそれぐらいで、BSは必ずNHKが付いてくるし、地上波も民放だけ受信できて、NHKが受信できない地域はないはず。

そのため、テレビを設置することは、NHKとの受信契約の義務を負うものだと解されている。


でも、理屈上は民放は受信できて、NHKが受信できないならば、受信契約の義務はないはず。

そこで作られたのが「イラネッチケー」という装置だという。

この装置って単純な帯域除去フィルタだそうだから、他の地域に行くと無意味なんだろうが。

とはいえ、関東圏でこの装置が付いたテレビは、確かにNHKを受信できない。

でも、これまでこの装置で受信契約を回避することは否定されてきたらしく、

テレビの後ろのアンテナ端子に「イラネッチケー」を取り付け、接着剤で固めて裁判に挑みましたが、NHKから「外せる」と指摘されて敗訴しました。また、彼はアンテナコンセントを開けて壁の中に「イラネッチケー」を埋め込むという工事をし、「素人には外せない」と裁判で主張しました。しかし、NHK側に「設置業者に依頼すれば元に戻せる」と主張され、再び敗れています。

まぁそりゃそうだよねという感じだけど。


ところが今回の裁判では受信契約の義務がないと認められたのは、テレビと「イラネッチケー」を厳密に一体化して、

「例え外そうとしても、テレビが壊れるように加工した」んだそうである。

その結果、とりあえずは第一審では受信契約の義務はないという判決が出たそうである。

とはいえ、これまでの経緯を考えれば、あんまりバランスの取れた判決には思えず、控訴審で覆される可能性も十分あるのかなと。

でも、もっと厳密にNHKの放送を受信できなくするテレビがあったとすれば、受信契約回避の可能性があるのかな?

