どうして福井は恐竜王国か

今日は北陸滞在最終日。今日の目的地は勝山。

これが今回の旅行で宿泊先を福井にした理由の1つでもある。

勝山って何があるって、福井県立恐竜博物館ですよ。


福井駅を降りて、いきなり動く恐竜のモニュメントに出迎えられてびっくりした人もいるかもしれない。

僕もそうで、以前に東尋坊から福井に来たときに見てびっくりしたものだ。(cf. マグマが固まって越前海岸)

福井県で新種の恐竜の化石が発掘されたということはなんとなく知っている人は多いだろうが、

実際にこの化石が出たところというのが勝山市であり、恐竜博物館もそこにある。

というわけで、今度福井に来ることがあれば勝山には行きたいと思っていたのである。


じゃあどうやって勝山の恐竜博物館に行くのかという話である。

まず、あらかじめ予約を取得しておく必要がある。平日なんでガバガバでしょうけどね。

その上で、公共交通で行く場合、えちぜん鉄道と勝山市のコミュニティバスで行くことになる。

ただ、どちらも本数は比較的多くて30分間隔ぐらいで設定されているからあまり困らない。

そして、えちぜん鉄道の駅で「恐竜博物館セット券」というのが購入できる。

えちぜん鉄道は1日乗り放題で、福井から単純往復でも十分安いから、芦原からとかだとなおさらお得。

今回の宿はJRだと福井駅からはバスだが、えちぜん鉄道の駅は歩ける程度の距離にあったので、そこから乗った。

ただ、雪の中歩くのは疲れますね。それでも歩くには困らない程度の天気だったが。


勝山永平寺線の終点の勝山駅まで乗るが、山間部に向かうにつれ、雪がたくさん降ってくるようになる。

勝山駅ではコミュニティバスに乗車するが、往路は生活路線を兼ねたバスでいろいろ寄りながら走るが、

直行便の方が便数は多くて、あわせて30分おきということで、かなり本数が多い。

運賃は勝山駅~恐竜博物館は300円(大人)だが、それ以外は100円(一律)ということで、露骨な運賃体系。

ただ、観光客の便宜を図りながら、コミュニティバスを走らせるというのはよいことだと思う。

恐竜博物館セット券は勝山市内コミュニティバスも乗り放題だから、そんなことを意識することもないけど。

それにしても雪がすさまじい。


そうして到着した恐竜博物館、予約を呈示して、恐竜博物館セット券を渡すと入場できた。

入ってまずデカイ博物館だなと思った。開館20周年とも書かれていた。

この博物館、恐竜博物館とあるから恐竜の博物館なのだろうと思うかも知れないが、

恐竜の生きた時代とその前後の自然史について取り上げた博物館で、恐竜以外の化石もけっこう多い。

自然史について取り上げた博物館は今までもいろいろ見てきたけど、時代という切り口で見ているのが特徴的ではないか。

展示されている化石(複製含む)の多くは日本国外で採掘されたもの。まして福井県内で採取されたものは全体にしては少ない。

意外な気はしたが、よくよく考えてみれば、古い時代の化石は発見できる場所がかなり限られている。

恐竜の時代とその前後を知るためには、その時代に生きていた動植物の化石を世界各地から集めないと説明できないと。


展示の流れとしては、世界各地で発見された恐竜の全身骨格、ここで恐竜の分類やCGや模型で恐竜の暮らしを紹介している。

その次に福井県・日本・アジアという地理的に近いところで発見された恐竜の標本が紹介されている。

あわせて、岩石・地層・鉱石といったものも紹介されている。

最後に生命の誕生から恐竜の時代に至り、その後に訪れた哺乳類の時代について紹介されている。

この流れは僕にとってはちょっと理解しにくくて、勝山に恐竜博物館がある意味がすぐにわからず、

さらに恐竜の歴史的背景について理解する前に恐竜の標本を見せられては、あれってどの時代だったんだ? とわからなくなる。

なので、結局はもう一度、展示を戻って見直したんだけどね。

一方で、恐竜って何者だったんだということを知るには、骨格標本から生きていた時代の姿を想像できるところからスタートした方がよいともいえ、

おそらくこの博物館の構成はそこを意図したものではないかと思う。これも一理あるとは思う。


さて、どうして勝山で多くの恐竜化石が見つかったのかという経緯を紹介しておこうと思う。

1986年に石川県で恐竜の歯の化石が発見されたことをきっかけに周辺の同様の地層(手取層群)で調査が行われた。

その1つが勝山市北谷町で、予備調査をしたところ、恐竜の化石があることが確認され、1989年から本格的な発掘調査が開始、

そこから保存状態のよい化石がいくつも見つかり、その中には従来知られていたのとは異なる種の恐竜化石もあって、

現在、5つの種の恐竜がここでの発掘調査から命名に至っており、これにより恐竜の研究が進展したとされている。

恐竜だけではなく、周辺の動植物の化石もあるので、恐竜が生きていた時代のことがいろいろわかるわけですね。

恐竜博物館は展示施設でもあるけど、研究施設でもある。その中で化石のクリーニングをする様子は公開されている。

後で映像コーナーでビデオを見て知ったんだけど、手取層群の化石は奥深くにあり見つかりにくい一方で、化石の保存状況がよい。

そういう事情から1箇所で時間を掛けて粘り強く調査が続けられているのが福井県の化石発掘の特徴だという。


この経緯を見て、そしてこの博物館が開館20周年ということからわかるが、発掘開始から5年後に博物館の計画が出来てたんですね。

確かに研究施設としての役割もあって、発掘調査の充実には必要という考えはあったのかもしれないけど。

一方で観光施設という色合いはかなり濃いところではあって、実際に集客力は相当なもの。

2023年にリニューアルの計画があるそうだが、それが新幹線合わせというのもまた事実ではある。

とはいえ、実際に科学的な成果を出してますからね。最近だと新種の鳥類骨格化石に「フクイプテリクス・プリマ」と命名したり。

小型の肉食恐竜から分化して鳥類が生まれ、それが現在に連なる鳥類であると言われているところで、

そこを解き明かすのに役立つ発見になりうるものでもある。

こういう発見は世界各地であって、それに応じて見直すべき展示内容はいろいろあるのだろう。


ひどい雪なので恐竜博物館から出てもどうしょうもなく、勝山市街に寄るのも無理だなと、バス・電車で福井へ直行。

乗る列車は旅行商品で決まっているから、そこまで買い物をしたりして時間をつぶして、サンダーバードに乗って京都へ。

2日ぶりの京都、最初の2泊と同じ宿に入ってまた2泊。明日は早朝から仕事だ。