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分館は金沢へ行く

東京国立近代美術館行くかなと思ってWebサイトを開いて、

ポチポチ見てたら「工芸館の石川県移転について」という項目があった。

なんだと……と思って見てみたのだが、なかなか複雑だ。


国立美術館は6館で構成されている。

あれ、5館じゃなかったっけ? と気づいた人は鋭い。実は今年4月に1つ増えたんだよ。

東京国立近代美術館、国立西洋美術館、京都国立近代美術館、国立国際美術館、国立新美術館、国立映画アーカイブ となる。

国立映画アーカイブ はもともと 東京国立近代美術館フイルムセンター だったが、今年4月から独立した美術館になった。

この6館のうち、京都国立近代美術館と国立国際美術館(大阪)が近畿圏、残る4館は東京に所在している。


このあたりの事情は国立博物館も似ていて、2005年以前は東京・奈良・京都と、近畿圏2館と、東京に1館だった。

明治以降、首都ということで文化財の集まった東京と、元々文化財の集中していた近畿圏には博物館の整備が急務だったわけだ。

それが変わったのが2005年の九州国立博物館(太宰府市)の開館だった。

従来の国立博物館とは違うコンセプトで、九州が日本の玄関口として活躍してきた歴史を表す博物館になっている。


そんな中で、国立美術館も他地域での活動を充実できないかということが検討されたのだろうか。

そうして考えられたのが、東京国立近代美術館工芸館の石川県への移転だったのだという。

ちょうど文化庁の京都市への移転も決まっており、その流れもあったようだ。

石川県を含む北陸地域では工芸分野の文化的・歴史的蓄積が大きいことを考慮したようだ。

特に漆工だよね。輪島塗とか有名だけど。現に北陸ゆかりの作品もそれなりにあるらしい。


移転先は、金沢市の本多の森公園、石川県立美術館と石川県立歴史博物館の間に挟まれる形で設置される。

今の工芸館より少し広くなる程度だそう。

ちょうど兼六園の近くで、このあたりは多くの博物館が集積しており、その1つとして国立美術館が加わるわけだ。

東京国立近代美術館の工芸分野の作品の7割程度を移転し、移転後も正式名称は「東京国立近代美術館工芸館」となる。

ただし、金沢にあるのに東京って入っているのは違和感があるので、石川県としては「国立近代美術館工芸館」を通称として使いたいと考えているよう。

現在の東京国立近代美術館工芸館はそのまま別館として存続して、東京での工芸作品の展示活動は引き続きこちらで行われる。

というわけで東京での展示活動はこれまでとさほど変わらない感じなのかね。


東京国立近代美術館の分館という形ではあるが、初めて近畿圏と東京以外に国立美術館ができる。

国立美術館に限らず、国立の博物館で北陸に出来るのは初めてじゃないのかな。

分館とはいうけど、京都国立近代美術館も当初は東京国立近代美術館の分館として設立された経緯もある。

最近でも国立映画アーカイブが分館から独立した美術館になったというのもある。

そう考えると、将来的には独立した美術館になる可能性もあるかもしれない。

工芸専門の国立美術館という立ち位置も明確だし、小ぶりでも存在感を示せるのでは?

そうなると、東京に残される工芸館別館はどうなるんだよって話もあるけど。そのときには展示部門は東京国立近代美術館に集約ですかね。


移転は2020年の予定とのこと。すでに工事に着手しているようだ。

今後、北陸の人たちがレベルの高い工芸品に触れる機会も増えるということで、これはよいことだと思う。

どうしても文化財というのは偏在するもので、1つの参考として都道府県別の重要文化財(国宝含む)のデータを見てみると、

絵画では全2017件のうち、東京都で618件(31%)、京都府で488件(24%)、大阪府で125件(6%)など。近畿2府4県合計で969件(48%)となる。

彫刻では全2701件のうち、奈良県で495件(18%)、京都府で378件(14%)、滋賀県で378件(14%)、東京都で213件(8%)など。

なんと近畿2府4県で1516件(56%)にも達する。まぁ彫刻って仏像が多いですからね。奈良県・京都府が多いのはつまりそういうこと。

工芸では全2457件のうち、東京都で757件(31%)、奈良県で209件(9%)、京都府で185件(8%)など。近畿2府4県で773件(31%)となっている。


長らく近畿圏で住んでいたから、少し行けば多くの文化財に触れられたし、それに味を占めて今も時々出かけているし、

引っ越したら引っ越したで、東京まで近いから博物館など行けば文化財に触れる機会は多いわけだけど、

実のところそうもいかない地域の方がよっぽど多いわけですね。

収蔵品が充実している国立の博物館では、各地の博物館に収蔵品を貸し出す活動も行っているが、

やはりコレクションごとやってくると充実した展示がずっとできますからね。

常に取れる方法ではないけど、この件について言えば、なかなかよさそうだなと思った。


Author : Hidemaro
Date : 2018/06/30(Sat) 17:38
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