そういうテレビを日曜大工レベルで作るのは難しいから、フィルタを一体化するという方法で実現したわけだが。


テレビを設置すると、NHKと受信契約を結ぶ義務を負うのは、NHKの放送へのフリーライドを防ぐため。

といいつつ、ラジオだけなら受信契約の義務はないんで、そこはフリーライドなんですけどね。

NHKの放送を受信できるなら、NHKの視聴頻度によらず一定の受信料を払えということ。

NHKとしては定額の受信料が入ることで、広告収入などを考えずに番組制作をできる。

災害時の「命を守る報道」というのはNHKの番組制作姿勢を表すものの1つである。

平時はNHKを見なくても、災害時にはNHKが頼りという声はしばしば聞くが、それなら受信料を払わなければならないと。


本当のことを言えば、日本国内に住んでいる人ならば、テレビ受信機の設置有無によらずNHKの便益を受けているはず。

ラジオ受信機だけがある場合もそうだし、インターネットでのニュースなどもそう。

自分自身が見なくても、NHKの情報を元にして動いているものがしばしばある。

ただ、実際には便益の程度の大きいテレビ受信機の受信者だけが受信料を払っているし、

それも地上波のみと、BSを含む場合で金額が変わる仕組みである。

このあたりも受信料から回避を試みる人が出てくる原因かも知れない。


人によってNHKの放送をどれぐらい見るかが違うので、受益と負担が見合っているかはいろいろ。

僕は地上波テレビもBSテレビも、ラジオは最近はそこまでじゃないが時々。

一般家庭だと、不平を呼びやすいのはBSを見られるが、NHKのBS放送はあまり見ないひとかも。

衛星契約になると倍ぐらいに跳ね上がるので。内容的には娯楽番組が多いですからね。


ただ、それ以上に気になるのがホテルのテレビで、これってテレビのある部屋ごとに1世帯分の受信料がかかるんだよね。

実際には事業所割引で2契約目以降の受信料は半額になったりというのがあるので、

10部屋以上なら、12ヶ月前払で1部屋あたり、地上波のみで年7272円、BS含めて年9060円という計算である。

客室にテレビを置かなければ回避出来るので、そういうホテルも時々あるよね。

先の記事では「ホテルもNHKが映らないテレビを必要とするでしょう」というアイデアを書いてあるけど、

それができるなら一番良いと考えているホテル業者は少なくないだろう。


ちなみに同じような問題は運送業者にもあるそうで、カーナビがテレビ受信できるとトラック1台ごとの受信料が必要になるらしい。

これはテレビなしのカーナビにすればよいという考えの方が一般的かな。

個人でテレビ付きのカーナビを設置した場合は、それは家の部屋の1つとして扱うので、

家の中にテレビがすでにあれば、そのNHK受信契約の範囲なんで、受信料のことを考える人はそう多くないんでしょうが。

ここらへんは個人と企業の受け止め方の差が出るところだなと思う。


NHKが受信契約についての裁判に執着するのも、公平な受信料負担のため。

ルールに沿って受信料を払わない人がいては、それを理由に受信料から逃れようとする人が出てくる。

なので、ルールをないがしろにするような行為には厳しく対処しているということで、つまりは見せしめですね。

ただ、ルール通り払うと、負担が重すぎるんじゃないかなというケースもあるのは確かなんですよね。


一方で、NHKの受信料の収納率が上がったことで、受信料の引き下げというのも実現している。

昨年10月の消費税率変更時に、税込での料金を変更しなかったので、本体価格で1.8%の引き下げになっている。

そんな微妙なという感じではあるけど、受信料の負担先が増えれば、1契約ごとの金額は下がる可能性がある。

ただ、一方でここのところはホテルからの受信料収入が減少しているので、これもうまくいくかはわからない。

ホテルが受信料の負担先として期待できなくなるのは仕方ないことだが、その分は他の契約者に跳ね返ってくる。

すぐに影響する問題ではないと思うが、長期化すると他の契約者の不利益になる可能性はある。


そういうわけなので、テレビに小細工して受信契約を回避するようなことはやめていただきたいというのが、

まっとうな一契約者としての思いである。ラジオだけなら受信料を取らない寛大な対応をしているのだから。

ただ、企業など過大な負担になるなら、回避策も考え所ではあるのだとも思うんだよね。

ここは難しいなと思いますね。


Author : Hidemaro
Date : 2020/07/02(Thu) 23:38
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おいしいところ狙いの車券?

今日はオートレースの話。

最近、公営競技の話題が多いねという話だが、これがスポーツというよりはお金の話。

だからカテゴリも「文化」ではなくて「お金」ですね。


雑誌読み放題のサービスで光文社の「FLASH」というカストリ雑誌、もとい写真週刊誌が読めるので、

パラパラ読んで下世話なことばっかり書いてあるなと見ていると、ちょっと気になることが紹介されていた。

FLASHくじ「当選率約2倍レース」2401分の1ってどんな確率? (Smart FLASH)

たかが出版社が くじ なんてできるものかと思って読んでいると、オートレースなんですね。

そして、それってこれと似てるなと。

DMM百万長者

全く同じものを違う商流で売っているだけのようだ。

そもそもは「当たるんです」という商品だそうで。

1口の金額が違う「ミニ」「メガ」「ギガ」があるが、売れ線は圧倒的にミニのようなので、ミニしか考えない。


これってなんなのかという話だが、非予想型のオートレースの4重勝車券なんですね。

オートレースは原則8車立て、その4レースの1着が全て当たれば的中となる。

ということは的中確率は 1/4096 となるが、さらにこの車券は少し独特な売り方をする。

発行口数は1セット4,096口。だから4,096人に1人は当たる!
4,096口の購入予約が集まった時点で確定となり、確定時点から最短で行われるレースで当選が決定します。

このような仕組みなので、この手のくじでありがちなキャリーオーバーの制度はない。

4096口の申込みがまとまってから車券が発行され、その4096口の中には必ず的中票がありますからね。


オートレースの控除率は全賭式で30%だそうで。

競馬が賭式により20~30%(JRAで馬連だと22.5%)、競艇が25%なのと比べると不利ですね。

「当たるんです」は基本的に1口500円で、4096口あたり1口が的中ということは、払戻は144万3600円となる。

ただし、欠車や同着があったときは払戻金は変わる。

さらに、現在は選手の移動抑制のため、開催によっては7車立てのレースとなる。

7車立ての場合は、2401口を1セットとして発売し、その中で1口的中となれば、払戻は84万0350円となる。


1/4096あるいは1/2401という的中確率は、他のくじと比べて高いとアピールしている。

宝くじだとロト6、totoだとBIGといった億単位で当せん金が出るのに比べたら、そりゃ高確率ですわな。

ここに近いのは宝くじだとナンバーズ4(的中確率1/10000で1口200円あたりの当せん金の理論値は90万円)、

totoだとmini BIG(1等的中確率1/19683で1口200円あたりの当せん金の理論値は約100万円)が近いか。

1口の金額が高くて、狙う金額は同じか少し高いぐらいで、的中確率はそれよりはやや高いと。


ところで、宝くじやtotoの当せん金は課税されない一方で、公営競技の払戻金は課税対象となっている。

払戻金は原則として一時所得として課税されるのだが、この課税方式は給与所得などとはかなり異なる。

タックスアンサー/一時所得 (国税庁)

