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準用河川ってなんだ?

小さな橋を渡るところに、川の名前を書いた看板があったので、

ちらっと見てみたら「準用河川 ○○川」とあった。

準用河川って書いてあるのは初めて見たような気がするなぁ。


一級河川、二級河川と並べられると、一級河川は二級河川に比べて重要度が高いように見えるが、実はそうではない。

一級河川と二級河川の違いは、その河川が一級水系に属するか、二級水系に属するかというだけの差で、

一級水系は国が、二級水系は都道府県に治水の最終責任があるけど、

そうはいっても一級河川の全てが国管理というわけではなく、主要な区間以外は都道府県管理になる。

かつて住んでいたのは山間部なので、市内の主な河川は全て一級河川で、

半分枯れ川みたいなところにも「一級河川」と書いてあって、「こんなのも一級河川かよ」って言う人もいたが、

一級水系に属する河川なので一級河川ってだけで、これよりも重要度の高い二級河川はいくらでもある。


一方で、準用河川と普通河川という区分もある。

普通河川は河川というよりは水路と言った方がいいかもしれない。

不動産の世界では法定外公共物というジャンルになり、里道(行政の管理する道路でも私道でもないもの)と同じような扱いだ。

一方で、準用河川は市町村が河川法の規定を準用すると定めた河川で、

一級河川・二級河川に含まれない河川は、そのままではただの水路という扱いになってしまう。

でも、市町村がただの水路ではなく、河川として扱うべきと判断すれば、準用河川にすることができると。

準用河川はそれが直接海に注ぐ単独水系の場合もあるけど、大抵は一級水系・二級水系の末端区間になっている。


実際、このとき見た準用河川を地図で見てみると、少し下流からずいぶん立派な川になり、そのうち一級水系の本川に注いでいた。

管理する市のWebサイトを見ると、この看板の地点から少し下流に行ったところからは一級河川として都道府県管理区間になっていた。

一方で看板の地点より少し上流に行くと、そこからは準用河川ではなく普通河川となっているとある。

一級河川の端からしばらくの区間は準用河川として市町村管理の河川として扱っているものの、

さらに末端に行けばただの水路になってしまうわけですね。

そう考えると微妙な話だなと思うんだけど、準用河川もいろんなパターンがありますからね。


確かに地図で川を追っていると、どこまでが一級河川? 準用河川? 普通河川?(というか溝)っていう疑問は出てくる。

管理者が看板を付けていればわかるんだけどねぇ。

国・都道府県はそこそこ看板を付けるけど、市町村が看板を付けるかというとなんとも。

そう考えると「準用河川 ○○川」というのは珍しい看板なのかもね。

あまり市町村レベルで河川の管理をしている事って知られてないよね。僕も最近まで知らなかった。

実は細々としたところでは市町村もやってんだよというアピールとしてはいいと思う。


一級河川、二級河川の区間が変わることも時々あるみたいね。

準用河川・普通河川だった部分が治水工事の対象になると、一級河川・二級河川に新たに指定されることがあると。

変わったところでは、利根川から荒川へ水を送る 武蔵水路 はもともと利水用の設備ということで、河川ではなかったが、

近年、内水排除の機能を強化したことを受けて、2016年に一級河川(利根川水系)への指定が行われたそうで。

水が流れているところをどう扱うかというのは、意外と裁量の余地があるんですね。


ただの溝なのか、河川なのか、用水路なのか、下水道なのか。それはその用途、整備の経緯から決められるわけだ。

雨水に限れば開渠の下水道というのも想定されるし、それとは逆に地下河川というのもある(利根川水系の首都圏外郭放水路など)。

下水→河川はあっても河川→下水はないとか、川から利水施設に流すのが主なら用水路だが、川に水を捨てる目的を持つと河川か下水道かなぁとか。

溝は河川や下水でないにしても、どこかで河川か下水に流れ込む。境界が明らかな場合もあるが、明らかではないこともある。

難しいですねぇ。


Author : hidemaro
Date : 2017/11/30(Thu) 21:58
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路線バスなのに白いナンバープレート

