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運転免許証とマイナンバーカードをタッチだけで使うこと

業務用車両の鍵を管理するシステムが導入されましたという案内が出ていて、

使いもしないのに見てたんだけど、鍵の取り出し方が、

  1. コンピュータに運転免許証を読み込ませて(スキャナ?)、使用する業務用車両を登録する
  2. 鍵箱に運転免許証をタッチして、鍵とETCカードを受けとる

ここで、あれ? と思ったのが、運転免許証をタッチするだけで鍵箱が開けられること。


運転免許証をお持ちの方ならご存じだと思うが、ICチップに暗証番号を設定している。

この暗証番号は運転免許証に内蔵されたICチップから券面情報と本籍を読み出すのに使う。

カードが見えなければICチップも見えない

暗証番号1を使うと、顔写真以外の券面情報、裏面の追記事項を含めて偽造がないことが確認出来る。

暗証番号2を使うと、顔写真と券面に書かれていない本籍地の情報が読み出せる。

暗証番号を使うのは運転免許特有だが、何らかの認証コードを要するのはマイナンバーカードやパスポートも同じ。

マイナンバーカードもパスポートも、現物を見ればわかる情報を認証に使う。

運転免許証が暗証番号なのは不思議だけど、本籍という券面に書かれていない情報を読み出せるからというのもありそう。


じゃあ、運転免許証をタッチするだけでは何の情報も得られないのでは?

そう思えるのだが、実は発行日と有効期限だけは暗証番号なしで読み出せるらしい。

なぜ、この2つの情報だけ読み出せるのか、明確な理由はわからないが、

運転免許証の効力に関わる、もっとも基本的な情報だからということかね。

これが読み出せれば、運転免許証としてとりあえず確からしいとは判別できる。(記載内容が正しいかは別問題)

少なくとも鍵箱では、この2つの情報の組み合わせで個人を識別してるっぽい。

運転免許証の有効期限は誕生日の月日から決まるので、それと交付日と有効年数が全て合致しなければ大丈夫で、

対象者がさほど多くなければ、あまり問題はないのかもしれない。


運転免許証の交付日・有効期限は世界中で一意ということはないが、

一定組織の中では一意に特定できる情報として活用されているということがわかる。

運転免許証のICチップから、住所・氏名・生年月日など得るには、暗証番号が必要である。

でも、あらかじめ 従業員情報 と 運転免許証の交付日・有効期限を紐付けておけば、

暗証番号なしに運転免許証をタッチするだけで、従業員情報を読み出せるという。

果たして、これをどう見るかである。


実はこれと似たような話がマイナンバーカードにもある。

マイナンバーカードのICチップの情報を読み出すには、基本的にはAPごとに認証が必要となっている。

住民票コードの読み出し(転入・転居手続きに使う)には、あらかじめ決めた暗証番号が必要だし、

マイナンバー以外の券面事項を読み出すには、生年月日+有効期限+セキュリティコードを入力する。

電子証明書を使うには、署名用電子証明書・利用者証明用電子証明書のそれぞれで決めた暗証番号が必要である。


でも、利用者証明用電子証明書のシリアルナンバーだけは、暗証番号なしに読み出すことができるらしい。

おそらく、マイナンバーカードに標準搭載されているAPではこれが唯一である。(市町村などの独自領域はその限りではない)

利用者証明用電子証明書は、例えば、コンビニでの証明書発行時の本人確認にも使う。

この証明書は住所・氏名などの個人情報は含んでいないが、シリアルナンバーから証明書を特定できる。

暗証番号を入力して、電子署名を行うことで、証明書の持ち主の本人確認ができる。

市町村では、証明書のシリアルナンバーと住民登録を紐付けて、証明書を発行できるってわけ。

このように暗証番号を入力して、利用者の特定と本人確認を行うのが基本的な使い方である。


それが、利用者を特定する用途だけならば、暗証番号なしにできるらしいというのだ。

その代表例がマイキープラットフォーム、といってもまだあんまり普及していないが。

マイキープラットフォーム構想の概要

まず、利用者証明用電子証明書を使ってマイキーIDを登録する。このときは暗証番号を入力する。

これで登録が完了すると、暗証番号なしに読み出せるシリアルナンバーからマイキーIDを取得することができる。

マイキーIDの利用は誰でもできるわけではないが、行政・民間ともに活用しやすい仕組みらしい。

今のところは、図書館の利用者カードや、ポイントカードとしての活用がされているらしい。


マイキーID自体は住所・氏名などの個人情報登録は伴わないので、マイキーIDから個人情報を取得することはできない。

マイキーIDと利用者情報の紐付けは各サービスごとに行う。

一方で、マイキーIDは単に、証明書のシリアルナンバーをIDに変換しているわけではない。

利用者証明用電子証明書は5年で有効期限切れになって更新が必要になるが、更新後のシリアルナンバーも同じマイキーIDに紐付けされる。

すなわち、同じ人のマイキーIDは変わらないということである。マイキーIDを抹消すれば紐付けはされなくなるが。


マイナンバーカードを暗証番号なしで使いたいと言っている用途がある。

それが健康保険、現在の健康保険証の代替を想定している。

現在の健康保険証は、医療機関窓口での有効性確認が難しいなどの問題を抱えている。

そこでマイナンバーカードの情報から健康保険の情報をオンラインで取得できるようにしたいと。

ちょうどマイナンバーカードは顔写真も付いているので、医療機関での本人確認にも有効だ。

ところが、この用途でいちいち暗証番号の入力を求めていては、暗証番号を忘れただの問題が多発するのは目に見えている。

そこで、利用者証明用電子証明書のシリアルナンバーから、健康保険情報をオンラインで取得できるようにしようと考えているそうだ。


これが何を意味しているかというと、証明書のシリアルナンバーと健康保険情報を紐付けるデータベースができるということ。

対象者はほとんど全ての住民ということになろうと思う。(マイナンバーカードを健康保険証として使うことへの同意は必要だが)

