スポーツ新聞を中心にバーコードのついた新聞というのがある。
でも新聞のバーコードってどんな体系なんだろ? と気になった。
そもそも、雑誌のバーコードは2004年以降、定期刊行物コードに移行している。
2004年以前の雑誌のバーコードは国際規格との整合性の問題で使えなくなったので移行したんですね。
特徴としては通常の商品で使われるバーコードは13桁のところ、13桁+5桁(価格)というコード体系になっていること。
書籍は2つのバーコードを用意して、1つがISBNを表し、もう1つが分類・価格を表すようになっている。
ISBNだけで書籍を一意に区別できるのだが、価格を表すバーコードも用意することで価格表がなくても値段がわかると。
雑誌でも同じことをやっているのだが、スペースの都合もあるからか、1本のバーコードで価格まで入れる方法を選んだようで。
2004年以前は13桁のバーコードに価格も含めて埋め込んでいたが、もともときつくて(価格を10円単位にするなど苦心していたよう)、13桁+5桁にしたのだろう。
この定期刊行物コードを作るにあたっては、将来的には新聞にも使うことも想定しているということが書かれている。
でも、最初に書いたようにすでに新聞にもバーコード付きがあるんだよね。
そこでどうしているのかと調べてみたところ、どうも雑誌の体系で新聞を表しているらしい。
スポーツ新聞を中心にと書いたが、産業経済新聞社は産経新聞、サンケイスポーツ、夕刊フジ、いずれにもバーコードを付けているようだ。
電子版の試し読み機能を使ってバーコードを調べてみると、こうだった。
- 産経新聞(2017/11/12) 4910851011277 00102
- サンケイスポーツ(2017/11/13) 4910851811372 00130
- 夕刊フジ(2017/11/13) 4910853611378 00130
太字で書いた部分が雑誌コードに該当する。
通常の雑誌と同じように新聞として雑誌コードを取っているんですね。
新聞は 85xxx で月刊誌相当の番号を取得できるとなっている。
ところで雑誌コードというのは、単純に番号を敷き詰めているわけではない。
月刊誌は通常は奇数のコードを割り当て、別冊・増刊号では偶数のコードを使うとなっている。
もっとすごいのが週刊誌で、実は1つの雑誌で10個の番号を使えるようになっている。
- 週刊ファミ通 2/22号: 雑誌21884-2/22 バーコード: 4910218840281 xxxxx
- 週刊ファミ通 2/15号: 雑誌21883-2/15 バーコード: 4910218830282 xxxxx
- 週刊ファミ通 2/8号増刊: 雑誌21886-02 バーコード: 4910218860289 xxxxx
雑誌コードの末尾の桁が本誌は発売週で1~5を使い分け、増刊・別冊では6~9を使うとなっている。
なぜこういうことをしているのかという話だが、雑誌コード+月で一意に区別できるようにするためなんだと。
21884-2 という情報だけで、2/22号とわかるようになっているわけですね。
だから、バーコードも21884(雑誌コード)+02(月)+8(年)で構成されている。
そう考えると新聞に割りあてる雑誌コードが月刊誌の番号体系というのは不思議な気もするが、
通常の雑誌とは流通のされ方に差があるので、問題ないという判断なのだろう。
最初の産経新聞のバーコードを雑誌コードに戻すと 85101-12 ということになる。(そうは書いてないが)
12というのは12月号というわけではなく、通常の雑誌では月を表す2桁に適当な連番を振っているようだ。
1年が365日あって、休刊日があるといっても2桁では収まりきらないのは明らかで、同じバーコードの新聞が出ることは避けられない。
とはいえ、新聞のバックナンバーが流通することはあまりないので、実情として問題はないとは言える。
そもそも通常の雑誌でも、年は1桁しかないので10年すると1周してしまう。
でも10年前の雑誌のバックナンバーなんてまず流通していないので問題なしと判断しているようだ。
雑誌コードはなかなか余裕がなくて、実質的に新しい雑誌ができても既存の雑誌も別冊扱いにしたり、ムック扱いにしたり、
廃刊になった雑誌があれば、その雑誌コードはまもなく再利用され、という状況らしい。
とはいえ、それは雑誌コードの体系が冗長だからということもあると思うんだよね。
よく考えてみれば、定期刊行物コードの月を表すコードは2桁の数字が入れられるわけだから、
そこに週番号(01~52)を割りあてて、60~は増刊・別冊で使うとかすれば、週刊誌1つに雑誌コード10個も使う必要はないはず。
あと、雑誌コードって雑誌以外にもムック・コミックへの割り当てもある。
でも、ムック・コミックはISBNという通常の書籍に振られるコードも持っていて、バーコードも通常の書籍と同じものを使っている。
すなわちバーコードの都合を考えれば、特に雑誌コードである必要はないと。
雑誌コードは昔から使われてきたコードなので、専らバーコードのためのものではないんだと思いますけどね。
その一方で雑誌コードの枯渇で、雑誌コートの対象になるものでも雑誌コードを振らないことも出ているようだ。
そう考えるとISBNで統合的に管理した方がメリットがありそうな気はする。どうせムック・コミックはISBNが必要なわけだし。
新聞の場合は、連番2桁+年1桁 よりも 連番3桁(約3年で1周) の方がいいんじゃないかなぁとか思うけど、
考え方としては従来の雑誌の延長線上で対応できたんだね。
しかもバックナンバーを想定しないという割り切りもあって、月刊誌相当のコードで対応しているというのも効率的だ。
偶数番って使ってるのかな? 夕刊用に使うとかいうこともできそうだけど。(産経新聞の夕刊はバーコードないようだが)
現状、新聞にバーコードが必要という考えはあまりないと思うのだが、取ろうと思えば取れるという仕組みならよいのかなと。
実際、活用されてるんですかね? でもニーズがあるからスポーツ新聞だと付けてるんだと思うけど。