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1990mは限りなく2000mに近い

先週末、イギリス・サンダウン競馬場で開催されたエクリプスステークスの馬券が日本で発売された。

これは日本からの遠征馬、というかイギリス長期滞在中のディアドラが出走するため。

フランス式の馬券の売り方

この記事の末尾で書いてましたね。


これが15.1億円も馬券売れたんですよねぇ。

昨年、JRAは21の海外G1レースの馬券を発売したが、一番売ったのが凱旋門賞(41.6億円)で、これは別格。

その次はドバイターフ(14.7億円)だったんで、去年の売上に当てはめれば2位相当なんですよね。

ヨーロッパのレースは比較的売上がよい傾向があるというけど、それでも10億円超えは限られる。

しかもエクリプスステークスは7頭という少頭数ですからね。

よっぽど海外馬券に飢えていたのか(ドバイワールドカップデーも中止になったし)と思ったが、

無観客競馬のためにインターネット投票を導入した人が多かったからでは? という指摘があってなるほどと。

ヨーロッパのレースは日本時間では深夜(今回は23:35発走)だけど、家で観戦するには悪くないですよね。


ところで、このレースはJRAのWebサイトには「芝1990m」で行われると記載されている。

でも、実際のコースは限りなく2000mに近いのだという。それをなぜか1990mと書いてあるのである。

ちょっと変ですよね。中途半端な距離を丸めるならともかく、わざわざ中途半端な距離で書くわけですからね。


日本ではコースの距離はメートル単位、負担重量(騎手や鞍などの重量)などの重さはキログラム単位で記載する。

ただ、これは地域によって違いがあって、イギリスでは距離・重量をヤードポンド法で記載する。

なので、これを換算する必要があるのだが、ここには競馬界独自の換算式というのがある。

距離について言えば、1mile=1600m, 1furlong=200mという換算式を使う。

furlongはハロンと読むが、競馬以外ではあまり一般的な単位ではないが、日本競馬でも慣例的に使われている単位である。

いずれにせよ競馬界ではこの換算式にあてはめて、例えば有馬記念(中山競馬場・芝2500m)の距離はイギリスでは「1m4½f」と書かれている。

Full Result 6.25 Nakayama (JPN) | 22 December 2019 (Racing Post)

「1m4f110yds」も併記されているが、220yards=1furlongなので意味は変わらない。(110yds=1/2f)

1600+(4+1/2)×200=2500mというわけですね。わざわざめんどくさい書き方するなと思ってしまうが。


それで、問題のエクリプスステークスは、現地ではどう書かれているのかという話である。

Full Result 3.35 Sandown | 5 July 2020 (Racing Post)

概数では「1m2f」と書いてあるが、厳密には「1m1f209yds」である。

これを先ほどの換算式にあてはめると、1600+(1+209/220)×200=1990mとなるわけである。

だからJRAは1990mって書いてるんですね。


ただ、現在のヤードポンド法では1yard=0.9144m, 1mile=1760yards=1609.344mと、メートルを使った定義になっている。

この定義によれば「1m1f209yds」は 1609.344+(220×1+209)×0.9144=2001.6mとなる。

実際のコースが限りなく2000mに近いというのはそういうことだったんですね。

でも、イギリス競馬ではこのコースは2000mと記載することはできなくて、1m1f209ydsとしか書けない。

そして、JRAは競馬界の換算式に従って換算する決まりなので、1990mしか書けないんですね。


ところで、エクリプスステークスの賞金がさっきのWebサイトに記載されているが、

1着賞金が141775ポンド、6着までの賞金合計は245925ポンドである。

これって日本円に換算すると……1着賞金が1910万円、総賞金が3320万円なんですね。

いやいや、いくらなんでもイギリス競馬が貧乏だからって、G1レースの賞金がこれはおかしいでしょ。

JRAの3勝クラスの賞金と同じぐらいですからね。JRAの賞金相場を当てはめるのは適切ではないが。とはいえ……

と思って調べてみると、どうも新型コロナウイルスの影響で賞金が減額された結果らしい。

実際、昨年は1着賞金425325ポンド、総賞金737775ポンドだったそうで。1/3に減額だったんですね。


日本競馬は馬券売上が堅調のため、賞金に手を付けるということはないが、

おそらく賞金減額まったくなしで競馬ができている地域というのはあまりなくて、

比較的影響が小さいはずのオーストラリアでも一部レースでは賞金減額が行われている。

ヨーロッパに至っては長期の中断があった上に、元々大レースの賞金がスポンサー頼みという実情もあり、

特に体力に乏しいイギリス競馬ではここまでの大減額になってしまったようで、悲しいことだなぁ。


ちなみにエクリプスステークスの名前は、1764年生まれの競走馬、エクリプスに由来する。

エクリプスは当時圧倒的に強い馬だったらしく、このことから"Eclipse first, the rest nowhere"ということわざが残っている。

そのままの意味では「エクリプス1着、他の馬はどこにもいない」ということで、なんのこっちゃという感じだが、

当時は一定以上の差が付くと、後続の馬は失格となってしまうルールがあって、

圧倒的に強かったエクリプスが大差勝ちして2着以下なしということが起きえたわけである。

このことから「唯一抜きん出て並ぶもの無し」と表すことわざになったという。

その後、エクリプスの子や孫も活躍したわけだが、これがただごとではなくて、

現在走っているサラブレッドの父親の父親……をたどっていくと97%がエクリプスになるんだという。

そんな偉大なるサラブレッドのお父さんの名前を付けたレースの賞金がそんなに安いのはよくないよなぁ。


Author : Hidemaro
Date : 2020/07/11(Sat) 23:50
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