その導線、コンデンサですか?コイルですか?

ところで、こんな話がある。
電線を張っておくと、それは地面との間でコンデンサとなっているという。
まぁそんなに大きなキャパシタンスではないはずです。
それがどうしたという話ですが、いろいろなところに影響を及ぼしているんですよ。
例えばオシロスコープのケーブルと地面の間がコンデンサとなってしまっているそうだ。
これによって高周波の波形が狂うと。
もっとも補正のための工夫はされてるんですけどね。そのために使うときに調整が必要です。


インダクタンスの話が授業で出てきて、まぁいろいろ計算してたわけです。
インダクタンスというのはコイルやらの性質を表した値ね。単位はH(ヘンリー)。
コイルに電流を流して、できる磁束とコイルの導線と交差する数をかけたもの、鎖交磁束数と入れた電流の比。
正直要領を得ない書き方だが、
10000回巻のコイルに1[A]の電流を入れたら、コイル内部に1.26×10-5[Wb]の磁束が生じたと。
それで1.26×10-5×10000/1=126×10-3[H]=126[mH]となると。
このインダクタンスというのはコイルの入った回路の計算で非常に重要なものですね。
1.26mHだと、60Hzの交流回路では47Ωの抵抗と同じように電流の流れを邪魔する。
まぁ実はそういう性質は電磁気の世界で説明されているのですが、
そんなことも気にせずともとりあえず回路の計算はできますからね。


さて、ここでまた導線を張る。
そして電流を流す。すると周りにぐるぐる磁界ができるわけだ。
それは驚くことではないのだが、実はこのぐるぐる磁界が原因でインダクタンスがあるらしい。
導線の周りにできる、全磁束がその導線に交差していると考えないといけないらしい。
実際そういう問題にあたったわけではないのですが、
同軸ケーブルのインダクタンスを計算する問題があったわけだ。
これは中心の導体の半径がa[m]、外側の導体の内半径がb[m]のときなんぼになるかということ。
外側の導体より外には磁束ができないので考えなくてよろしいとのこと。
中心の導線I[A]の電流を流すと、中心からr[m]の地点の磁界はI/2πr[A/m]、
この地点での磁束密度はμI/2πr[T]、μはそこの誘電率。
それで同軸ケーブルを1[m]だけ切って考えましょうと。
それを縦に割って、中心の導体と外側の導体の作る長方形部分の磁束の本数を求めると。
導体の外側の全磁束を求めると言うことです。えらいもんです。
実はこれは積分なんてしないといけないからめんどくさい。
ab(μI/2πr)×1dr=(μI/2π)loge(b/a)[Wb]
数学ではlogeを単にlogと書くけど、数学以外の世界ではlogとだけかけばlog10なんですよね。
まぁ数学ばっかりやってると忘れそうになりますね。
物理やら電磁気ではlogeまたはlnを使って書かないとね。
まぁこれで磁束が求められたからIで割って、1mあたり(μ/2π)loge(b/a)[H]と求まったわけだ。
えらいもんですね。導線がただあるだけで、実はそれはコイルと同じ役目を果たしていると。
実際、それが変なことを引き起こしたりするらしい。本当にえらいもんだ。


普通は回路を作ったら、その導線がコンデンサやらコイルになってるとかは考えませんよね。
そうそう、回路って閉じてるでしょ。その閉じたところに電流流したらコイルそのものだよね。
冗談みたいな話ですが、電流がくるくる回ってるわけですからね。
もちろんそんなに大きなキャパシタンスだったりインダクタンスだったりはしないですよ。
長い長い導線だったり、すごい高周波だったりしなければ気にするほどではないよ。
しかしそうでなければ注意しないといけないということでもある。
まぁそういうことを頭の片隅に置いておいて、テストに挑むとしますか。