もちろん、医療機関だけが使えるものなんだけど、かなり大規模なデータベースである。

それが、マイナンバーカードから非接触で得られる情報だけで引き出せるというのは、けっこうな大ごとである。

マイナンバーや住民票コードも、住民の個人情報と紐付けできるコードではあるが、

マイナンバーは目視 or 暗証番号入力(券面事項入力補助AP)、住民票コードは市町村窓口での暗証番号入力が必要ですから。


とはいえ、非接触で読み出せることは本当に恐れるべきことなのかということですよ。

非接触といっても、せいぜい10cmの範囲に入らないと通信は成立しない。

それで個人情報そのものが読み出せるのかというと、せいぜいシリアルナンバーだけ。

そのシリアルナンバーと個人の紐付けは原則オンラインでやることになっていたはず。

公的個人認証法では、証明書のシリアルナンバーの利用について定めていて、罰則規定もある。

それゆえ、証明書のシリアルナンバーだけを使うにも認可が必要なんだよね。

そのハードルを下げるためのマイキーIDなんだよね。といってもまだ普及していないが。


何でもかんでも暗証番号など必要では利便性が悪いし、タッチするだけで何でもできてはセキュリティ面で問題がある。

運転免許証の交付日・有効期限情報を個人情報に紐付けるのは全く予定されていない使われ方だと思う。

ゆえに何の規制もなく野放しになっているんだろうな。これだけで一意に特定するのは難しいとはいえ。

一方のマイナンバーカードは、標準APにタッチだけで使える機能を盛り込んでおいたのは、

住民基本台帳カードの多目的利用があまり進まなかったことの反省もあるんだろう。

セキュリティ面の懸念はあったので、野放しにならないように法規制をしているが、それゆえ出足が遅れているのも実情である。

どっちもどっちか。


Author : Hidemaro
Date : 2019/11/18(Mon) 23:49
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車内広告はどう使う

職場の人に言われて、そういえばと思ったんだけど、

東海道新幹線の電光掲示板に出る広告って、法人相手に商売をしているB to B企業が多いよねって。

確かに普段の生活に根ざした企業の広告よりは、直接関わりもない会社の広告を見ることは多い。


ところが、この東海道新幹線の広告、車両が新大阪を過ぎて山陽新幹線区間に入ると大きく変わる。

JRのお得なきっぷの情報や、観光情報が多く流れるようになる。

この落差には驚いたのだが、どちらかというと山陽新幹線の方がよくある車内広告だよね。

おかしいのは東海道新幹線の方である。


調べたところ、新幹線の電光掲示板広告というのは、東海道・山陽・九州新幹線で販売されている。

価格を調べたところ、東海道新幹線では1年3300万円、山陽新幹線では1年760万円、九州新幹線では半年150万円など。

掲出条件はそれぞれ違うので、単純に比較できない面もあるが、東海道新幹線はケタ違いに高いのは事実だろう。

それでも、電光掲示板に広告が絶えず流れているということは、それだけ売れているということだ。

逆に山陽新幹線は広告売ってる割には、自社の広告で埋まる分が多いんだから、あまり売れてないってことだろう。


広告会社いわく東海道・山陽新幹線の利用者の9割近くがビジネス客で、観光客は1割ほどだという。

ビジネスマンターゲットなら、東海道・山陽新幹線! (春光社)

学校卒業してからはレジャー用途でしか使ってないけど、世間的にはそんなもんらしい。

そのため、B to B企業にとっても広告の出しがいがあるところのようで、そういうところで需要が大きいようだ。

これは電光掲示板だけでなく、ポスターなどもそう。


列車の広告といえば、鉄道会社の広告が多いと思っているのは近鉄がそうだったからかもしれない。

わたしは、奈良派。(近鉄)

駅・車内ともによく見た広告だが、こういう観光キャンペーンの広告がけっこう目立つ。

あとはお得なきっぷの広告、沿線のレジャー施設の広告、百貨店の広告などなど。

南海や名鉄など、他の鉄道会社絡みの広告もよく見られた。

もちろん、通勤電車だと、生活に根ざした広告も多いわけだけどね。学校とか本とか専門店とか。


この辺はそれぞれの会社の方針によるところも多いとは思う。

広告枠を自社で使っても、それ自体はお金にならないが、自社のファンを増やすのに活用するのも答えかも知れない。

山陽新幹線については、飛行機との競合も多いとされている。

それだけに新幹線のお得なきっぷを宣伝してみるのは、けっこう効果がありそう。

今日はビジネス用途で使ったかも知れないけど、今度はレジャーでという訴求もよいだろう。

単に広告が売れてないだけかもしれないが、山陽新幹線にはこっちの方がマッチしてる気がしますね。


逆に東海道新幹線は旺盛な広告需要に応えたいということなんでしょうね。

正直、堅苦しい広告やニュースばかりが電光掲示板に流れてると、息が詰まりそうですけどね。

ちょっと違う観点ではあるんだけど、Osaka Metroはやたらと車内広告が多かった印象がある。

関西の私鉄では車内広告を抑えめにしている会社が多いのだが、それとの対比で言うと広告が多すぎる。

公営交通が商売熱心なの? と思うかも知れないが、金になるところはどんどんやれということだったのかもしれない。


Author : Hidemaro
Date : 2019/11/08(Fri) 22:48
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献血でもっとも大切なことがある