まず一時所得の金額の計算方式だが、

総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額

となっている。1年間の払戻金を合計して、払戻の付いた馬券であったり車券を買うのにかかった費用を差し引いて、

その金額が50万円以下ならば一時所得は0円、それ以上なら50万円引いた金額が一時所得となるというわけ。

さらにこの一時所得の金額の半額を他の所得と合算して、所得税・住民税それぞれの税率をあてはめて税金が決まる。

ちなみに、3連単のような賭け式はフォーメーションだのボックスだの多点買いすることがしばしばあるが、

多点買いしたもののうち1つが的中すれば、多点買いしたもの全てが 収入を得るために支出した金額 となると。

1点100円で20点買いして、払戻金が4000円なら、4000-2000=2000円 ということ。

他レースで外れた分は収入を得るために支出した金額にはならないんですけどね。

こういう計算法で年間累積して、50万円以内なら一時所得は0円となって、それ以上なら課税されるということ。


それで「当たるんです」で約144万円を的中させたときの税額なんですが、

これ以外の1年間に一時所得に該当するものがないという前提で言えば、一時所得の額は約94万円となる。

給与所得-各種控除=300万円(サラリーマンなら年収600万円ぐらいかな)の人の場合、一時所得の半分を加えて約347万円に対する税金を支払う。

このときの所得税額の増分は6万7300円(復興特別所得税は無視)、住民税の増分は4万8600円となる。

合計して払戻金のおよそ8%にあたる11万5900円の税金を納める必要があり、差し引き残るのはおよそ133万円となる。


これってどうなんですか? という話なんだけど、1口500円あたりの手取りの期待値は133万円/4096=325円で、

これは購入額の65%に相当する。30%がオートレースの控除分、5%が所得税・住民税の目減り分ということになる。

宝くじ と toto は当せん金は非課税である一方、控除率が50%と考えると「当たるんです」の方が期待値としてはよさそう。

ただし、所得税の申告をすると、それは国民健康保険料の算定にも使われる。

サラリーマンなら関係ないけど、自営業とか年金受給者だとそっちの影響が大きいかも。


競輪のランダム予想式の重勝式車券「Dokanto!」だと、1口200円で数億円ぐらいの払い戻しが想定される。

toto BIGやロト6と似ているが、このレンジを公営競技でやると税金がちょっと大変。

さっきと同様に給与所得-各種控除=300万円の人が、Dokanto!で1億円(適当に典型的な額を決めた)の車券を当てたとすると、

所得税の増分は約1874万円、住民税の増分は約497万円で、税金の支払いは払戻金のおよそ24%、手取りは約7629万円となる。


さっき「当たるんです」の場合は支払う税金はおよそ8%と求まったのとくらべると、かなり違うなと思ったかも知れないが、

それは所得税の税率が累進課税のためで、課税標準が~330万円ならば税率10%、~695万円ならば20%というのに対して、

4000万円超は税率45%ですから、1億円の車券を的中させてしまうと、それだけでそこまで行っちゃうんですよね。

あと、金額が小さければ年間50万円の特別控除の恩恵も大きいので、そこも税金を押し下げる効果がある。

というわけで「当たるんです」というのは、公営競技の税制上の特色を生かしたものになってるんじゃないかなと。

さすがに50万円以上当てると無税とはいかないけど、100万円前後ならば、実際の税率はそこそこ低く抑えられる。

そもそも非課税だが控除率が50%の 宝くじ や toto よりも、払戻金の期待値は高く出来る。


あと、的中確率がほどほどで、なおかつ4096口セットで車券を発行する仕組みというのもよいと思う。

高額当せん金が出るには十分な売上が必要で、toto BIGは1回で10億円ぐらい売ってるので、理論値相応の数億円の当せん金が出るわけだけど、

後発の公営競技の非予想式の重勝式投票券が、これらと同じように毎回とも億単位で売るのは無理がある。

そこでキャリーオーバーの制度があるわけだけど、キャリーオーバーが積み上がってないときは売れず、低調なままである。

「当たるんです」はレース設定日のほぼ全ての日で1セット以上の車券が成立しているようなので、

コンスタントに理論値通りの払戻が出ているということである。

欠車・同着の場合は当然目減りするが、キャリーオーバーがないので、影響はその回限りのことである。


ただ、問題はオートレースという競技はそれでよいのか? ということである。

やはり非予想型で稼ぐのはライバルが多すぎて難しい。

そこで払戻金額と的中確率で差別化してみたわけだが、それは功を奏するのか。

競輪のDokanto!よりは狙い目はいいんじゃないかと思いますけど。

とはいえ、競馬も競艇も、競技自体のファンを増やして、予想スポーツとして売上を伸ばしているのと比べると、

競輪とオートレースのランダム式の重勝式車券頼みはちょっと異様な気がする。

実際のところは重勝式車券の売上比率はそう高くないのかなとも思ったけど。


Author : Hidemaro
Date : 2020/07/01(Wed) 23:50
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被害者が非難されるのか、対策が不十分なのか