自転車で走ってると、バスのケツを追うように走ることもあるわけだけど、

前のバスを見て、ナンバープレートが白色に見えて、自家用バスかなと思ったが、どう見ても路線バス。

それで改めて見てみたらラグビーワールドカップのナンバープレートだった。


特別仕様ナンバープレート申込開始 ~ラグビーワールドカップ2019の成功に向けて~ (国土交通省)

これがそのナンバープレートの申込開始時の発表内容なのだけど、

下のナンバープレートの例を見ると、事業用も軽自動車も白基調のナンバープレートになっている。

とはいえ、事業用は見た目で区別できないと不都合ということで、緑枠にすることで事業用を表している。

確かにバスについていたナンバープレートは緑枠があったので、ちゃんと事業用のナンバープレートだね。


なんで通常のナンバープレートと色のポリシーが違うのかという話だが、

このために用意されたのが白基調のデザインだけだったからということらしい。

なので、黄色基調のデザインで記念ナンバープレートが作られれば、

軽自動車も小型自動車・普通自動車も、自家用も事業用も全て黄色のナンバープレートになりうるということか。

今のところ、ラグビーワールドカップと2020年の東京オリンピック・パラリンピックの2種類しかなく、いずれも白基調になっているのだが。


このナンバープレートを付けていたバス会社は調布市に営業所があって、このバスも調布市の営業所所属なんじゃないのかなぁ。

調布市は2019年のラグビーワールドカップの会場となる都市の1つだ。

というか、開会式・閉会式を行うのが調布市の味の素スタジアムだから、実質メイン会場ですね。

おそらくそういう地縁があることが、ラグビーワールドカップのナンバープレートを付ける動機になっているのではないだろうか。

この記念ナンバープレートには背景に絵柄が入ったタイプと、ワンポイントだけの2タイプがあるのだが、

絵柄が入ったタイプは寄付金を納めた場合に限って使えるもので、そちらを選んでいたので、このバス会社は寄付金を納めていると。


で、この寄付金って、大会主催者に入るのかと思ったが、そうでもないらしい。

日本デザインナンバー財団というところに寄付して、これが交通の利便性・安全性向上に関する事業に使われると。

直接、大会のためにというわけではないのだが、一応、大会関係の交通整備にも使いますよとは言っている。

そこの趣旨が正しく理解されているのかなというのは気になるところ。

一方で寄付金は最低1000円でOKということで、寄付金付きだからといってハードルが高いわけでもなさそう。

というかこれなら寄付金なしという選択肢必要だったんですかね?


ところで、自家用と事業用の区別は緑枠を付けることで対応したが、軽自動車については特に区別の方法を用意していない。

それでいいの? って話はあるんだけど、他にも区別方法があるのでよしとなったようだ。

他の区別方法というのは、ナンバープレートの分類番号(2桁または3桁の数字)で、一定のルールで判別できる。

ナンバープレートの色を変えていたのは有料道路の通行料区分を判定するためという事情もあったようだが、

そもそもETCが普及しているし、人がやるにしてもナンバープレートなどから自動的に車種を判定する仕組みが使われてるはずなんだよね。

そもそも色で区別できるのは軽自動車か小型自動車 or 普通自動車の区別だけで、

小型自動車または普通自動車 を 普通車・中型車・大型車・特大車の4区分に分類するのはまた別のテクニックがいる。

基本的にはナンバープレートの分類番号を見ることで区別できる仕組みだが、大型車・特大車の区分はそれだけではできないかも。

というわけで、色で区別がつかなかったとしても、従来の延長線上で軽自動車の判定は可能なのでOKということ。


事業用のナンバープレートが全面緑色から緑枠になることについては、区別法が変わったというだけの話ではある。

とはいえ、「白タクにご注意」とか注意書きを見ることある通り、やっぱり手っ取り早い区別方法として定着してるんだよね。

この記念ナンバープレートが緑枠があるとはいえ白っぽいのは、タクシーにとっては死活問題かも。

と思って調べたら、やっぱりそういう問題が起きているようで。

ラグビーワールドカップ2019開催記念ナンバープレートについて (日個連 東京都営業協同組合)

バスは大丈夫だと思うんだよね。路線バスを偽装する会社は考えにくいし、貸切バスにしても飛び乗るようなものではないので。

ただ、タクシーは紛れると分からないという懸念はある。白タクにタクシーメーターがあるとは思えないけど、とはいえ……


Author : hidemaro
Date : 2017/11/29(Wed) 23:16
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日本の震度は韓国にあてはめられない