今週、職場で献血をやっていた。

台風の影響で献血が必要

呼びかけの成果もあってか、目標より1割多い協力が得られたようだ。

普段より受付時間を延長して対応していたようだが、それに見合った成果があったようだ。

1割といっても本数にすると大した数ではないが、その積み重ねが血液製剤の安定供給につながるのだと信じている。


それはそうとして、その報告には、受付人数と協力者数がそれぞれ書かれていた。

献血にやってきても、問診や検査で協力できないことはある。

そこが受付人数と協力者数の乖離に現れるわけだが、

計算してみると受付にやってきた15%の人が何らかの理由で献血に協力できなかったようだ。

ちょっと多いと思ったが、案外こんなものかもしれない。


今まで端で見てきた献血できなかった理由だが、

  • 血の濃さ(血色素量)が足りない
  • 針を刺す血管が見あたらない
  • 服用している薬が不可
  • 傷口がある
  • 血圧が高すぎる

最初2つは安全な献血の前提条件ですよね。

継続的に献血に協力している人も、日によってできたりできなかったりということもあるようで。

薬の基準は緩和されつつあるが、やはりダメな薬は一定ある。

傷口というのはここ1年ぐらいで厳しく言われるようになった気がする。口内炎もダメらしいですね。

血圧が高すぎるは珍しい理由だと思ったが、上限値もあるらしい。


あらかじめダメだろうということで献血を回避した人もいるだろう。

職場の人も、服用してる薬がダメなことがわかったから行かなかったとかなんとか。

そう考えると、潜在的な献血に協力しようとした人のうち、どれだけが条件を満たさないか。

とはいえ、やはり問診に行かないとわからないところがあるので、まずは来て欲しいとは言ってますが。


先日、日本赤十字社の血液事業の歴史を読んでいて、献血が今の形になるまでの経緯がいろいろ書いてあった。

血液事業の歴史 (大阪府赤十字血液センター)

昔の人は「輸血を受けるためには献血に協力することが必要だった」なんて言ってるけど、

これは献血手帳(当時)に「供給欄」があった1965年~1982年の間のことである。

実は赤十字社が血液事業を始めた1952年にはなかったもので、後の時代に生まれ、今はまた消えたものである。

なぜ、こういうものが必要だったかというと、民間の血液銀行に対抗しなければ血液を集められなかったからだという。

民間の血液銀行で採血して「預ける」と「預血証書」が渡され、これと引換に無償で輸血が受けられるなんてことになっているが、

この「預血証書」は売ることができたので、実質的に血を売れるということで、赤十字社の献血には見向きもされなかったと。

とはいえ、当時は感染症の検査も不十分で、民間の血液銀行は血液製剤の品質面の問題も多く、

これはダメだと輸血用血液製剤は献血でまかなうべしとなった。これが1964年のこと。


それを実現するために、献血は無償だけど、献血に協力すると輸血が受けられるという見返りを与えざるを得なかったということらしい。

行政と連帯して赤十字社は献血の普及に取り組み、1968年には民間の血液銀行はいなくなったという。

(ただし、血漿分画製剤の原料用血漿はもうちょっと後まで有償採血が残ってたとか)

ただ、1980年代になって、献血の預血的運用による問題がいろいろ出てきたので、

献血手帳の「供給欄」は削除され、献血をすることと輸血を受けることは無関係になった。

ちなみに韓国の赤十字社では、今も献血の預血的運用が残っているらしく、献血証を提出すると血液製剤が無償提供されるそう。

ただし、提出しなくても輸血は受けられるし、実際に使用される献血証はそこまで多くないらしい。


以前も「協力できる人がやるしかないのが献血だと思う」なんて書いたが、

受付に来た15%の人は協力できなかったことからわかる通りで、献血の基準はなかなか厳しいものである。

職場で働いている人だから、これらの人は通常の健康状態であるにも関わらず、これである。

もっとも大切なのは献血者の健康、これが脅かされるのでは献血は成り立たない。

その次に大切なのは患者の安全、輸血が原因で感染症にかかることなどはできるだけ避けたい。

これは赤十字社が明示的に言っていることではないけど、この理解は決して間違えていないと思う。

献血に協力できず歯がゆい思いをしている人もいるかもしれないが、協力できる人はそんな人たちの分まで協力して欲しいということ。


Author : Hidemaro
Date : 2019/10/25(Fri) 23:57
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台風の影響で献血が必要

職場の人が「これから山梨に行くんだ」という。

なんでか聞いてみると、親戚の家に行く用事があったらしい。

日を動かせるもんなら動かした方がよかったんじゃないのとは思ったけど、それでも決行すべしとなったのか。

幸いにして今日から中央本線の不通区間が暫定的に開通した。

高尾~相模湖の東京都・神奈川県境の1区間は概ね1時間おきの単線運行で、普段より運行時間帯も短い。乗換回数も増える。

とはいえ、中央道があっても自動車では時間の読みにくい区間ですから、制約は多くともありがたい話である。


来週に職場で献血が行われるのだが、社内の複数のルートで献血への協力依頼が届いている。

確かに普段から「明日は献血の日です」みたいな連絡は回ってくるのだが、

より早い段階から、手当たり次第に知らせているのは普段とはずいぶん違う。


どうしてこんなことになっているのかというと台風の影響である。

台風のため、先週末12日、13日は献血ルームやバスでの献血を取りやめたところが多かった。

そのため、関東甲信越ブロックでは想定していたよりも4564人の協力が少なかったそう。

関東甲信越ブロックというと、病院も多く、血液製剤の消費量も多い地域ですから、これは大きな影響である。

東北ブロックも同様の理由で約500人分不足となっている。

他のブロックでも同様の影響はあるようだし、関東甲信越や東北での不足に対して全国的な融通も必要ということで、

全国各地の血液センターで400mL献血への積極的な協力を呼びかけているところのようだ。


幸いにして、血液センター・献血ルームなどへの影響はないようだ。

ただし、献血バスが行く予定だった場所が被災している場合もあって、そうなると献血会場の開設ができない。

実際、先月の台風15号で大きな被害を受けた千葉県では、献血バスの配車取りやめの影響が続いているという。

これが関東甲信越・東北の広域で続くと深刻な問題になりかねない。

とりあえずは献血会場の受付時間延長などの対応を取っているようだ。


というわけで、献血に協力できる人は近日中の協力を、とのことである。

関東甲信越と東北が影響が大きいものの、他の地域でも不足傾向はあるようだし、全国的な融通に回される分もあろうと思う。

そうこう言っているうちに冬になるけど、冬は元々血液製剤の需給状況が厳しくなる季節である。

なんとか、その前に需給状況を立て直したいということだと思う。

協力できる人がやるしかないのが献血だと思うので、協力できそうな人は献血会場へ足を運んで欲しい。

もともと行くつもりだったけど、来週の会社での献血には行く予定だ。


Author : Hidemaro
Date : 2019/10/18(Fri) 23:19
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無形資産からの利益って?

