函館で山登り

今朝の函館は雨、だけど天気は快方へ向かうようだ。
というわけで、午前は五稜郭公園へ行くことにした。


湯の川温泉からは市電で行くわけだけど、実は函館市電・函館バスはnimocaを導入している。
nimocaは西鉄のICカード、福岡周辺で広く使われているが、なぜか函館にnimocaエリアがある。
これは函館市が全国のICカードが共通利用できることという条件でICカード導入の公募をしたら西鉄が手をあげたからだそう。
nimoca自体は福岡のICカードだけど、Suicaを含む他のICカードも使えますからね。
函館で発行されているnimocaはICAS nimocaと呼ばれている。
磁気カードの名前が「イカすカード」だったそうで、そこから取ったらしい。イカって海のイカか。
ただ乗車するだけならどのICカードでもよいが、バスとの乗り継ぎ割引はnimoca限定らしい。
福岡からnimocaを持ってくれば地元の人と同じように特典があるが、札幌からKitacaを持ってきてもダメと。
ただし現金でも乗り継ぎ割引は可だ。割引額はなんと160円、そのかわりに2時間以内に乗り換えることとなっているが。


さて、五稜郭公園駅から少し歩くと五稜郭公園にたどりつく。
五稜郭というと星形の独特な形の城郭で知られているが、これはヨーロッパの城郭を参考にしたよう。
ただ、その一方で作り方は日本の城そのもので、歩いている分にはそこまで違和感はない。
確かに堀の形は複雑ですけどね。
五稜郭の中には函館奉行所がおかれていた。この箱館奉行所は2010年に復元された。
この展示の中で知ったんだけど、実は箱館奉行所ってできてから7年後に壊されてしまったんだよね。
というのもできたのが江戸時代末期で、蝦夷地の拠点にするつもりが、明治政府は札幌に拠点を持って行ってしまったからだ。
箱館戦争で建物が破損してしまったこともあって、用済みと解体されてしまったのだという。
もしも札幌に拠点を動かさなければ、五稜郭に北海道庁に相当する役所があったのかもしれない。
ということは、2010年に復元された箱館奉行所は築8年で、すでに元の箱館奉行所より長い期間存在している。
このあたりは大阪城でもっとも長命な天守が現在の博物館建築の天守というのに通じるものがある。
平和な時代だからこそ存在し続けられているということですね。


函館駅付近にやってきて、列車に乗るまで荷物を置くことに。
この頃にはすでに雨は上がっており、晴れ間も見えてきている。函館山を見ると展望台も見えている。
すなわち展望台から街が見えるということだ。
というわけで、まずは立待岬に行くかと電車に乗り込んだ。
立待岬は函館山の東側にある岬、意外にも坂を登った先にあった。
こちらから海を見ると向こうには湯の川温泉がある。
ということは空港もこっちか、と双眼鏡で観察していると飛行機が。でも尾翼が黄色いな。
その飛行機は離陸してぐんぐんあがって雲の中に消えていった。
どの航空会社だったんだ?と函館空港の時刻表と見比べると、Tigerairの台北行きだったらしい。なるほどね。
海を見てみると、なぜか津軽海峡フェリーがいる。青森ってこっち行かないと思うんだけど。
と思って地図と見比べたところ、大間航路っぽい。ただ、時刻表とはあわない部分もあるので本当にそうかはわからない。


さて、函館山に登るかと思って、引き返そうと思ったら、登山道の地図が目に入った。
それで見てみたら、立待岬付近から登山道があって、せいぜい2時間ぐらいで展望台までいけるらしい。
引き返してロープウェイでは無駄が多いなと思っていたので、おもしろそうだと登山道から行くことに。
ただ、立待岬~千畳敷までの登山道は整備度が低く、上り坂もきつく、行き違いも苦労しそうな狭さ。(誰ともすれ違わなかったが)
おもしろいルートだとは思うんだけど、なかなかおすすめできない登山ルートだ。
登り切って千畳敷に着くと眺めがよい。
ここからはダートだが自動車も走れるような道で、稜線に沿って進むからアップダウンも少ない。
舗装された自動車道と合流すると、そこからは階段を上がると展望台。
実は函館山、冬季以外は自動車で上がれて、夜以外は自家用車でも上がれるようだ。
展望台は函館市街方面を一望でき、独特な地形も含めてよく観察できる。
本当は夜景が有名だが、昨日は夜景なんて無理な天候だったし。
あと案内していたタクシー運転手が客に「夜はすさまじい混雑だ」と言っていたし。まぁ悪くはないのかな。
やや霞んでいるが、それなりに景色は見える。ちょうど五稜郭公園のあたりはずっと雲がかかっていたけど。
下りはロープウェイで、片道運賃も設定されているので。すぐに麓にたどりついた。


麓にはキリスト教の教会がいくつかある。
その1つにハリストス正教会がある。正教会っていうとロシアで信仰している人が多くて、実際、ロシアから函館に伝来してきた。
外から見ていると、どうも中に入れるよう。「献金にご協力を」という書き方がキリスト教っぽいが。
小さいながらによくできた聖堂らしく、確かに聖陣も丁寧に作られていることがわかる。


さて、函館駅へ戻ってきて、八戸へ向かうことにする。
新函館北斗駅との間にはシャトル列車「はこだてライナー」が走っている。
新幹線開通にあわせて電化して、札幌で使っているのと同型の通勤電車を専用車として用意したようだ。
基本は新幹線にあわせて走るシャトル列車だが、一部は新幹線と接続しないのもあり、短距離だが普通の通勤電車としても活躍しているようだ。
これで新函館北斗駅にたどりつくと、なんと平面移動で新幹線に乗り換えられた。
逆は跨線橋通るみたいだけど、青森方面への乗り換えはできるだけ平面移動で済むようにしてあるらしい。
青函トンネルを通って青森へ向かう。25分もずっとトンネルを走り続ける。
途中にかつての海底駅が蛍光灯の明かりを放っている。万が一の時の避難所である。
なんとなくトンネルを走れば本州・青森県なわけで、あまり海を渡った実感はない。
新幹線ということもあって、17時ごろに函館を出ても、まだ1時間後に東京行きがくるというから驚きだ。
なお、乗ったのは八戸を通過するので新青森で十数分後に出る後続の列車に乗り換えが必要だった。
八戸通過便なんてあるのかと驚いたが少しだけあるみたい。基本的には停車なんだけど。
そして八戸に到着したら、宿のある中心街へのバスに乗り換え。バスが頻発しているので。
そしたら「七夕祭りのため迂回します」と放送が、降りようと思っていたバス停は迂回対象じゃなかったが、
それはそうとしてバスを降りたら街は大賑わいで、とてつもなくうるさい。
全く予期していなかったが、こんなこともあるのね。まぁさしたる影響はなかったけど。


というわけで明日は旅行最終日、八戸を散策したら、夕方には大宮着という具合。
寄り道しながらの旅もとうとう最終目的地だ。