11月15日に韓国で観測史上2番目の規模の地震があった。

といってもM5.4と言われると、日本の感覚では、確かに強い地震ではあるけど、わりと起こるからなぁという感想になる。

ただ、朝鮮半島は地震が少ないので、地震対策も徹底されておらず、家屋などへの被害も多く見られたとのこと。


とはいえ、地震の規模で言われても、実際の揺れはわからない。

最大震度どれぐらい? と調べたところで気づいたのだけど、日本と韓国では震度の尺度が違うんだよね。

日本の震度は日本の気象庁独自の指標で、それに対して韓国ではメルカリ震度階級という世界的にも一般的な方式を使っている。

ニュースによれば、最大震度は日本の震度4程度ではとのことだったが、単純に換算できるものでもないらしい。


メルカリ震度階級と日本の震度には根本的に大きな差がある。

それは、メルカリ震度階級は人が判定し、日本の震度は機械で測定するものということだ。

日本でも1996年までは人が震度の判定を行っていた。

ところが1995年の兵庫県南部地震などの巨大地震で、判定にばらつきがあること、時間がかかることが問題になった。

もともと地震計の設置は進めていたし、その測定結果を震度判定の参考値には使っていたらしいのだが、

さらにその考えを進めて、震度の判定は全て機械的に行うことに改めたのが1996年だった。

機械化されたことで、測定点の数は大きく増え、迅速に震度の情報が手に入るようになった。

とはいえ、震度の判定を全て機械的に行うなんてことをやっているのは日本ぐらいで、

震度は最終的には人が決めるものというのが世界的な認識なのだろうと思う。


では、日本の震度はどうやって機械的に測定されるか。

これがけっこう複雑で、3軸の加速度測定結果についてフーリエ変換した上で、周波数空間でのフィルタ処理を行って、

逆フーリエ変換で時間空間に戻して、3軸分を合成し、所定の条件を満たす加速度を求め、これを対数スケールに取り直したものが震度だ。

計測震度の算出方法 (気象庁)

なぜこのような複雑な処理をするかというと、単純に最大加速度を取るだけでは、被害の実態と合わないからだろう。

震度は単純な地震の強さではなく、被害の程度も表せる必要がある。

もともと人が判定していた意図もそこにあったのだろうが、気象庁では過去の知見などから数値処理での震度計算法を確立したのだ。

このような計算の結果求まる震度は 5.1 とか小数で出てくるが、これを四捨五入した物を震度と呼んでいる。

ただし、震度5と震度6については同じ震度でも被害の程度に差が大きいということか、強・弱に分けて示すことになっている。(5.1だと5強になる)


韓国に地震計がないということはないでしょうけど、一方で地震の発生頻度が低いので、網羅度はそこまで高くないのでは?

メルカリ震度階級であれば、気象官署の職員の体感と、実際に起きた被害の程度を観測すれば、それで震度が確定できる。

発生頻度が低いという前提に立てば、これでいいんですよ。

むしろ日本のように地震が多発するがゆえ、判定のばらつきや、判定にかかる時間が問題視されるなんていう方が異常というか。


日本でも地域による差はあるが、震度3ぐらいなら年数回は遭遇するので、もはや驚かないというのが実情だ。

国外から来た人だと、震度3程度の地震でもずいぶん驚くようだが、そんなもんなんだよね。

さすがに震度5以上となると頻度はずいぶん減るが、震度5程度だと地震対策が行き届いているのでほとんど被害が出ることはない。

韓国で震度4程度で大きな被害が出たというのは、日本にいると驚くけど、無対策だとこうなるってことなんだよね。

確かに韓国では地震対策という概念がないという話も聞いたことあるからなぁ。


結局は地震の知見がないと、効果的な測定法も、効果的な対策も分からないんだよね。

その点では日本は豊富な経験を持っており、それを生かして地震対策をしてきた。

その知見は日本以外でも使われているのかもしれないが、日本の事情に特化した対策も多くて、

震度測定もその1つなんじゃないかなと。独自方式だが、少なくとも日本では役立っている。

他国の気象機関との情報交換の時には適宜調整してるんでしょうけどね。きっと。


Author : hidemaro
Date : 2017/11/28(Tue) 23:04
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狛江市民は市外局番をしばしば書かない