週末の旅行は、神戸から先のルートを全て付け替えて、決行することにした、

土曜日はもう関西への交通機関が寸断されかねないので、明日夜に出るというのは関東から確実に逃げられる案で、

土曜の移動はできるだけ少なくして、あとは台風の1~2日遅れで東へ追っかけながら帰っていく感じになりそう。

不本意な部分もあるが、これまで行かなかった、あるいは行けなかったところに足を伸ばそうかと、

いろいろ準備は間に合ってないけど、とりあえずは冷蔵庫の整理だ。


法人税の基本的な考え方として、恒久的施設(PE)のない国では課税ができないというのがある。

ところが昨今ではインターネットを通じて商売が行われるようになってきて、

実態として事業を営んでいるのに法人税を課税できないという問題が出ている。

この問題に対して対処すべしというのは、世界各国でだいたい合意が得られていたが、

具体的にどういう方法で課税するの? という案が決まったらしい。

GAFA拠点なくても法人税 OECD、課税原案を公表 (朝日新聞デジタル)

無形資産からの利益は、売上高の比率に応じて各国が課税できるというのが案らしい。


ちょっとわかりにくい案のように思うけど、一貫性のある案なのかなと思った。

というのも、2016年から外国法人への課税原則が帰属主義に改められたそうだ。

これはOECDモデルの課税原則に合わせたものだそうで、国際的な流れらしい。

従来採用されていた総合主義では、PEがあれば会社全体でPE所在国で上げた利益には課税、PEがなければ本国だけで課税となっていた。

帰属主義では、日本支店が取った契約はどこの国に売っても日本で課税され、

アメリカ本社が取った契約は日本国内のものでもアメリカで課税されることになった。

同じ会社の中でも国をまたぐ取引を把握して、PE所在国ごとに利益を計算するので、

アメリカ本社が日本支社に製品を売れば、アメリカ本社の売上であり、日本支社の費用となる。

帰属主義というのはおおざっぱに言えばそんなことである。


ここからわかることは、一般的な商売は有形の事業基盤があるところで課税するということ。

ところが、無形資産を使った商売、わかりやすいのはデジタルコンテンツの販売とか、

PEとは無関係にインターネットなどを通じて世界各国で事業ができてしまう。

そういうものは売り上げた国に事業基盤があるとしましょうという考えなのだと理解した。


無形資産というのもいろいろで、必ずしもインターネットを通じて出入りするようなものとも限らない。

スターバックス社が活用していたとされる国際的な節税戦略 (幻冬舎ゴールドオンライン)

コーヒー豆の焙煎をオランダで行って、価格を上乗せして各国のスターバックスに販売したり、

レシピなどの知的財産の使用料をオランダ→アメリカと流したり、そうやって利益を税率の低いところに集めていたわけだ。

どちらも知的財産とかブランド力とか、そういう無形資産に裏付けられた取引だと言えるが、

そういうものは、実際に事業を営んでいるところ、すなわちスターバックスの店のあるところで課税されるべきだというこということ。


考え方としては一貫性があるし、インターネットサービスに限らず適用可能なのはよいが、

問題はどうやって無形資産からの利益を計算するかということ。

明確に無形資産の使用料とか、そういうものはいいけど、なかなか簡単に切り分けられないものもあろう。

そんなわけで、実際にこの課税方式が運用されるまでにはまだまだ時間はかかるだろうが、まずは一歩なのかなと思った。


Author : Hidemaro
Date : 2019/10/10(Thu) 23:45
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アイルランド島ならOK

先週末、ラグビーワールドカップと日本チームと戦ったアイルランドというのは、

アイルランド島の合同チームで、アイルランド共和国とイギリスの北アイルランド地域の両方を含んでいる。

そもそもイギリスがイングランド、ウェールズ、スコットランドと別れて出ているのも独特だが、

残る 北アイルランド もこういう形で出場してるんだから、驚くべきことである。

アイルランド島のチームなので、通常は国旗とか国歌が使われるところも、ラグビー協会の旗とチームの歌を使うことになる。

同じような問題は他のイギリスの地域にもあって、イギリス国歌を使うイングランドを除いては、そのための歌があるんだそう。


そんなアイルランド島だが、1960年代から1998年の合意まで、長らく紛争が続いていた。

もとはイギリスの植民地だったが、1922年にアイルランド自由国として独立の道を歩むことになった。

(1922年時点ではイギリス自治領だったが、完全に独立国になったのは1938年ごろ)

ところが、このときに北アイルランドがアイルランド自由国から離脱して、北アイルランドはイギリス本土を構成する地域になった。

そういう背景もあってか、1998年まではアイルランド共和国の憲法にはアイルランド島全域を領土と定義していた。

1998年のベルファスト合意によりこの規定は削除され、現在は北アイルランドの領有権を主張することはない。


ところが、ベルファスト合意にはこんな内容も含まれていたらしい。

北アイルランドで生まれた人にも、アイルランドの市民権が与えられることになった。

(34kmの壁が分断する町、EU離脱は「住民を二極化」 (朝日新聞デジタル))

