南都銀行のATMだったのだが
この前、大阪に行った時に近鉄日本橋駅で降りたのだが、
西改札を出ると南都銀行のATMがあるのだが、これがセブン銀行のATMになっていた。
確認してみると、南都銀行とセブン銀行の共同ATMで、南都銀行の取引は南都銀行の一般のATM手数料と同じだと記載されていた。
南都銀行はもともとセブン銀行と提携しているが、ATM手数料が概ね108円高く設定されている。
このATMは時間内の入出金は手数料がかからないなど、従来の南都銀行のATMと同様に使えるということだな。
どうも、こういうことらしい。
地銀初、株式会社セブン銀行との「共同運営ATM」を広域に5台同時設置!!(pdf) (南都銀行)
対象は、近鉄奈良駅・シルキア奈良(JR奈良駅西口)・近鉄日本橋駅・近鉄難波駅・あべのハルカス の5箇所のATMだそう。
とりあえずは南都銀行以外の利用者が多く想定されるターミナルのATMを置き換えたが、
将来的には店舗外ATMを全面的にセブン銀行との共同ATMにする予定だそう。
これは南都銀行のATM運営をセブン銀行に委託するという扱いになるようだ。
すでに新生銀行では同様のことが行われていた。(cf. 自社ATMをやめる)
新生銀行は自社のATMを全面的にセブン銀行ATMに置き換えた。
置き換えた当初は、新生銀行はセブン銀行ATMの入出金手数料を無料としていたから、さほど影響はなかった。
ところが、その後にセブン銀行を含む提携ATM手数料を有料化した。(一部優遇条件あり)
すなわち、自社ATMをなくした後にハシゴを外してしまったわけだ。当初からそういう想定だったかは知らないけど。
南都銀行については、店舗内ATMは従来通り維持されるようである。
セブン銀行ATMに置き換えることでできなくなることとしては通帳記帳がある。
だから、店舗内ATMは従来通り、通帳を取り扱えるATMがないと困ってしまう。
基本的に南都銀行の利用者は通帳持ってますからね。(無通帳のWeb通帳も選択可とはいえ)
それはけっこうだけど、従来、店舗外ATMで記帳できることを期待していた人には不便になる。
もっとも、今のところ置き換えられた5箇所のATMについては、
近鉄奈良駅・シルキア奈良は複数台ある1台が置き換えられただけで、残りは従来通り。
全て置き換えられたとしても、本店とJR奈良駅前支店が比較的近い。
近鉄難波駅はほとんど真上に大阪支店があるし、あべのハルカスは駅の改札前にあるATMは従来通りである。
今後、置き換えが進むと不便なケースも増えるかもしれないが、今すぐ困る話ではない。
地方銀行とセブン銀行が共同ATMという形で組むのは初めてと書いてあるが、
ちょっと違ったケースで、銀行の店舗内にセブン銀行ATMを設置するということはいくつかの銀行でやっている。
飛騨高山の十六銀行支店内にセブン銀行ATMが設置! 外国人観光客の利便性向上!! (マイナビニュース)
十六銀行高山駅前支店(現:高山駅前外貨両替ショップ)に、自社ATMと並べてセブン銀行ATMを設置している。
目的はPLUS・Cirrus・UnionPayなどに対応した海外発行カードの使えるATMを用意するため。
海外発行のクレジットカード・キャッシュカードは日本のキャッシュカードと規格が異なるので、容易には対応できない。
ゆうちょ銀行では海外発行カードも受け入れられるATMを標準設置している銀行もあるが、多くの銀行はそうではない。
みずほ銀行では一部に海外発行カード専用のATMを併設していたりするが、それもまた少数派である。
一方でセブン銀行ATMは海外発行カードに対応しているので、そこで自社ATMとセブン銀行ATMを並べることにしたようだ。
南都銀行が店舗外ATMを置き換える目的の1つにも、海外発行カードへの対応というのがあるようだ。
南都銀行の意図通り、ATM運営の効率化や、利便性向上に繋がるかはしばらく様子見ですかね。
店舗外ATMの管理は確かに負担かもしれないが、それをセブン銀行が肩代わりするということは、
その分は南都銀行がセブン銀行に払う手数料という形で跳ね返ってくるので、本当にお得かはわからない。
セブン銀行ATMへの転換後にATM手数料を原則有料化してしまった新生銀行という先例もある。
新生銀行と南都銀行ではいろいろ条件が違うから、同じようなことが発生する可能性は低そうと思う一方で、不安はぬぐえない。
セブン銀行のATM手数料は従来から変えず、共同ATMだけ自社ATMと同じ手数料にするというのは、
セブン銀行への支払いが際限なく増えないようにする歯止めに見えるし、それなりに考慮されてそうだが。
Author : Hidemaro
Date : 2019/05/09(Thu) 23:55
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