この前、狛江市に出かけていた。

狛江市は調布市と世田谷区に挟まれた小さな市である。

その小ささは全国2位、そんなんだけど人口8万人もいるんだそうで。


狛江市内で見た看板を見て「あれ?」と思った。

それは 「Tel.3430-1111」 のごとく、8桁の電話番号が書かれた看板がけっこうあったから。

確かに市外局番を省略して電話番号を書くことってあるけど、最近は見る機会減ったと思ってたのに、狛江ではけっこうあった。


ところで狛江市の市外局番ってご存じですかね。

実は狛江市は東京MAの03の市外局番を使っている。

これは諸説あるが、世田谷の電話局から狛江に電話を引いた名残だとされている。

行政上は調布市とのつながりが深い地域とされているが、調布市は武蔵野三鷹MAの042(旧0424)なので、市外通話になる。

今時、そんなに気にすることではないと思うんだけどね。

というわけで、3430-1111 というのを市外局番から言えば 03-3430-1111 となるわけだ。


市内の固定電話からかけることを前提とすれば、市外局番を省略して書くというのは効果的ではある。

とはいえ、市外局番から書いた方が市外の人にも親切だし、あと最近は携帯電話への対応の問題もある。

大量の電話番号を列挙する場合、例えば公共施設の電話番号リストでは今も市外局番の省略を使っているような気はするが。

でも、電話番号1個書くだけなら、もはや市外局番の省略なんてやらないよねぇ。

実際、うちの市内でも市外局番を省略している看板はそう見ない。

市外局番の変更を経験した地域も多いですから、作り替えるタイミングで市外局番付きに変えちゃった地域も多いんじゃないかな。

例えば、調布市だと 0424-88-0110 → 042-488-0110 のような変更をやってるわけなんだよね。

元々「88-0110」と書いていたものに「4」 を書き加えれば一応対応はできるが、どうせなら「042-488-0110」にしておこうという考えは成り立つ。


一方で東京MAは 03-430-1111 → 03-3430-1111 のように「3」を加える変更はあったものの、市外局番の変更自体は経験していない。

狛江で見たわけじゃ無いけど、古い古い看板だと取って付けたように「3」を書き加えたものはあった。

なので、特に市外局番から書き始めるように改めようという動機も乏しかったのだろう。

それと、なにより市外局番なしで通話できる地域がケタ違いに広かったというのもあるでしょうね。

だから、市外局番を意識する機会も少なかったのかも知れない。(でも調布とは市外局番付けないと通話できないんだが)


もはや市外局番の省略なんて積極的に使うことは減ってしまったが、昔はこんなことがあったそうだ。

そして、東京都区内(03局内)の電話番号は9桁で、日常は03を除き7桁で番号を教えあう状況だった。一方、多摩地区および周辺県は10桁だった。

つまり、「田舎者少女」にとって、都区外から来たことがばれてしまう、その歴然とした桁数の差は「恥ずかしいこと」だったのである。

(9桁の電話番号 (通信用語の基礎知識))

確かに昔は生活圏が狭かったから、6桁の電話番号(市外局番4桁の地域だった)で事足りていたよなぁ。

これが、東京というところでは、市外局番を省略した7桁(当時)の電話番号で事足りる地域が広かったので、それだけにギャップが大きかったと。

もはや過去の話とも言えることだが、狛江では未だにその名残がけっこう見られたと、そういうこと。


今にしてみれば、市外局番という足かせのせいで、電話番号逼迫対策がやりにくかった面はある。

携帯電話と固定電話の番号逼迫対策

その結果として柏MA、鴨川MA、所沢MAの3箇所で「04」という市外局番が発生してしまった。

要因は 0と1から始まる市内局番を使えないこと。0471-xx-xxxx → 04-71xx-xxxx となった柏MAはその顕著な例だが。

市外局番の省略を許容しないなら、なんでも敷き詰めればOKなのだが、それができないからとやった結果がこれ。

これでよかったのかなぁ? これらの地域内同士の通話にしか影響しないわけだけど。


Author : hidemaro
Date : 2017/11/27(Mon) 23:15
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日本の計量法は厳しい