気になって調べてみたのだが、現在、アイルランド国籍を出生で取得する条件は、だいたいこうなっている。

  • アイルランド島で生まれ、他の国籍を得る権利のないもの(自動的に国籍取得)
  • アイルランド島で生まれ、少なくとも一方の親が、アイルランドまたはイギリス国籍
  • アイルランド島で生まれ、少なくとも一方の親が、アイルランド島で無期限の在留資格を持っているか、最近4年中3年合法的に居住していること
  • 少なくとも一方の親がアイルランド国籍

アイルランドは国籍について出生地主義の国として知られていて、2005年以上は親の条件はなかったという。

いずれにせよ、基本的にはアイルランド島内で生まれれば、アイルランド国籍を取得できるということで、

親の国籍がアイルランドでもイギリスでも、親の在留資格がアイルランドのものでも、北アイルランド地域のものでも問わないということである。


そんなわけで、イギリス在住のアイルランド国籍の有資格者による、アイルランドのパスポートの申請数が増えているよう。

アイルランドのパスポートへの申請数が倍に、EU離脱控え 英 (CNN)

北アイルランドで生まれた人はもちろんのこと、親はもちろん祖父母までさかのぼってもよい。

少なくとも一方の親がアイルランド国籍というのは、アイルランド国籍の有資格者であればよいそうなので。

今までは積極的にアイルランド国籍を主張する必要はなかったかもしれないが、

イギリスがEUから離脱すると、EUの市民としての権利も失う。

ところがアイルランド国籍を有していれば、EUの市民としての権利は保持できる。

容易に重国籍になってしまう実情もあって、イギリスもアイルランドも重国籍を認めているそうである。


少なくともアイルランド共和国としては、国籍の取得において、自国領土と北アイルランドの区別はあまりないのは確からしい。

アイルランド島は1つという思いは今も続いているのかも知れない。

実際、イギリスがEU離脱するとなって、もっとも大きく揺れているのが北アイルランドで、

アイルランド島内で分断されるか、グレートブリテン島と分断されるか、どちらか選ぶべきものもあるだろう。

同じ国なんだからグレートブリテン島と分断されるのはよくないが、それがゆえにアイルランド島内の分断が起こるのも望まない。

何らかの妥協は必要なんだろうけど、そもそも勘弁してくれというのが本心だろうか。


余談だけど、日本で生まれた両親とも外国人の子供がどうなるかというと、通常はこうらしい。

  • 両親のいずれかが特別永住者 → 特別永住者 の在留資格を取得(これだけは市町村窓口で申請できる)
  • 両親のいずれかが永住者 → 永住者の在留資格を取得
  • 両親のいずれかが定住者 → 定住者の在留資格を取得
  • 両親のいずれかが 人文知識・国際業務 など家族滞在が認められている在留資格 → 家族滞在の在留資格を取得

特別永住者・永住者・定住者は基本的には子に在留資格が連鎖するようだ。

後に親が永住者になると、扶養されている子も永住者になるので、日本で生まれた後、長く住み続けた場合は結果的には永住者になるケースが多そうだ。

一方で子だけが日本国籍を取得することは基本的にない。(両親がともに無国籍の場合など特殊なケースは除く)

基本的には日本国籍を取得するなら、親子揃って帰化するということなんですかね。

帰化が条件として厳しいかはともかく、自ら帰化する場合は、現在の国籍を明示的に放棄しなければならない。

やはり、そこは両親の両方を外国にルーツを持つ人にとっては、厳しい選択なのかなという気はする。


Author : Hidemaro
Date : 2019/10/05(Sat) 13:09
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強制送還できずに溜まっちゃう

出入国在留管理庁という役所は収容施設を持っている。

短期の収容は各地の入国管理局の庁舎内で、長期の収容は全国2箇所の入国管理センターを使っているそう。

どうして、このような収容施設を持っているのかというと、

不法滞在などの疑いのある外国人を審査する間、あるいは退去強制が決定してから実際に国外に退去するまでの間、外国人を収容するため。

犯罪の容疑者を拘置所に収容するとはまた違う目的なので、こういう独自の施設を持っているわけだ。


もっとも、不法滞在だからといって必ず収容されるわけではない。

現在は出国命令という制度ができて、不法滞在でも簡易な手続きで早々に自費で出国すればよしとなった。

出国命令 (入出国在留管理庁)

この仕組みによれば、収容されることなく、早々に出国でき、出国後の上陸禁止期間も1年と短くなっている。

国にとってみても、収容にかかる費用、強制送還にかかる費用がいらないので、メリットが大きい。

あと、不法滞在があった場合でも、状況によっては特別在留許可が認められることがある。

認められるには時間を要することもあるが、逃亡などのおそれがなければ、仮放免を認めている。

条件次第ではあるんだけど、条件にあてはまるからといって必ず収容されないというのはそういうこと。


いろいろな事情により長期間の収容になっている外国人がいるわけだが、

そうして収容されている人についてのデータが新聞に掲載されていた。

入管施設、ハンスト相次ぐ 収容長期化で「仮放免を」 (朝日新聞デジタル)

収容中の外国人の7割が退去強制命令を受けて拒否した人だという。

国籍別ではイランが最も多く101人、全体の1割以上を占めている。

それに続いて、スリランカ、ブラジル、フィリピンとなっている。

さらに、こうして収容されている人の4割は収容前に有罪判決を受けており、仮放免しないことにも理由があると言っている。


イラン国籍というと、入国者数で言えば全体の1%にも満たないほど少ないのだが、

こうやって収容されている人数でいうとトップになることには、それなりの理由があるようだ。

新設の在留資格、イラン・トルコは除外へ 来月最終決断 (朝日新聞デジタル)

実はイランは本人の同意がない場合は、退去強制になった外国人へのパスポートを発給しないそうで、

それが長期間の収容の原因になっているようだ。


あとは、こうして退去強制を拒否するような人は、飛行機に乗せてもらえないという問題もあるようで、

国籍国ごとに人数がまとまったところでチャーター機による強制送還を行っているそうだ。

数十人のために飛行機を1機借り切るというのはお金はかかるのだが、個別に職員などが立ち会うよりは楽で安上がりらしい。

合点がいかない「不法滞在者の強制送還にチャーター機、年間3000万円」の国費負担…それでも法務省が「実はコスト安」という“内実” (産経ニュース)