新型コロナウイルスについてのニュースなんですが。

「コロナ感染は自業自得」日本は11%、米英の10倍…阪大教授など調査 (読売新聞)

インターネットでのアンケートで、日本・アメリカ・イギリス・イタリア・中国の5か国で比較したそうである。

「感染する人は自業自得だと思うか」の問いかけについて6段階で回答してもらい、

「どちらかと言えばそう思う」以上の3つを選んだ人が日本は圧倒的に高くて11%だったと。


3~4月の調査だったので、今やるとまた違った結果になるかもしれませんけどね。

今の日本で調査するともっと高くなるんじゃないかな。他国を凌駕する驚異的な数字が出るんじゃないか。

これをまとめた大学教授は「日本ではコロナに限らず、本来なら『被害者』のはずの人が過剰に責められる傾向が強い」と統括している。

確かに3月~4月ごろにはコロナウイルスに関連した暴言・脅迫・投石などが報じられたことがあった。

このような事件は明らかに問題ではあるものの、責められるべくして責められる人もいるのかなと思う。


特に日本では、クラスタ対策だと言って感染拡大の原因となっている場所を特定して抑え込む対策を重視していた。

その中で、こういう行動がハイリスクだということを呼びかけて、自主的な対策を呼びかけてきた。

にもかかわらず、リスクの高い行動をして自分が感染した、あるいは感染拡大に寄与したということになれば、

それは合理的に非難に値するということなんじゃないかと思う。

3月中旬ごろまでのヨーロッパからの帰国者や、ライブハウスでの感染拡大みたいなのは、

当時はノーマークだったわけで、さすがにそれを非難するのは酷だろうということだし、その後の対策は評価されている。

一方で休業要請を無視して営業を継続・再開したホストクラブで5月頃から感染が拡大していったのは、

「店も店なら、客も客」(cf. 夜の繁華街は店も客も問題?) と言わざるを得ないんじゃないだろうか。


こういうのは災害時にもある話で、大規模災害が起きると、備えが不十分で大きな被害を出して非難されることはしばしばある。

2011年の東日本大震災では、これを非難するのは酷なんじゃないだろうかというのはあったけど、

その一方で、過去に学んで災害に備えることで、災害被害を大きく軽減してきたという成功談もある。

1995年の阪神・淡路大震災から21年後に起きた熊本地震で被害を大きく軽減できたのはまさにこのこと。(cf. 神戸発の大特集)

