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馬券が売れても儲けにくい

地方競馬について気になるニュースが2つ。

無観客で3.6億円赤字 岩手競馬本年度試算 (岩手日報)

笠松競馬借地料、減額訴訟が和解 (岐阜新聞)

どちらにも共通して言えることは馬券はどこで売れるかということである。


無観客でももともとインターネットでの売上が多い地方競馬は馬券の売り上げは堅調、

数少ない平日の娯楽とあってか、むしろ売上は伸びているぐらいだという。

ところが、岩手競馬では赤字になるかもしれないと言っている。

それはなぜかというと、他の競馬場の馬券を売って得られる協力金収入が得られないからだという。

そう、地方競馬って他競馬場の場外馬券売り場の経営者という一面もあるんですね。


地方競馬同士というのもあるけど、やはり集客力といえば中央競馬である。

地方競馬の競馬場、あるいは場外馬券売場にJRAの場外馬券売場が併設されていることがけっこうある。

ウインズ盛岡(盛岡競馬場内)(JRA)

大井競馬場併設の「J-PLACE大井」のようにJ-PLACEという名前になっていることもあるが、

これが馬券の発売システムの違いで、地方競馬のシステムと統合されたものだとJ-PLACEになるという話。

競馬場でレースやってるときより、JRAの馬券売ってる方が人が来るという競馬場も多いとか。

(これは地方競馬ではJRAと競合しない平日に開催することが多いという事情もある)


それってどんなもんなのよと、公開されていた川崎競馬組合の決算資料を見てみた。

決算 (川崎競馬)

川崎競馬の馬券売上は709億円、うち23%を他の競馬場で、68%を在宅投票で売っている。

およそ75%が払戻金に回るので、実質的に180億円ぐらいが手元に残り、そこから賞金など支払うことになる。

一方で他の競馬場の馬券の売り上げだが、地方競馬のうち南関東が78億円、JRAで303億円の売上とのこと。

他の地方競馬の売上は書かれていないけど、どんなもんなんだろ?

やっぱりJRAの馬券って売れるんだなぁ。週末と平日の違いもあるんだろうけど。


問題は、他の競馬場の馬券を売って、競馬場にとってはどれだけの収入になるかということである。

これは明確に書かれていて、地方競馬の他場からは36億円、JRAからは17億円の受託料を受けとっている。

地方競馬の他場から受けとっている一方で、逆に川崎競馬の馬券を売る地方競馬の他場への支払いもある。

でも、川崎競馬がやっている日が年64日で、競馬やりながら他場を売ることもあると考えれば受取の方が多いか。

JRAからは馬券売上の2%ぐらいですかね。けっこう渋いですね。(というのが後でわかる)


というわけで、これこそが最初に書いた岩手競馬で無観客が続くと赤字になるという話につながる。

川崎競馬の2018年度の収益は27億円、このうちいくらが場外馬券売場の運営でもたされた収益だろう。

競馬開催収入(入場料もあるけどほとんど馬券だな)-競馬開催費(払戻金や賞金を含む)はおよそ5億円。

場外馬券売場としての費用や事業管理費は別計上されてますからね。もちろん共用部分はあるでしょうけど。

岩手競馬も事情としては似たようなものだが、盛岡競馬場は1996年移転と新しく、芝コースも持っているなど、建設費や維持費の負担が重い。

借金の負担が重かったので、岩手県から融資を受けてなんとか持たせたそうだが、赤字になれば廃止すると宣告を受けている。

近年売上が伸びているとはいえ、その伸びは他の地方競馬に比べて弱く、費用も他の競馬場よりかさむので稼ぎにくい。

そこを埋め合わせするのがJRAや他の地方競馬からの受託料収入だったが、これは競馬場・場外馬券売場が閉まっていてはどうにもならない。


それにしても、競馬を開催して馬券を売っても思うように儲からないのだろう。

それが笠松競馬の借地料減額のニュースに現れている。

従来の借地料は馬券の販売実績に連動して算出していたが、近年インターネットによる馬券の売り上げが好調で借地料が上昇し、経営を圧迫。

笠松競馬場ってほぼ借地の上にあるらしい。そのため、売上低迷期に借地料交渉で揉めたらしい。

このときに将来、馬券の売り上げが回復すれば借地料を上げますからと、売上連動の借地料を決めた。

その後、インターネットでの馬券販売で売上は増加、低迷期の倍以上の売上に達した。

そんなわけで借地料も相応に上がるのだが、借地料を決めたときの想定よりも手元に残る金額が少なく、

売上が伸びるほど借地料負担が増加して収益が減るという、おかしな状態になってしまった。

そのため借地料の見直しを求めて、大半の地権者とは合意できたが、一部合意できなかった地権者がいて裁判をしていた。

結果として、他の地権者と同様の借地料水準で和解したということである。


なぜ想定より手元にお金が残らなかったか。それはインターネット発売の手数料負担のせいだという。

どうもインターネットでの馬券売上の10%ほどを手数料として支払っているらしい。

地方競馬のインターネット投票というのは、下記の4つのサービスで取扱がある。

  • SPAT4 (南関東公営競馬・ホッカイドウ競馬共同運営)
  • オッズパーク (ソフトバンクグループ)
  • 楽天競馬
  • JRAネット投票×地方競馬

競馬場やレースにより取扱状況は違うが、楽天競馬とSPAT4は地方競馬の全レースを取り扱っているらしい。

JRAの地方競馬取扱はごく一部だけど、JRA所属馬も走るダートグレード競走は外さないというところで、

JRA所属馬追っかけて地方競馬の馬券を買うというファンには便利で、取扱レースの割には存在感がある。


というわけで、馬券の売り上げが伸びても、手数料などで中抜きされる割合も増えた。

それでも低迷期に比べれば手元に残る金額も増え、黒字化して、地域に繰入金として財政貢献できるようになってきた。

ただ、この黒字というのは賞金・手当の削減により生み出された面もある。

その結果、厩務員が集まらなくて困っているなんて話も。地方競馬にとって最大の課題かもしれない。

さらに言えば、JRAや他の地方競馬の馬券を売って得られる収益も割合としては大きいわけである。

広く競馬を楽しめる仕組みとしてはいいけど、まさかの無観客競馬続きでこの収益が期待できなくなってしまった。


こういう話を見てると、JRAは未勝利戦にまで510万円もの賞金を出してる場合なのかと思っちゃいますけどね。

JRAで勝ちきれず、地方競馬に転出して再スタートを切る馬も多くいる。

地方競馬で走るチャンスを得て、調子をつかんでJRAのレースで勝利して盛り上げる馬も時々いる。

未勝利に終わったときのセカンドライフが描けないのでは、いくらJRAの賞金が高いって言っても馬主は手を出しにくい。

地方競馬はJRAにとっても大切な存在のはずで、それは知ってると思うんですよ。


地方競馬へのJRA馬券売場の設置や、JRAネット投票での地方競馬の取扱というのも、

JRAから地方競馬の支援策としては功を奏しているのは確かにそうなんだけど、

こつこつ競馬を開催して儲けていける仕組みかというと、まだ厳しいのかなと。

インターネット投票の手数料なんていうのは、なんとかして解決してやれないのかなと思っちゃうんだけどね。

JRAはインターネット投票にそこまでお金かかってないでしょ。年2.9兆円も売る規模で、システムは自営ですからね。

オッズパークや楽天競馬が盛り立ててきたから、今の地方競馬があるんだと言われればそうなんでしょうけど、

売上規模の小さい地方競馬にとっては、この手数料負担はかなり分が悪い。


Author : Hidemaro
Date : 2020/05/21(Thu) 23:42
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