フィリピン、タイ、スリランカ、ベトナムなどで実績があるようだ。

確実な方法であるのはそうだけど、やはりチャーター機を待つような状況だと、収容期間も長くなってしまう。


日本国憲法には居住移転の自由とか、職業選択の自由というのがあるけど、

外国人にはこれらの自由が完全には認められていないとされている。

特別永住者だと上陸許可も退去強制もないので、完全に認められていると言ってよいでしょうが。

そして国際的な慣例では、国籍国は送還された国民を受け入れなければならないことになっている。

実際、日本人が日本に帰国することは拒否されることはなくて、パスポートを失おうが、どんな犯罪を犯していようが帰国はできる。

いざとなれば帰国させればよいから、外国人は自由に上陸拒否や退去強制をしてもかまわないと考えているわけだが、

実はそうもいかないケースがあって、そういう外国人が不法滞在の状態で溜まってしまうのではないか。


もっとも、国籍国の保護を受けられないということで、難民認定されればその限りではないし、

難民というのは国籍国の保護を受けられない人のことだから、テロ組織に迫害されているのは当てはまらないといいつつ、

そういう場合は難民に準じて特別在留許可を与えるなどの配慮はされているようである。

日本にいる外国人には、帰国したところで生活基盤がないケースもあろうと思うが、

その一方で日本国内には身寄りがいるような場合だと、特別在留許可を与えた方がよいという判断も成り立つ。

夫婦関係・親子関係など精査した上で、大きな犯罪を犯していなければ、認められるケースはけっこうあるようだ。


外国人との関わり方は国次第ではあるけど、日本の入出国在留管理庁の考えがおかしいとまでは言えないとは思う。

不法滞在の外国人を退去強制にするのも、素行不良の外国人の特別在留許可を認めないのも、

犯罪歴などを理由にして逃亡する恐れのある外国人を強制送還の手配ができるまで収容するのも、あり得る話だ。

裁判所が基本的に関与しないのは気になるが、外国人に対して役所の自由裁量を認めるのも、わりとよくあることである。

ただ、問題は国籍国へ送還するという手段が妥当ではないケースが一定あるということ。

生活基盤に乏しく、素行不良な日本人もいるけど、それは仕方ないと生活保護や地域の支援を受けながら暮らしているわけだけど。

特別永住者以外の外国人にそれを適用するのは抵抗があるということなんでしょう。


Author : Hidemaro
Date : 2019/10/02(Wed) 23:46
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阪大前はたくさんある

今日の運賃変更にあわせて駅名変更が全国各地であったようだ。

関東では東急田園都市線の南町田駅の南町田グランベリーパーク駅への改名がある。

グランベリーモールの最寄り駅として賑わっていたのだが、2017年に閉鎖して改築、

今年11月にグランベリーパークとしてリニューアルオープンするにあたって駅名も改めることになったそう。

以前、町田市出身の人に教えてもらったんだけど、この駅のあるあたりは町田市では南地区と呼ばれているらしい。

南というのは、明治の町村制施行時にできた「南村」に由来するもの。実は村の名前だったのだ。

改名後も由緒ある(?)南町田の名前は残るが、やたら長くなるのが問題かな。


改名される駅もいろいろだが、阪急宝塚線の石橋駅が石橋阪大前駅に改名された。

そのことは知ってたのだが、同時に大阪モノレールの柴原駅が柴原阪大前駅に改名されたようだ。

確かにこっちの方が阪大前というにふさわしいよね。

というのも石橋駅から大阪大学豊中キャンパスには山登りをしないといけない。

石橋駅から大学内各地まで15~25分とのことで、それなりに歩く。

一方の柴原駅は中央環状線側にある正門からほど近く、大学内各地まで徒歩7~15分ほどと近い。

ただ、利便性の問題もあって、石橋駅が同大学の玄関口として多く利用されているのが実情なんだよね。

地域と協議の上で改名しているが、石橋駅の立地する池田市では改名を肯定的に受け止めているようだ。


そこで、そういえばと思い出したのが、北大阪急行の箕面市への延伸のこと。

千里中央から先に2つの新駅ができるが、その駅名が 箕面船場阪大前 と 箕面萱野 になると発表されている。

そう、ここにも阪大前とついた駅ができるんですね。

箕面船場には大阪大学箕面キャンパスが2021年に移転することになっていて、それを想定した駅名になった。

当初は北急延伸が先になる見込みだったが、開業が遅れてキャンパス移転が先行するようだ。


そうすると、大阪大学のもう1つのキャンパス、吹田キャンパスはどうなんだと。

そしたら、モノレールに阪大病院前駅があることを思い出した。

その名の通り、大阪大学医学部附属病院の目の前にあり、ということは校舎にも近い。

だから、大阪大学の最寄り駅には全て「阪大」と付くことになるのだ。

これには驚いたが、確かにその通りである。


もっとも、吹田キャンパスについては注意が必要である。

アクセスマップ (大阪大学)