災害対策には費用面の問題もあるけれど、個人・企業レベルでできることは、万難を排してもやるべきというのが、日本での考えなんだと思う。

正直なところ、発生頻度からするとあまり割に合わない対策もあると思うのだが、守れる命を守れなくてどうするということである。


ことコロナウイルスということについて、東アジア・東南アジア・オセアニアというのは、

感染拡大をある程度抑え込んだ地域が多くあり、今となっては世界的にも稀な地域となっている。

運が良かった面もあるけど、行政・企業・住民がそれぞれの役目を果たなければこうはならない。

それだけに十分な役目を果たさなかった企業・住民への非難というのはあるんだろうなと思う。

正直なところ、ヨーロッパ・南北アメリカ ほどになってくると、対策してもかかるものはかかるという話である。

医療体制の問題も相まって死者が多い地域では、感染対策の有無以上にウイルス自体が恐怖だろうと思う。


酷かなと思う面はあるんだけど、自主的な取り組みなしに感染防止はあり得ないので。

それは災害にも言えることだし、防犯でもそうである。悪いのは災害だし、悪いのは犯罪者である。

ただ、適切な対策をせずに苦しむのは自分であり、場合によっては周辺の人である。

前向きに捉えれば、適切な対策で自分も周辺の人も救われるということであり、

特に企業は従業員その他関係者のため、事業継続のために対策に努めたことだと思う。

それは当然と褒められることは少ないかもしれないけど、うまくいけば自信をもっていいと思いますね。


東京都の接待飲食店の悪評が収まる兆しはない。

横浜市で28人の感染者が報告と聞いて驚いたが、26人は東京のホストクラブと関連の深いホストクラブ関係という。

というわけで、人数ほどのインパクトはなかった。あっても当然のことである。

そうはいっても特定業種・特定地域に抑えきるというのは難しくて、少しずつ拡散しているのかなと。

接待飲食店での感染拡大というのは、過去に感染経路の特定を難しくさせた前科もある。

すると、口を割らないのは後ろめたいことがあるからだと言われてしまう。本当に何もないかも知れないけど。

そういう過去の実績が、最初に書いたような感染者への非難につながっているのだとは思いますね。


とはいえ、感染者の全員が感染対策が不十分だったとは言えないわけですから、

1桁、2桁と感染リスクの軽減をしてもゼロにはならないので。

だから、対策が不十分であることと、感染することは切り分けて考えないといけないなと改めて思った。

ただ、やっぱりここまで来て集団感染を出して、しかもそれが業種・地域内で持続するのは、明らかな問題だよねと。

そこのところはキッパリと言っておきたいと思うし、我々も大変困っている。


Author : Hidemaro
Date : 2020/06/30(Tue) 23:16
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いつ馬券を売ってたんだ?

昨日、宝塚記念が上半期総決算のレースだと書いたが、上半期のJRA売得金がニュースに出ていた。

無観客レース続くJRA上半期の売り上げは微増…入場人員は前年比26・8%でG1は12レース中9レースが売り上げ減 (中スポ)

上半期の売得金は1億3753億円で昨年比1.5%増とわずかに増だったとのこと。

しかしながら、平地GIレースに限れば、昨年比-8.5%の1936億円だったとのこと。


JRAの重賞レースの売得金について集計したページがある。

2020年中央競馬重賞レース売上一覧 (馬々の黄昏)

GIレースは昨年比-8.5%だったが、GII,GIIIは? あと絶対額で言うと? というのを計算してみると、

  • GI -183億円(-8.6%)
  • GII -120億円(-11.8%)
  • GIII +32億円(+2.3%)

ということで重賞レース全体見ても減ってるし、GIIも影響度としては大きかったことがわかる。

ただし、GIIIは微増となっている。あと数字としては無視できるほど小さいけど、障害重賞も微増だった。


無観客になってからの重賞レースで増減額が大きいものを列挙すると次の通り。

  • 大阪杯(GI) [4月5日] -32億円(-21%)
  • 桜花賞(GI) [4月12日] -30億円(-18%)
  • 皐月賞(GI) [4月19日] -29億円(-16%)
  • 中山記念(GII) [3月1日] -27億円(-37%)
  • 天皇賞(春)(GI) [5月3日] -23億円(-12%)
  • スプリングステークス(GII) [3月22日] -23億円(-38%)
  • 金鯱賞(GII) [3月15日] -21億円(-33%)
  • 宝塚記念(GI) [6月28日] +9.3億円(+5%)
  • 福島牝馬ステークス(GIII) [4月25日] +11億円(+48%)
  • 鳴尾記念(GIII) [6月6日] +14億円(+50%)

宝塚記念は上半期のGIでは唯一明確な増加をしていて、無観客の影響以上にメンバーの充実っぷりが押し上げたところもあるんだろう。

下記も増減は多いが、無観客以外の影響だろう。

  • 新潟大賞典(GIII) [5月10日] -33億円(-48%) 去年は同日に重賞なし、今年はNHKマイルカップと同日
  • マイラーズカップ(GII) [5月26日] -16億円(-26%) 直前に人気馬が除外され18億円返還
  • 函館スプリントステークス(GIII) [6月21日] +14億円(+51%) 去年は薬物混入疑惑で大量に除外馬が出て少頭数