国によって法令などによる規制が厳しい・緩いというのはあって、

製品開発の仕事をしているとそういうこともいろいろ聞く。

職場で開発している製品で言えば日本の規制は概ね緩いという認識ではあるが。


逆に日本の規制が厳しいものもあるんだけど、そういや計量法ってかなり厳しい規制だよなと思った。

日本の計量法は世界的に見てもかなり強力なものだろうと思う。

というのもこの法律により、日本では非SIの単位はほぼ駆逐されたのだから。

世界的に見てもここまでSI単位が定着している地域は珍しいが、それだけ計量法は世界的にも厳しい規制ということだ。


計量法は取引・証明に使う量を計ることについて、測定単位、計器の検定などのことを定めている。

家庭ごとに設置されているガスメーター・水道メーター・電力量計は定期的に交換するが、

取引に使う量を測定する装置ということで検定が必要で、検定切れ前に交換をしているということだ。

肉屋のはかり とか タクシーメーター とか、こういうのも定期的に検定を受けている。

そしてこれらの計器で使える単位というのも計量法で決められたものに限られているのだ。

これがかなり厳しくて、計量法で定められていない単位を併記することも許されていない。(cf. 計量器に関する規制 (経済産業省))


そして、使える単位は一部を除いてSI単位になっている。

計量法に基づく計量単位一覧 (Wikipedia)

SI単位があるにもかかわらず非SI単位の使用が一般的に許されているのはわずかにこれだけ。

回転速度 : 回毎分(rpm),回毎時(rph) [SI単位: ラジアン毎秒(rad/s)]

圧力 : 気圧(atm) [SI単位: パスカル(Pa)]

粘度 : ポアズ(P) [SI単位: パスカル秒(Pa・s)]

動粘度 : ストークス(St) [SI単位: 平方メートル毎秒(m2/s)]

濃度 : 質量百分率(wt%), 体積百分率(vol%), pHなど [SI単位: モル毎リットル(mol/L), グラム毎リットル(g/L) など]

pHが濃度の単位にあるのが不思議だけど、水素イオン濃度指数だからそれでいいのか。

非SIと言われても、大半はSI単位が基礎にあるもので、明らかにSIじゃないのは気圧ぐらいかもねぇ。


一部の分野に限り使用が許容されている単位というのもある。この中には「えっ?」と思うのもあるかも。

まず熱量の単位としてのカロリー(cal)、これは 人・動物が摂取するもの、代謝で消費する熱量の単位以外では使うことができない。

だから、ガスの熱量とかにcalを使うのは禁止されているんだよね。

確かに東京ガスも13Aのガスの熱量は 「1m3あたり45MJ」と書いている。(cf. 都市ガスの種類・熱量・圧力・成分 (東京ガス))