吹田キャンパスの目の前に阪大病院前駅があることは事実なのだが、校地が広いため、場所によって徒歩5~15分と結構歩く。

一方で、阪急千里線の北千里駅から歩いた場合、ところにより15~30分となっている。

北千里駅からもっとも近い工学部エリアだと、どちらの駅からいっても大差ない。場合によっては北千里駅からの方が近い。

駅自体の利便性は阪大病院前駅よりも北千里駅のほうがはるかによいので、この場合は北千里駅を利用するのが一般的だろう。


実は大阪大学には医学部附属病院の他に、歯学部附属病院もあって、同じキャンパス内だが場所が異なる。

こちらのアクセスを見ると、阪大病院前駅からのアクセスよりも北千里駅からのアクセスの方が優先して書かれている。

徒歩だと北千里駅から25分、阪大病院前駅から15分ということで、どっちも遠いわという話なのだが、

北千里駅からバスに乗ればわずか7分ということで、バスの本数の問題はあるにせよ、北千里駅の方がオススメのようだ。

一方の医学部附属病院は、北千里駅からのアクセスは全く書かれていないので、同じ校地とはいえずいぶんな差である。

この辺は普段から利用する人には当たり前のことであるんだろうが。


石橋駅・柴原駅の改名のように、施設を取り囲むように駅名を変更していた例があったような覚えがあるが、なんだったっけ。

一方は駅名変更じゃないけど、業平橋駅→とうきょうスカイツリー駅 の改名と同時に、

押上駅に(スカイツリー前)の副名称が付いたのは覚えてるんだけど、そんな話かね。

バス停だと、京都市バスで岡崎公園内・公園周辺のバス停に軒並み「岡崎公園」と付けて回ったのが印象に残っている。

【いよいよスタート 市バス大快革!!】 新しい市バス路線・ダイヤについて ~ますますご利用いただける魅力あふれる市バスを目指して~ (京都市交通局)

京都会館美術館・平安神宮前 → 岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前 とか 東山二条 → 東山二条・岡崎公園口 とか。

むちゃくちゃ長いし、系統によっては岡崎公園とつくバス停にいくつも停まることになるが、それでもやったんだよね。

それに類する話じゃないでしょうか。


Author : Hidemaro
Date : 2019/10/01(Tue) 23:50
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横浜駅は乗換駅でもある

今日は横浜に出かけていた。

横浜は電車賃だけ見ればむちゃくちゃ安く行けるところで、

というのも東急だと東京(渋谷)~横浜で267円しかしないから。

横浜のどこにいくか次第でしょと言われればそうなんだけど、横浜駅から歩けるところだったし。


それにしても横浜駅は複雑な駅である。

鉄道ではJR・東急・みなとみらい線・京急・相鉄と市営地下鉄の5社が乗り入れている。

そごう のバスターミナルは特にアクアライン方面の高速バスが充実しており、千葉県の玄関口という一面もある。

路線数が多いから複雑とも限らないが、地上レベルでは東西方向、地下レベルでは南北方向に通路が張り巡らされており、

うまく移動できるとスルッといくけど、うまくいかないと上がったり下がったり大変だ。


横浜駅というとと、大都市・横浜の玄関口だと思うかも知れないし、そういう面も大いにあるが、

実は相鉄の乗客が東京方面に向けて大挙して乗り換える駅という側面もある。

大都市交通センサスのデータによれば、相鉄到着者のうち、JRの東京方面に40%、東急に11%、京急の東京方面に8%乗り換えているとある。

<東横線>横浜駅での乗り換え客は京急へ、乗ってくるのは相鉄からがトップ  (横浜日吉新聞)

なんと相鉄利用者の6割は東京方面への乗換のために横浜駅をつかっているのである。

東京方面といっても、必ずしも東京に行っているとは限らないが、それでも半分ぐらいはいそう。

横浜駅の乗降客数は5社合計で1日230万人にも達するが、乗換客はダブルカウントされているので、実数はそんなに多くない。

このうち相鉄が19%ほどを占めているわけだが、相鉄利用者の6割が東京方面への乗換でダブルカウントされているのだから、

実はこの230万人という数字の23%が相鉄から東京方面への乗換者というのが、横浜駅の現実である。


そんな相鉄にとって大きな変化となるのが、相鉄新横浜線・東急新横浜線の建設と、JR・東急との直通運転である。

特にJRとの直通運転は今年11月30日にスタートする予定である。

相鉄・JR直通線開業 11月30日(土)ダイヤ改正について (相模鉄道)

今年時点では相鉄新横浜線は西谷~羽沢横浜国大の1駅間のみ、そこから貨物線経由で湘南新宿ラインの電車と同じくJR新宿駅に乗り入れる。

JR側の営業路線名は定かではないところがあるが、埼京線の車両を使い、一部は大宮方面への直通もあるとのこと。

どっちかというと湘南新宿ラインっぽいが、埼京線が相鉄にやってくるという位置づけらしい。

ただし、他の列車との兼ね合いもあってJRとの直通運転は1時間2~3本程度に留まるとのこと。


本命は2022年ごろから予定の東急新横浜線を介した東急との直通運転でしょう。

相鉄は西谷~羽沢横浜国大~新横浜、東急は新横浜~日吉に新線を作り、新横浜を境に直通運転する。

東急は日吉から先、主には目黒線、一部は東横線に向けて直通する予定とのこと。

計画では、相鉄から東急へは朝ラッシュ時で1時間最大14本の直通列車を設定するとのことで、

JRとの直通運転に比べればはるかに多くの直通列車が設定される見込みである。

JRだけの直通運転の時点では本数が限られるので、引き続き横浜駅経由で東京方面に向かう人は多いと思うが、

東急との直通運転が始まれば、希望する利用者の多くは横浜駅を介さず東京方面へ向かうことができるんじゃなかろうか。


そうなったとき横浜駅はどうなるんだろう? というのは気になるところ。

相鉄横浜駅界隈はかなり賑わっており、駅ビル内の高島屋横浜店は百貨店で全国8位など大きな売上を誇る店である。

でも、相鉄横浜駅の利用者の6割は東京方面への乗換利用である。

もちろん東京方面であっても、神奈川区・川崎方面など引き続き横浜駅経由が有用なケースは残るが、

東京都心へ向かうことだけ言えば、横浜駅の乗換も楽じゃないんだし、横浜駅を通らない方が優先になるだろう。

けっこう相鉄と他線の乗り換えって大変だと思うんだよね。東急から相鉄方面に歩いても思うんだけど。

休日のお買い物は別という考えもあるかもしれないが、それもいきなり東京へ向かう人も増えるか。


相鉄・東急の直通運転が始まったら、横浜駅は廃墟になりましたとか、そんなことは決してないと思うんだけど

やっぱり都市の玄関口という以上に乗換駅という色が濃い駅なんだよね。

そこがただ通過するだけにならないように、一番頑張ってきたのは相鉄だと思うんだよね。

相鉄にとっては新横浜線も横浜駅もどっちも大切だとは思うんだけど、果たして両立できるのかということですよ。


Author : Hidemaro
Date : 2019/09/29(Sun) 23:29
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製薬会社にとって厳しいですか?

