強化に失敗しない確率を求めて

僕はオンラインゲームのことはあまり明るくないのだが、

どうもオンラインゲームでは武器強化に失敗するのはよくあることらしい。

ゲームの情報がサーバーにあるから、スタンドアローンで動くゲームのようにリセットが効かないこともあって、

こういう確率により左右される要素を組み込みやすいのかも知れない。


その話とは少し違うのだが、ソーシャルゲームでスキルレベルだとかいうものが設定されていることがある。

そのレベル上げが成功するかどうかというのは確率により左右される。

その確率の決まり方なのだが、強化に使うカードの種類・枚数によって決まるようだ。

複数のカードを同時に強化に使うと、確率の足し算になるようなゲームもあるという。

強化に使うと20%の確率で成功するカードを5枚まとめて強化に使うと100%成功するということだ。

ところがレベルが上がるにつれて成功確率が下がり、まとめて強化できる上限枚数でも100%成功を実現できなくなる。

そんなことが起きるようだ。


じゃああきらめる、というのが1つの答えだ。

ただ、どうしてもスキルレベルを上げたい場合は運と戦わないといけない。

運をつかむためにユーザーが操作出来るのは、何枚のカードをまとめて強化にあてるかということだ。


例えば4%の確率で強化に成功するカードを使って強化することを考える。

強化成功に必要な枚数は25枚だが、最大10枚までしかまとめて強化できないとして考える。

とりあえず20枚のカードを使って強化に挑むとき、1回の強化に1枚から10枚まで与える枚数を変化させて失敗する確率を求めてみよう。

まず1枚ずつ強化に使うと、25回全部失敗する確率は (1-0.04)25=0.360 となる。36.0%とか全く信頼のおけない数字だな。

2枚ずつ使って12回、最後に1枚でやって全部失敗する確率は 35.3% となる。

3枚ずつ使って7回、最後に4枚使って失敗する確率は 34.3%、

5枚ずつ使って5回やって失敗する確率は 32.8% 、

7枚ずつ使って3回、最後に4枚使って失敗する確率は 31.4% 、

10枚ずつ使って2回、最後に5枚使って失敗する確率は 28.8%、

と1回で使う枚数は多くした方が失敗確率は減らせるようだ。


もうちょっと確実に成功するためにはどれぐらいの枚数のカードを用意すればいいのか。

もうすぐ発売される年末ジャンボ宝くじで10枚買って、1万円以上の当選金があたる確率は8.2%ぐらいのようだ。

それよりもう少し堅い5%に失敗確率を抑えるようにするには何枚で何回必要か。

まず1枚ずつの場合は、74回目で失敗確率が5%を切る。

2枚ずつの場合は36回目で失敗確率が5%を切る。だから72枚までで済むということだ。

3枚ずつの場合は24回目、カード72枚で失敗確率が5%を切る。

5枚ずつの場合は14回目、カード70枚で失敗確率が5%を切る。

7枚ずつの場合は10回目、カード70枚で失敗確率が5%を切る。

10枚ずつの場合は6回目、カード60枚で失敗確率が5%を切る。

やはり1回で使う枚数を多くした方がよいようだ。


もっと強化能力の高いカード、例えば成功確率が2倍の8%で成功するカードを使うことを考える。

同様に失敗確率を5%を抑えるために必要な回数を考えてみる。

1枚ずつの場合は36回目で失敗確率が5%を切る。

2枚ずつの場合は18回目、カード36枚で失敗確率が5%を切る。

3枚ずつの場合は11回目、カード33枚で失敗確率が5%を切る。

5枚ずつの場合は6回目、カード30枚で失敗確率が5%を切る。

7枚ずつの場合は4回目、カード28枚で失敗確率が5%を切る。

10枚ずつの場合は2回目、カード20枚で失敗確率が5%を切る。

1回で使う枚数を多くした方がいいのは同じだな。20枚用意して10枚ずつ2回やればだいたい成功すると。


成功確率4%のカードは60枚、成功確率8%のカードは20枚用意すればだいたい成功する。

ということから考えると、この場合は成功率2倍のカードは3倍の価値がありそうだ。

だから成功率2倍のカードが3倍より安ければ買いで、高ければ成功確率4%のカードで粘るが答えだ。

なんで2倍ではないのかというと、1回あたりの成功確率を上げると必要な枚数は節約できるが、

成功確率8%のカード10枚と同じ確率は成功確率4%のカードでは10枚の上限にひっかかり実現できない。

そういうところからくるものかと。


もうちょっと一般的な数式で表せればいいかなとは思ったのだが、

とりあえず数値計算でこんな風に出してみた。

いずれにせよ期待値で考えるのはかなり危ういことがわかる。

期待値で言えば成功確率4%のカードは25枚あれば済むわけだが、その程度だと平気で失敗する。

失敗確率を5%に抑えるためにはその2倍以上の60枚は覚悟しなければならない。

100%成功が実現できるうちは幸せなのかも知れない。