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石炭も石油も相変わらず使う

火力発電の燃料といえば、天然ガス か 石油 か 石炭か。

最新鋭の天然ガス火力発電所は、熱効率がとてもよく、SOxや煤じんの排出が皆無で、

ガスタービンは起動・停止が素早く、CO2排出量も少ないということで、大変優れた性質を持っている。

日本の電力の40%ほどは天然ガス火力発電ということで、まさに主力である。


じゃあ、天然ガスでいいじゃないかという話ではあるが、

石炭火力発電所も新設されているし、石油火力発電所も少し新設されている。

最新鋭の発電所同士比べると天然ガスに比べて熱効率も劣るし、環境負荷も大きい。

SOx・NOx・煤じんなどは適切に対策されるのが前提だが、CO2は排出するしかない。


石炭火力発電所について言えば、低コストであることが大きな理由のようだ。

石炭は可採年数が150年以上ということで、他の化石燃料に比べれば経済的に採掘できる量が多い。

それゆえ比較的安価に輸入できるということで、期待が多いようだ。

石炭はほとんどが炭素だから、同じエネルギーを得るのに排出されるCO2の量はどうしても大きくなる。

ただ、熱効率が改善されているので、発電量あたりのCO2排出量は、昔の石油火力発電所ぐらいに抑えられる。

老朽化した石油火力発電所の代替としては、環境負荷が悪化することはなく、経済性は高いということである。


あと、石炭火力発電所の期待としては、バイオマス燃料の混焼というのがある。

石炭を燃やせるなら、他の固形燃料も燃やせるので、木質バイオマス燃料を混ぜてもよいと。石炭火力発電所でバイオマス燃料を燃やしても、固定価格買取制度の対象になっていた。

ただ、この方式でのバイオマス発電があまりに多くなりすぎたので、新設だと対象にならなくなったようだ。

バイオマス燃料の安定確保は課題だが、発電するだけなら石炭でもよいとも言える。

なかなか日本国内でも未使用間伐材の燃料化が進んでいないようで、まだこのメリットは十分生かされてないとも。


石油火力発電所が少し新設されているというのは、アスファルトのような油を有効活用するため。

石油製品で高く売れるのが、ガソリン・灯油・軽油、逆に重油というのは安くしか売れない。

そこで重油となってしまう分子量の大きな炭化水素を、ガソリン・灯油・軽油の材料によい炭化水素に作り替えるわけだ。

(製油所で大量の水素が消費される)

従来は船舶やボイラーの燃料、あるいは発電用燃料としてC重油を売っていたわけだが、

環境対策からC重油から他の燃料(天然ガスとか軽油)への転換が進んでいる。

そこで従来、C重油として出荷していたものを、さらに分解して軽油などに作り替えているわけだが、

それでもなお残る油というのは、C重油よりさらに重質なアスファルトのようなものになる。

アスファルトは舗装用にも使われるが需要が低迷しており、それなら燃やして燃料にしようということである。

硫黄分・窒素分・金属分が多く、環境対策には気を遣う必要があるが、製油所内で発電や熱源に使われているようだ。


いずれにしても共通して言えることは、資源の有効活用であるということ。

日本は石炭すらほとんどを輸入に頼っていて(石炭はある程度自給できている国が多いのだが)、

エネルギー需要が増大した時代に石油火力発電所を増やしてしまった経緯もある。

それこそ資源の有効活用という点では問題だったので、是正した結果が天然ガスとか石炭への転換だったのかなと。

余剰なアスファルトのような単純に燃やすしかない石油は、引き続き燃焼させて使うけど、

石油はできるだけ輸送用燃料と化学原料に使うという方針は明らかなのかなと。


地球温暖化対策という点で、石炭火力発電所の新設はおかしいんじゃないかと言われることもある。

先日、そのことで日本が「化石賞」に選ばれたなんてニュースもあった。

COP25、初「化石賞」に日本 (朝日新聞デジタル)

ただ、果たしてなにを重視するかという話ではあるんだよね。

CO2排出量か、省エネルギーか、省資源か。いずれも両立する分にはよいが、相反することもある。


僕の考えだが、資源の浪費だけは取り返しが付かないので、何においても省資源は重要だろうと。

省資源のためにはおのずと省エネルギーを目指すことになるだろう。リサイクルも重要ですね。

そうして考えてみると、CO2排出量削減だけを追求するのはちょっとちがうんじゃないかなと思うんだよね。

以前、「CO2フリー水素」のことを紹介したが(cf. 水素で聖火を灯す?)、

二酸化炭素の分離・貯留にかかるエネルギーは果たして見合っているのかという見方もあるようだ。

省エネルギーが結果として、CO2排出量削減につながるのはよいのだけど、

CO2排出量だけが理由で活用できない資源が出てきたり、活用できる資源に偏りが生じたりするのはよくないなと。

実際、それで世界中でバイオマス燃料の奪い合いになっているという話も見ている。


老朽化した石油火力発電所を、最新鋭の石炭火力発電所に置き換えて、経済性を向上させて、石油資源の有効活用を図る。

この時点ではCO2排出量は横ばいだが、後にバイオマス燃料の導入を拡大し、カーボンニュートラルに近づける。

というのは理にかなったシナリオだと思うんだけどね。

日本には、より先進的な取り組みを期待されているんだということでもあるんだろうが、

どうしても段階的な取り組みにならざるを得ない実情はあるし、今どきの石炭火力発電所は案外よくできている。


Author : Hidemaro
Date : 2019/12/05(Thu) 23:53
電気・数学・物理 | Comment | trackback (0)
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