アメリカで製薬会社が多額の損害賠償をすることになったというニュースが流れていた。

米パーデューが破綻申請 オピオイド訴訟で巨額支払い  (日本経済新聞)

問題の薬はオキシコンチン、日本ではシオノギが販売しているらしい。

日本での効能は「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌の鎮痛」で、麻薬に指定されている。

この領域で使われる鎮痛薬ではもっともよく使われている薬だそう。

モルヒネと同じオピオイドという種類の鎮痛薬で、便秘やせん妄などの副作用が付きもので、

オキシコンチンも例外ではないものの、比較的副作用が少なく、同種の薬の中では扱いやすい方で、

日本での薬価収載は2003年と比較的後発の薬だが、よく使われているのはそれだけのメリットがあるからだろう。


日本では麻薬指定されて、医師・薬剤師が厳しくコントロールしているような薬なのに、

アメリカでは乱用により中毒患者が続出し、社会問題化したってのはどういうことだという話である。

違う点はいろいろあるけど、まずアメリカでは一般的な医療用医薬品として取り扱われていること。

日本では過去の経緯もあって、麻薬・覚せい剤の規制は厳しいけど、世界的にはそこまでではないってことはある。

もっとも日本でも薬局の半分ぐらいが麻薬小売業者になっているそうなので、

オキシコンチンのような医療用麻薬の入手性が悪いわけではなく、必要な患者は他の薬と同様に入手できるはず。(地域差はあるようだが)


どちらかというと、問題はアメリカではこの薬が がん 以外の用途に多く使われていること。

慢性の腰痛症や関節症でオピオイドが処方され始めたのが、アメリカでのオピオイド依存症蔓延の大きな要因です。

現役医師が警告。米国で深刻化する「医療用麻薬」乱用の深い闇 (MAG2NEWS)

これは製薬会社のパーデュー・ファーマによる宣伝活動によるものなのだが、

他のオピオイドに比べれば、副作用は少なくコントロールしやすいって言っても、

副作用に注意を払う必要はあるし、依存性があることにも考慮して用法・用量をコントロールしないといけない。

安易に処方すると大変そうな薬だが、アメリカでは多く処方され、医師・薬剤師も厳格にコントロールできていない。

その結果、乱用が相次ぎ、さらに慢性疼痛に対して広く処方される薬なので、正当な方法で入手するのもそう難しくないらしい。


少なくとも日本ではオキシコンチンの乱用は問題になっていない。

麻薬として厳格にコントロールされているのもあるだろうし、

あとは適応外の用途で使うと保険診療の対象にならないというのも理由ではないかと思う。

オキシコンチンの場合「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌の鎮痛」とかいてあるから、がん以外に使うと保険適用にならない。

さらに中程度から高度となっているが、これは アセトアミノフェン や 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)だけでコントロールできない痛みという意味らしい。

このあたりは医師・薬剤師の判断だろうと思うけど、もっと扱いやすい薬で対応できるのならそっちが優先だよってことだね。

ちょっと前に話題になった がん治療薬の オブジーボ だと、効能に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」など書いてある。

薬の効能に治療の優先順序が書かれているのは、副作用や治療費用を考慮してのことだろう。

より安全で、より効果的で、より安価な治療法があればそちらを優先するのはもっともなことである。


ただ、適応外の用途で使うと保険診療の対象とならないというのは、ドラッグラグということで問題になることがあった。

かつては効能を追加するには必ず臨床試験が必要で、ここに時間を要するケースがあって問題になっていた。

現在は、外国ですでに実績があることが文献で確認出来れば、他の用途で承認済みの薬に臨床試験なしで用途が追加できるようになったので、

適応外使用ができないということが治療上大きな問題となることは減っているようだが。

そうはいっても、アメリカだと医師・薬剤師の判断で自由に適応外使用ができるそうなので、この差は大きい。


日本の保険診療もよい点と悪い点があるとは思うが、

よっぽど特殊な病気でない限りは、標準的な治療法があって、それに従って治療するのが効果的で安全性も高い。

保険診療はそういう標準的な治療法が行われることを前提にして作られているはず。

健康保険が適用されることで経済的負担も少なく、必要な人が必要な治療を受けられるのは大きな意義である。

その代わり、ひとたび保険適用にならない治療があると、原則全てが保険適用外になるので、大変負担が重い。

ここには例外があるんだけど、保険診療の仕組みが足かせになっているという人もいる。

ただ、やっぱり安全性とか考えると、すでに確立している治療法がよいケースは多いみたいなんだよね。


アメリカでのオキシコンチンの問題は、医師・薬剤師の裁量が大きいがゆえということなんだけど、

それで製薬会社が責任を問われるっていうのは、情報提供の仕方に問題があったってこと。

製薬会社にとって厳しいような気もしたんだけど、どうしてもアメリカの仕組みだと製薬会社の情報提供が問題になりやすく、

オキシコンチンの有用性を過大に広告し、依存性のリスクを過小に広告したっていうのは問題だったと。

日本だと国から効能追加の承認を得るところで歯止めになるだろうけど、アメリカでは事実上必須ではないということなので。


Author : Hidemaro
Date : 2019/09/25(Wed) 23:58
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