というわけで、これを見てみると3月のGIIレースと、4月~5月初週のGIレースが影響としては大きいと。

4月以降のGIIレースはマイラーズカップの返還を除けば昨年とほぼ同となっている。

GIは元の売上が大きい分、影響額も大きく、4月の3レースでは、1レースあたり30億円近い減だったのが、

ダービーでは-20億円ほどと、そもそもの売上額が大きいことからすれば、明確に影響が減ってきたことがわかる。


元々インターネット投票が72%を占めてたとはいえ、裏返せば残り3割は現金で競馬場・WINSでの馬券購入だった。

いきなり自宅でのインターネット投票の環境が整う人ばかりでもなく、立ち上がりに少し時間を要したのだろう。

インターネット投票するにも、どの銀行でもいいわけじゃないので。

まず3月中にGIIレースへの影響が見えなくなる程度には、インターネット投票の環境が整ったとみられる。

ところがGIレースともなると、普段は馬券買わない人もたくさん買うので、-30億円というかなり大きな影響が見えてしまった。

でも、それも5月に入ると少しずつ薄れていったので、時々馬券を買う人もインターネット投票を導入したことがうかがえる。

4~5月というと、公営競技以外の娯楽が総崩れになっていたので、そこも後押しになったんでしょうね。


とはいえ、宝塚記念は別として、他のGIレースはほとんどが減少、あるいは微増に留まるわけである。

なのに、どうして全体としては売上が微増だったのか?

多分、重賞レース以外で稼いでいるのだろうというわけで、ちょっと調べてみた。

そんなわけでオークスウイーク(2020年は5/23~24、2019年は5/18~19)の各レースの売上を比較してみた。

東京・京都・新潟の土日各1レース、各2レース……の合計を調べてみると、

  • 1R +3.1億円(+15%)
  • 2R +2.1億円(+11%)
  • 3R +2.1億円(+11%)
  • 4R +1.5億円(+7%)
  • 5R +2.1億円(+10%)
  • 6R –0.4億円(-2%)
  • 7R +0.6億円(+3%)
  • 8R +6.6億円(+30%)
  • 9R –1.4億円(-4%)
  • 10R +9.2億円(+25%)
  • 11R –8.9億円(-3%) [うちオークス(日曜東京)は-12.3億円, 平安ステークス(土曜京都)は+0.1億円]
  • 12R +3.6億円(+6%)

で、全体としては+20億円(+4%)だったとのこと。


グリーンチャンネル無料放送の影響で午前中のレースの伸びがよいということは言われていた。

1~5R(5Rは昼休み明けだから午後のような気もするけど)で+11億円ですね。

そこから6R,7Rはさほどだが、8R, 10Rの伸びが大きい。8~10Rで+14億円、割合で見てもすごいですね。

メインレースめがけて競馬場やウインズに行くつもりで、テレビ観戦を始めると、早めのレースから馬券を買えるということか。

あと、1~5Rや8~10Rほどではないけど、12Rも伸びている。

メインレースは11Rなのは競馬場からの帰宅を分散させるためと言われているが、テレビ観戦なら関係ないですからね。

あくまでも1日だけの数字ではあるが、土日3場の6レースの合計で見てるのである程度は均されてると思う。


もしかして、GIレースの売上が落ちたのって、午前中や8~10レースで軍資金を使ってしまったからなのでは?

あと、地方競馬の売上は売得金レコード更新が相次いでいるほどに好調ですから、

JRA GIレースの売上減少なんていうのは競馬界全体としては大した問題ではなかったということである。

もちろん、立ち上がりにおいては影響はあったけど、それは上半期で帳尻が合う程度だったと。

GIレース以外の売上が伸びているということは、この先GIレースのない夏シーズンにとっては大きな上積みではないかと。

夏シーズンはGIレースこそないけど、ユニークな重賞レースや、2歳馬のデビュー戦など、観て楽しい、賭けて楽しい(?)レースがあるらしい。

これから他の娯楽も回復していくだろうが、そうはいっても家で楽しめる娯楽としての立場は揺るがないのかなと。


とりあえず、これだけ馬券が売れれば、競走馬を預かり、走らせ、賞金を払うということについては問題はない。

無観客からの回復については、JRAではかなり慎重に考えているようで、秋シーズンから全席指定で、という話があるぐらい。

確かにこれだけ家で馬券買ってくれるなら、あれこれ細工しながら競馬場・WINSを開ける意味ないよね。

馬券売場についての休業要請は全都道府県で終了しているが、人でごった返すのは好ましいとはいえない。

馬券を買ったらさっさと帰れという形にすれば、滞留人数は減らせるだろうけど、そこまでして開ける? という話である。

競馬場(パークウインズ含む)やWINSの指定席は、人数のコントロールができるという点では比較的問題が少ないが、

普段の指定席とはまた違う話だと思うので、いろいろ運用面の準備もいるのかなと。


あと、心配事がグリーンチャンネルで、本来有料放送であるところ、無観客対応で中央競馬中継を無料放送にしている。

無観客からの回復に進むにせよ、競馬場・WINSの入場者を絞っての運用が続くと、無料放送は継続するんじゃないかなと。

これでは無料放送の恒久化に近いわけで、するとグリーンチャンネルの契約者減少につながらないかという懸念があると。

これが競馬ファンの掘り起こしに役立った面はあるんだけどね。(午前のレースはグリーンチャンネル以外では観戦が難しい)

