15年も経てば

「京 Premium Live」でトップバッターとして出てきた出演者が KOTOKO さんだった。

名前は聞いたことあるし、KOTOKOさんの歌を聞くこともそれなりにあった。

ただ、網羅的には知らないし、何よりも実際に歌っているのを見るのは初めてだった。

すごい人だなぁとは思ったけど。


9人いた出演者の中では一番のベテランである。

「来年でメジャーデビュー15年になります」とのことだった。実際には2000年ごろから活動していたようだ。

今年デビューという人も3人(だと思う)いた中でこれだから、相当なものである。

紆余曲折ありつつも、これだけの間にわたって歌い続けてきたというのはすごいことだ。


ここ数年で歌手活動15年になる人の名前をいろいろ聞いていたので、KOTOKOさんもそんな1人だと聞いてなるほどと思った。

というのも、かつてKOTOKOさんが所属していた音楽集団「I’ve」というと、一時代を築いた音楽集団と言われている。

もともとはゲーム音楽からはじまり、アニメ音楽に活動の場を広げてきたという経緯がある。

2005年ごろにはアニメで聞く機会も増えていた。

僕にとって印象的なところでは「灼眼のシャナ」(TVアニメは2005年~)で、オープニング・エンディングの多くがI’veであったことかな。


15年前ぐらいというとPCゲームがリッチになってきた時代だと言われていて、新分野ということでいろいろ挑戦できたのだろう。

まさにその時代に現れた音楽集団がI’veだったってわけ。

I’ve以外にもこの時代にPCゲームから音楽活動に入っていた人たちはいろいろいて、

例えば、去年デビュー15周年を迎えたという yozuca*さんもそんな1人ですね。


I’veは札幌を拠点にして、作曲家やボーカリストを抱えて、最盛期では十数人にもなる音楽集団だったようだ。

ただ、時代が移り変わるにつれて、I’veから離れて活動する人や、そもそも音楽活動をやめてしまう人も出てきた。

2016年1月には川田まみが年内での歌手活動引退を発表。これをもってI’veを初期から支えてきた歌姫が全員卒業する形となった。
2017年7月末をもってクリエイターの中沢伴行が独立を発表。
時を同じくして2017年7月には10枚目のコンピレーション・アルバム「ALIVE」を発売。18年の歳月で多くの出会いと別れを繰り返したI’veだが、歩みを止めることなく、未来に向かって常に走り続けている不屈の音楽制作集団に、これからも目が離せない。

(I’veについて・I’veの歴史 (I’ve Sound Explorer))

これはファンが書いたI’veの歴史だね。

2016年に川田まみさんが歌手活動をやめるとなったとき、「I’ve Soundも終わったな」という人を見た覚えがある。

実際には現在もI’veの活動は続いているのだが、初期からのメンバーがほとんどいなくなったので、

一時代を築いたI’veはもう終わったんだというのは、そんなに間違った理解ではないような気もする。


実際のところ15年も経つと、ゲームやアニメの音楽というのもかなり変わってるんだよね。

当初のメインの仕事だったPCゲームというのは、今はかなり細ってしまったと言われている。

一方で10年前ぐらいからキャラクタが歌うということが増えてきた。

涼宮ハルヒ、アイマス、ラブライブ!…『アニサマ』で羽ばたいた“作品発ユニット”の歴史を振り返る (Character JAPAN)

2006年ごろからの新しい流れで、2010年ごろにはすっかり定着していたという。

最近ではスマートフォン向けゲームがこのプラットフォームになることも増えていて、これも時代の変化だろう。

あと、キャラクタが歌う流れに連動して、声優がキャラクタから離れて歌うことも増えている。

これは今さらのことかもしれないけど。


僕がアニメ・ゲーム音楽に触れる機会が増えたのは2006年前後、ちょうど中学を卒業する前後だね。

やっぱりその時代の印象だとI’veは一時代を築いた音楽集団なんだよね。この時代がちょうど最盛期だったかもしれない。

もちろん新しい流れがあることはずっと気づいていたけど、

自分がこの世界に触れ始めた頃の音楽が1つの終わりを迎えたと確信したのはここ数年のことかもしれない。

もしかしたら2016年に「I’ve Soundも終わったな」というのを見たときに確信したのかも知れない。

もちろん15年経っても活躍している人は少なくないわけだし、すっかり絶えたとかそんなことはないんだけどさ。


15年という数字を聞いて思ったのはそんなことだったって話。

十年一昔というけど、もうちょっと長かったようだ。