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あの手この手で血漿が欲しい

昨日、血漿成分献血やってる人が思いのほか多かったなんて書いたが、

血液センターのWebサイトを見ていたらこんなバナーを見つけた。

血漿成分献血にご協力ください (日本赤十字社)

え、ここまで言うほどなの? と思ったが、ここ4年で血漿分画製剤の原料用血漿の必要量が1.2倍に伸びているらしい。


血漿分画製剤は血漿から用途に応じて特定の成分を取りだしたものである。

成分ごとに分けることで、血液の有効活用にもなるし、特定の成分のみ純度を高めているので副作用も軽減される。

血液型も関係なく、長期保存も可能であるということで、安定供給にも寄与しているはず。

長期保管可能であるということは、輸入も容易ということであり、かつては輸入に頼る製剤が多かった。

消費量の多いものとしては、アルブミン製剤 と 免疫グロブリン製剤 がある。

免疫グロブリン製剤はここ10年ぐらいの自給率は95%ほど。以前はほとんど輸入だったので大きな変化である。

一方のアルブミン製剤の自給率は60%前後となっている。自給率は高まったが、未だに輸入に頼る分は多い。


原料用血漿の必要量が増えている要因は、免疫グロブリン製剤の需要が伸びていることに起因する。

厚生労働省の資料を見ると、免疫グロブリン製剤の消費量は2012年→2017年で1.25倍に伸びている。

さっきの原料用血漿の必要量が1.2倍に伸びているのとだいたい数字が合っている。

一体何に使っているのかという答えはさっきのページに書いてある。

人の血液から作られる免疫グロブリン製剤は、神経系の病気の治療にとっても無くてはならないものとなっています。とくに、風邪や下痢の後に急激に手足の麻痺が生じるギラン・バレー症候群や、国の指定難病の一つである慢性炎症性脱髄性ニューロパチー・多巣性運動ニューロパチーでは、現在治療手段の中心となっています。

どうしてこういう病気に免疫グロブリン製剤が効くのかというと、免疫異常が原因となっているからではないかとのこと。

一般の免疫グロブリン製剤というのは、人の血液中にある雑多な抗体を集めたものだという。

それを注射することでいろいろな効果があるということらしい。まぁよくわかってない部分もありそうだけど。


単純に言えば、成分献血してくれる人が増えればよいのだが、なかなかそれも難しいことである。

そこで、成分献血の1回の採血量を増やすということによって、供給量の増加に取り組んできたそうだ。

血小板製剤の需要に応じて血小板成分献血をしてもらい、残りは血漿成分献血をしてもらうというのが通常である。

協力人数を大きく増やさず、血漿の供給量を増加させるためにやったのが、血小板成分献血をする人を減らすことなのかなと。

少ない人数で同量の血小板を確保するためには、高単位の血小板成分献血に協力してもらうということ。

きっと血小板に困っているんだろう

なるほど。この装置が適する人はやや限られるが、うまくいけば少ない人数で多くの血小板を採取できる。

さらに血小板成分献血で同時採取する血漿の量も2017年から増やしたそうである。


これは献血者数・献血量・供給本数の推移からも見て取れる。

2014年の血小板成分献血の献血者数は86万人、血漿成分献血の献血者数は52万人だった。

これが2019年では血小板が61万人、血漿が76万人と逆転している。合計はほぼ同じである。

供給本数を見てみると、血小板製剤の供給本数は2014年で84万本、2019年で82万本なので、やや減だがさほどでもない。

輸血用の血漿製剤の供給本数も2014年で96万本、2019年で92万本と、これもまたやや減だがさほどではない。

これに対して血漿成分献血の採血量は2014年が22万L、2019年が38万Lと大幅に増えている。

血漿の確保という点では400mL献血もあるが、この採血量は2014年に133万L、2019年に129万Lとほぼ横ばい。


以上の数字からわかるように、少ない人数で血小板製剤の需要に応えられるようにして、

血漿成分献血に協力してもらう人数を増やして、血漿の採取量を増やしている。

その増やした分は輸血用に回っていないので、血漿分画製剤の原料に回っているということである。

このような工夫により、献血への協力者数は横ばいなのに、血漿分画製剤の原料用血漿の確保ができてるんですね。


全血献血も血小板成分献血も短期的な需給状況によって呼びかけがされることが多い。

一方の血漿成分献血は、短期的な需給というのはほとんど関係ない。

なぜならば血漿は冷凍で一定期間保存した後で使用を開始するほどで、長期保存が容易だからである。

それだけに、今、協力する意味を感じにくい献血だなと思っていた。

もっとも血小板か血漿かというのは、献血者が選ぶことは通常なくて、そのときの需給状況によって決まるもの。

献血ルームに言って、ああそうですかというしかない話である。


でも、このデータを見てわかったけど、やっぱり血漿成分献血も大切なんだよね。

血漿は量が大切、量が大切だからこそ継続的な協力が必要だということである。

赤十字社でも製造設備の改良などで、少しでも多くの血漿を確保しようと努力しているそうだ。

調べてみると、血小板製剤に含まれる血漿を、他の液体に置き換える計画があるらしい。

血小板は何らかの液体に浮かべないといけないので、今はそこに血漿を使っている。

ただ、血漿が含まれることによる副作用もあるようで、副作用軽減という点では血漿が含まれないに越したことはない。

そして、ここで浮いた血漿は、原料用血漿として利用することが出来るというメリットもある。

導入に当たっての課題はいろいろありそうだが、そういうのも1つの工夫としてありますよということですね。


Author : Hidemaro
Date : 2020/01/21(Tue) 23:55
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