ただ、やっぱりグリーンチャンネルとして受信料収入がないと、経営が成り立たないわけですよね。

一方で、競馬中継以外の調教映像の放映や、レース分析・予想番組というのは契約者しか観られないので、そこは悩み所と。

逆に無料放送からの新規ファン獲得のチャンスもあるわけですけどね。


いずれにせよ、公営競技のリーダーとしては、まずまずの役割を果たせたのかなと。

競馬場の売店・レストランなどのこともあるので、本当は苦しいとは思うんだけど、強がり言えるぐらいには売れてる。

そこにはファンも貢献しているということで。馬券の購入額の大小はあるでしょうが。


Author : Hidemaro
Date : 2020/06/29(Mon) 23:45
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牝馬が強いか牡馬が弱いか

今日も今日とて競馬観戦、今日の目玉は宝塚記念である。

阪神競馬場の所在地の名前を付けたレースで、上半期総決算ということで、ファン投票で上位の馬が優先出走権がある、

なんていいつつ、梅雨時とあってか、フルゲートになることが稀で、投票の意味があまりないとも。

今年はフルゲート18頭に対して、ちょうど18頭の申込みがあり、全頭出走となった。

投票の意味がないことに違いはないのだが、2007年以来のフルゲートということで少し華やかなだったらしい。


結果はクロノジェネシスが優勝、単勝2番人気だったんで、そこそこ期待されての優勝だったことがうかがえる。

でも強かった。ここまで強いのかと驚いたファンは多かった。

1番人気のサートゥルナーリアが4着だったので、そっちに期待してたファンは残念でしたね。

あと3番人気のラッキーライラックも6着だったから、これも残念でしたね。

1着はともかく、2・3着が意外なところだったので、3連単は18万円となかなかでしたね。


この結果を見て、またしても牝馬かと思ったファンは多いようだ。

牝馬はメスの馬のこと。優勝したクロノジェネシスは牝馬だったんですね。

実は今年に入って芝のGIレースでは牝馬が7勝、牡馬(オスの馬)が4勝となっている。

とはいえ、牝馬限定のレースも3レースありましたからね。

すると4勝同士で互角? でも、それもちょっとアンフェアなんだよね。


というわけで、昨年7月~今年6月(宝塚記念まで)の芝の重賞レース(牝馬限定以外)について、1~3着馬の性別を調べてみた。

そうして入力してみると、やっぱり牡馬が多いじゃないかと思ったのだが、牝馬の出走が0というレースも多い。

牝馬の出走が0~1頭というレースは、何らか牝馬が出走しにくい理由を抱えていると考えたほうがよさそう。

  • GI(牝馬2頭~) 優勝:牡馬3頭、牝馬6頭 1~3着:牡馬14頭、牝馬13頭
  • GI(牝馬0~1頭) 優勝:牡馬7頭、牝馬0頭 1~3着:牡馬20頭、牝馬1頭
  • GII(牝馬2頭~) 優勝:牡馬8頭、牝馬2頭 1~3着:牡馬22頭、牝馬8頭
  • GII(牝馬0~1頭) 優勝:牡馬・せん馬18頭、牝馬0頭 1~3着:牡馬・せん馬53頭、牝馬1頭
  • GIII(牝馬2頭~) 優勝:牡馬18頭、牝馬10頭 1~3着:牡馬54頭、牝馬30頭
  • GIII(牝馬0~1頭) 優勝:牡馬・せん馬15頭、牝馬0頭 1~3着:牡馬・せん馬43頭、牝馬2頭

数え間違えもあるかもしれないけど……

ちなみに せん馬は去勢されたオスの馬のこと。あと葵ステークスは格付けのない重賞だが、GIII候補だろうとGIIIに含めている。


こうして見てみると、牝馬が2頭以上出るGIレースでは、牝馬の方が勝ってるし、3着以内も半分ほどが牝馬という。

出走頭数に対して牝馬の割合は、牝馬2頭以上のレースでGI、GIIで1/4ほど、GIIIでは1/3ほどである。

GIIIでは出走頭数相応、GIIでは牡馬の方が強そうだが、GIでは頭数の割には明らかに強い。

GIレースだけやたらと牝馬の活躍が目立ちますね。


と、ここで牝馬の出走が0~1頭というレースは一体どんなレースなんだということである。

というわけで最近1年の芝GIでここに該当するレースを列挙してみる。

  • 菊花賞(芝3000m・3歳)
  • ジャパンカップ(芝2400m)
  • 朝日杯フューチュリティステークス (芝1600m・2歳)
  • ホープフルステークス (芝2000m・2歳)
  • 皐月賞 (芝2000m・3歳)
  • 天皇賞(春) (芝3200m)
  • 日本ダービー (芝2400m・3歳)

