ユニフォームにはTaiwanかCTか

WBCに向けた試合の話を書いたが、事前に台北で「日台野球国際交流試合」が行われていた話を書いた。

実はこのときのユニフォームとWBCで着用するユニフォームは大きく違ったらしい。


何が違うか。

台日交流賽》古林睿煬挨轟仍飆5K 盼把最佳狀態帶到正賽 (TSNA)

WBC》中華隊5比1勝軟銀 先發投手村田賢一:中華隊打者揮棒積極強勁 (TSNA)

台北で行われた日台交流試合ではTaiwanと書かれたユニフォームを着ている。

日本側のチームも「Team Taiwan(台湾代表)」との試合と説明している。

一方で宮崎で行われた強化試合、そしてこの先のWBCではCT (Chinese Taipei)と書かれたユニフォームを着用する。

オフィシャルには「チャーニーズタイペイ」と呼ばれることになる。

実況とかでも平然と「台湾」って言ってますけどね。


ナショナルチームとしてのオフィシャルな試合で台湾とは言えないが、

それが関係ないならばTeam Taiwanと呼ぼうという考えらしい。

ファイターズにとっては相手がナショナルチームでも、謎の台湾代表でも関係ないわけですからね。

このユニフォーム持ってるファンの方が多いのでは? というのも見たが。

WBCオフィシャルの場所では売れないが、東京でもTeam Taiwanグッズを売ってるとか。


ところでTeam Taiwanと言っておきながら、さっきのニュースを見ると「中華隊」ってなってるんだよな。

実は地元では「台湾隊」か「中華隊」という論争もあるらしい。

ただ、漢字表記だと中華隊の方がよく使われてるっぽいね。

台北駐日経済文化代表処/WBC開幕直前!台湾代表が東京に到着しました―― (X.com)

この写真には「TEAM TAIWAN 台湾加油」と書かれた横断幕があるが、

その横で「中華隊 陳冠宇」と書かれたのを持っている人がいる。

勝手に映り込んだ人か知らんが、漢字だとこうなるのかという感はある。


わざわざユニフォーム使い分けるのはマメだなと思ったが、

実は日本も侍ジャパンシリーズのユニフォームとWBC(強化試合含む)のユニフォームは少し違う。

後ろを見ると首元にあるのが侍ジャパンマークとWBCマークの違いがある。

WBCのグッズとして売ると、WBC Inc.にロイヤリティーが入り分配されることになるが、

それとは無関係に侍ジャパンのグッズとして売ればNPBの収入である。

3月を境にこういうものも切り替わるわけですね。

名古屋の強化試合の時、試合には出場できないがMLB組が練習をしていたが、

このときはMLB組は何着てたのか調べたら、侍ジャパンシリーズのユニフォームだった。

MLB組も常設化された侍ジャパンのメンバーということなのだろう。


ところで前々からChinese Taipeiって変な名前だなと思っていた、

この名前は1979年の国際オリンピック委員会理事会で提案された名前だそう。

1971年に中華民国が国連から追放され、中華人民共和国が国連加盟した。

これをうけて国際オリンピック委員会でも対応が検討されたが、

しばらく両方とも選手を派遣できない時期が続いた。

そこで妥協策として両方のオリンピック委員会をともに中国オリンピック委員会として参加させる案が考えられた。

区別が付かないので中央政府のある場所を付けることにして、

“Chinese Olympic Committee, Peking” と “Chinese Olympic Committee, Taipei” とすることにした。


ただ、これは中華人民共和国側が受け入れなかったという。

というわけで中華人民共和国の中国オリンピック委員会を承認する一方、

中華民国側は “Chinese Taipei Olympic Committee” として参加して、

国旗・国歌とは別のオリンピック委員会の旗・歌を用意するように求めたと。

さっきの名前をちょっと入れ換えたものだったんですね。

中華民国側もすぐには受け入れなかったが、1981年に同意、

1984年からChinese Taipeiとして台湾からの選手派遣が再開した。

2022年の北京オリンピックのときは「中華台北」か「中国台北」で揉めたこともありましたが。

中華民国で言うところの北平

漢字で言えば「中華台北」なんだから「中華隊」なのかなと思いましたが。


このような方策でのオリンピック参加は他にはないが……

アフリカに「ギニアビサウ」という国がある。このビサウは首都の名前である。

なぜこんな名前かというと「ギニア共和国」「赤道ギニア」との区別のためである。

ギニアというのは超広域の地名で、○○領ギニアというのはいくつもあった。

ギニアビサウも元々はポルトガル領ギニアだった。


というわけでめんどくさい話だった。

現場でもTaiwanのユニフォームでオフィシャルな試合に出られない不満はあるようで……

運動部の発足、9月9日に ロゴに野球・陳傑憲選手のポーズ取り入れ (フォーカス台湾)

プレミア12の決勝戦で陳傑憲選手がユニフォームの空白部分を指している写真があるが、

本当ならここにTaiwanって入っていてしかるべきだろうというアピールらしい。

なんとこのハンドサインが中華民国運動部のマークに取り入れられたらしいと。

なお運動部はスポーツ省の意味である。(外交部が外務省に相当するのと同じ)

真相はさておき、侍ジャパンは明後日にこのCTユニフォームを着た台湾代表と当たることになる。

WBC東京プールの行方を大きく左右するであろう一戦である。