ケーブルが見た目で識別できないような
うちにはUSB Type-C同士のケーブルが2本ある。
1本は自宅用、もう1本は携帯用、ちなみに昨年末に自宅用のケーブルの被覆が壊れたので買い換えた。
そんな中、スマートフォン・タブレットの充電に使っているUSB Type-C同士のケーブルが壊れて、
被覆の中の金属が見えていて、これはまずいと使用を中止した。
この2本のケーブルはType-CだがどちらもUSB 2.0である。
Type-C同士のUSB 2.0ケーブルというのは、充電用というのが最大の意義である。
USB PDでは、Type-C同士のケーブルが必要である。
これはUSB PDの電源供給のコントロールにはType-C特有のCC端子の結線が必要だからである。
CC端子はUSB Type-Cが表裏不問で接続できることと関係が深いもので、
このCC端子を適切に接続することで、端子の接続向きや接続相手の識別ができるわけだ。
で、このCC端子を使って通信をすることができて、それでUSB PDは電源電圧の変更を行うわけですね。
USB Type-C自体は、SuperSpeed対応のUSB 3.1・3.2・USB4にも対応していて、
さらに言うとAlternate ModeとしてDisplayPortなどの機能を持たせることができる。
もっとも基本的なUSB 2.0対応のケーブルは、USB 2.0用の通信線1対・電源(許容電流3A)・CC の線が通っていれば良い。
USB 3.1・3.2に対応するためには、USB 2.0用の通信線1対、SuperSpeed用の通信線が4対・電源・CCの線があって、
なおかつ、eMarkerと呼ばれるICを内蔵し、これでケーブルの種類を識別できるようにする必要がある。
また、USB PDでは5A給電にも対応しているが、これも安全上の問題でeMarkerを内蔵する必要がある。
というわけで、USB Type-Cのケーブルはいろいろあって、
- USB 2.0 3A対応
- USB 3.1 Gen1 3A対応
- USB 3.1 Gen2 3A対応 (ケーブル長は1.0m以下)
- USB4 3A対応 (ケーブル長は0.8m以下)
- USB 2.0 5A対応
- USB 3.1 Gen1 5A対応
- USB 3.1 Gen2 5A対応 (ケーブル長は1.0m以下)
- USB4 5A対応 (ケーブル長は0.8m以下)
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僕が持っているのはもっともシンプルな1.のタイプってこと。
USB 3.1 Gen1・Gen2・USB4については、ケーブル長という制約があるので、必ずしも上位互換ではない。
もちろん価格の問題もあるが目的に即して選ぶと良い。
5Aケーブルも大電流を流せるケーブルは太くなりますから、これも適材適所で。電源供給に特化するならUSB 2.0でよい。
しかし、ここで気になったのだけど、ケーブルを見てこの種類が識別できるのかということ。
実は統一的なルールはないので、こうすれば識別できるという統一的なルールはない。
ただし、ELECOMなど一部のメーカーでは刻印で区別できるようにしているようだ。
「SS」と書いてあればUSB 3.1 Gen1対応(ex. MPA-CC13A10NBK)、さらに「10」とあればGen2対応(ex. USB3-CCP10NBK)、
「40」と書いてあればUSB4対応(ex. USB4-CC5P08BK)といった具合である。
このことから、単にUSBとあればUSB 2.0のみ対応であろうと解釈できる。(ex. MPA-CC01PNBK)
もっとも、このルールも厳密に適用されているわけではなく、USB 3.1対応でも「SS」など書いてないものもあるようだ。
あと、5A対応ケーブルだが、ELECOMでは記載方法のルールがないようで、刻印での識別はできなさそう。
これは困りましたね。(もっとも5A給電を使うケースはかなり限られるが)
ちなみにホスト側もUSB Type-Cについて、対応規格を記載することが好ましい。
というのも、Type-CだからといってUSB 3.1以降の規格に対応しているとは限らないから。
スマートフォンのType-CはほとんどがUSB 2.0だろう。SHARP AQUOSシリーズもそうだ。
会社の業務用PCにはType-CのところにSSマークが付いているので、SuperSpeed対応であることがわかる。
これはUSB 3.1 Gen1対応なので、まぁそういう意味でも妥当ですかね。
ただし、DisplayPort Alternative Mode対応であるということは一見してわからない。
本来はUSBのマークにPDマークを付す方が好ましいのだが、そこまではしていないようだ。
でも、これは機器のスペックをみればわかる話なので、ケーブルほどは問題はない。
ケーブルはコスト面の問題もあるし、あと長さの問題もあると言われれば、いろいろ作り分けることは妥当である。
ただ、それを識別するルールを作らなかったのは大きな問題だと思う。
最初に書いたようにうちにはUSB 2.0 3Aケーブルしかないので、ある意味では問題はないが、
今後、高級なケーブルを買ったときに識別可能なものを購入しなければ、それは混乱の元である。
そういえば、もうだいぶ昔の話だけど、USB Type-A – microBケーブルで「充電専用ケーブル」というのを持っていた頃があって、
これはデータ転送用の線が結線されていないというものだろうと思う。確かにちょっと安かった覚えがある。
データ転送用の線がないと、USB BC対応=1.5A給電可能であるか識別できない気がするので、何らか問題はありそうだが。
(このケーブルを使う用途でUSB BC非対応の機器から給電するということはあり得ないと思うけど)
しかし、このケーブル、外観から識別できないという問題はあって、
しかもType-A – microBというのはデータ転送目的でも使ってたケーブルなので識別できないと困るわけだ。
そこで「充電」と書いたシールを貼り付けて対応していたことを思い出した。
それと同じように「SS」とか「5A」とかシールを貼ればいいんですけどね。
それはそうなんだけどさ。でもやっぱりおかしいよね。
Author : Hidemaro
Date : 2021/01/06(Wed) 23:59
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