まず、牝馬は長距離よりは短距離が得意で、2400mのオークスも牝馬にとっては長いという。

なので、長距離のレースほど出走数が少なくなる傾向があり、3000m以上のレースに出る牝馬は稀である。

天皇賞(春)と菊花賞はそれが理由ですね。ジャパンカップは年によるとは思うが。

2つの2歳戦は、おそらくは同時期に 阪神ジュベナイルフィリーズ という2歳牝馬限定GIがあるからだと思われる。

わりと2歳・3歳は、牡馬向けと牝馬向けと分けてレースが用意されているものも多そう。


皐月賞・日本ダービーも桜花賞・オークスとの兼ね合いとも言えるが、この2つは牝馬の出走にはさらにハードルがある。

というのも、桜花賞・皐月賞・オークス・日本ダービー・菊花賞については、原則として2歳10月という早い時期に登録が必要になる。

登録にはお金もかかるので、むやみに登録するわけにもいかず、そもそも出走可能性が低ければ登録しないし、

牝馬なら全レース登録できるが、桜花賞と皐月賞、オークスとダービーは近接していて、菊花賞は牝馬には長すぎる。

なんてことを考えると、あえて牝馬を皐月賞・ダービー・菊花賞に登録するか? という話である。

でもお金さえ払えば登録できますから、牝馬ながらダービー優勝した ウオッカ は5つ全部に登録してたみたいね。


GIレースで牝馬の出走数の少ないレースにはそれだけの理由があって、

それ以外は出走数の割には大きな結果を出しているということは確からしい。

強い牝馬にとっては牝馬限定GIだけでは物足りぬということもあろうと思う。

GIIだとあんまりだねと思ったけど、ちょうどよき牝馬限定戦が選べるというのもあるのかもしれない。

GIIIではちょうど牡馬と牝馬が対等に渡り合ってる感じがしますね。

もちろん得意・不得意、牝馬限定戦との兼ね合いはあるでしょうが、出走頭数相応の活躍というのは対等ということなんじゃないか。


これを見て牡馬のことをおもんばかるファンもいる。

というのも、引退した競走馬は、牝馬なら多くは繁殖に入るようだが、牡馬はごく一部が種牡馬として繁殖に関わることになる。

その一握りの牡馬というのは、現役時代の活躍著しい馬が選ばれることが普通で、GIレースでの活躍著しい馬は引退後の期待も大きい。

ところが、ここのところの牡馬はGIレースで牝馬に負かされて、なかなか活躍が目立たない。

というか今回2着だったキセキがそうらしく、2018年のジャパンカップ(優勝:アーモンドアイ)、去年の宝塚記念(優勝:リスグラシュー)、今回の宝塚記念と、

3回も牝馬にやられて2着になっているので、確かにここまでやられると不憫だなとも思う。(ただ惜敗とは言えぬ負け方ではある)

すると引退後のキャリアにも影響するんじゃないかということである。

そこまで心配してやらないとならんほど牡馬は情けないのかとは思うものの、今の牡馬は決め手に欠けるという印象もあるんだろう。


なお、これは芝のレースの話で、ダートでは牡馬・せん馬が圧倒的に強いと言われている。

JRAのGIレースでの牝馬優勝は サンビスタ(2015年チャンピオンズカップ優勝) が唯一とのこと。

ダートはパワー勝負だから、牝馬には厳しいんじゃないかとのことである。

さらにJRAにはダートで牝馬限定の重賞レースってないので、さらに活躍のハードルが高い。

一方で地方競馬では牝馬限定戦の強化を進めているようで、地方競馬の差別化ポイントにしたいようである。

JRAのダートで実績を積んだ牝馬が地方競馬(南関東)に移籍する流れはあるようだ。

そうやっていくうちにダートでも牝馬の存在感が増えてくるかもね。牡馬と互角に戦えるまで来るかはともかくとして。


Author : Hidemaro
Date : 2020/06/28(Sun) 23:45
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