アール(a)・ヘクタール(ha)はメートルを基礎とした単位だが、土地の面積の単位としてしか使えない。

ちょっと厳しい気もするが、そもそもこのオーダーの面積って土地の面積ぐらいしかないだろうから、実用上はあまり問題ないのかなぁ。

圧力の単位、水銀柱ミリメートル(mmHg)は血圧の測定、生体内の圧力の測定に限り使うことができることになっている。

血圧の単位がmmHgだと知らない人はけっこういそう。もともと水銀柱で測定していた経緯もあってこの単位が使われている。

もしも、血圧計を一般の圧力表記に合わせてkPa表記(ex. 110mmHg=14.7kPa)などした日には医療現場は大混乱だろう。

ゆえに許容されているのだが、逆に言うと医療現場以外では圧力はPaまたはatm表記にしなければならない。


日常生活ではあまり使わないけど、飛行機・船は国際的慣例を重視して非SI単位も許容される傾向にはある。

海・空の距離を表す海里(nm)、船・飛行機の速度を表すノット(kt)、船の体積のトン、どれも日常生活では使わんね。

その他、飛行機関係についてはヤードポンド法の使用を広く認めている。これも国際的慣例を考慮したものだろう。

貴金属の測定も独特で、宝石のカラット、真珠の もんめ 、金貨のトロイオンス なんていうのが許容されている。

もんめ は尺貫法由来の単位で唯一残っている。世界的にも真珠の重さは もんめ で表すので、許容しているようで。

金貨はトロイオンス表記を許容しているが、金地金はグラム単位での表記をすることになっているから、本当に金貨に限った話だ。


こうして日本では尺貫法は駆逐されたわけだが、そうは言っても部分的には残ってるんだよね。

例えば体積を表す 合・升・斗、取引には使えない単位だが、一合枡、一升瓶、一斗缶 というのはある。

でも、一升瓶って表記上は 1.8L と計量法で使えることになっている単位を使ってるよね。

尺貫法の体積の単位は比較的残ってはいるが、全て L などの単位に置き換えられているから問題ない。

面積の単位の坪は未だに残っているが、必ずm2単位での表記を併記している。「3.3m2(1坪)あたり」とかね。

ただ、それ以外はほとんど計量法の単位に置き換えられちゃったんだけどね。


日本の計量法が厳しいので、日本仕様だけ表示できる単位が少ないという話がある。

温度表示できる機器があって、機能的には℃, °F の2つの表記に対応しているのだが、

日本仕様では °F への切替は封印されている。かならず℃で使わなければならない。

他の機器でも日本仕様は圧力の単位として kgf/cm2 が使えないとか、そういうのがあるんだよね。

用途次第なので、場合によっては解放されることもあるとか聞いたこともあるけど、一般的にはそうなんだと。

他の国でそういうのってないんかね? 少なくとも世界の主な地域では聞かないんだけどさ。


Author : hidemaro
Date : 2017/11/26(Sun) 22:36
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インターネット時代の放送局とはいえ

以前、アニソンHOLICの話を書いたときにインターネット受信のことしか書かなかったなぁと。

突如現れたアニソン専門チャンネル

でも、カーラジオ以外だと地上波でやってることに価値は見いだせないし、それが全てだと思うんだよねぇ。

未来のラジオは見るものだと思っていた

カーラジオにそういう新しい選択肢ができますよというのは、価値があると書いておけばよかった。

でも今はほとんどのリスナーはインターネット受信モードで聞いてると思いますが。


インターネット時代の新しい放送局というのもいろいろだなと思ったんだけど。

その中で僕が注目しているのが3つの放送局だ。

1つ目が 文化放送 超!A&G+、今年で10周年とのこと。もはやこの世界では老舗ですね。

もとはデジタルラジオ試験放送から始まり、現在はインターネットのラジオ局となっている。

超!A&G+以前、インターネットラジオは蓄積型が主で、番組表に従いストリーミング配信を行う形式は新しかった……と思う。

文化放送というアニメ・ゲーム関係の番組に強いラジオ局で、地上波とも連携しつつ番組を充実させていった。

映像付き番組があること、全国放送であること、深夜帯以外もアニメ・ゲーム関係の番組に充てられることが特徴でしょうかね。

映像付きでラジオというのはおかしくないかという人もいるが(cf. 未来のラジオは見るものだと思っていた)、その低予算っぷりはラジオそのもの。


2つ目が AbemaTV、CyberAgentとテレビ朝日の合弁会社が2015年からやっている。

その特徴は本格的なインターネットテレビ局であることで、自社スタジオを有し、多くの自主制作番組を作っている。

これはびっくりしたんだけど、来年には本格的な連続ドラマを自主制作で作るそうで。

AbemaTV初のオリジナル連ドラ「#声だけ天使」2018年1月放送! “声優志望”の若者たちを描く青春群像劇 (ITmedia)

それだけじゃぶじゃぶとお金をつぎ込んで回収できているのかという疑問はあるが、現状はさっぱりですかね。

CyberAgentは既存事業で利益が上がっているので、それをAbemaTVへの投資に費やしてると。

その投資というのはインフラというよりはコンテンツで、とてつもないやる気を感じる一方で、何やってんだという話もある。


3つ目が i-dio 、TOKYO FMを母体としてV-Lowマルチメディア放送として2016年からスタートしている。

地上波のカバレッジはまだ低く、受信機もイマイチ、地上波として成功するか否かはカーラジオが全てではないかと思っている。

一方でインターネット受信モードもあり、エリアも受信機がイマイチな現状としてはこちらがメインだろうと。

音楽を高音質に聞けるということを軸にしてチャンネルも組み立てられている。

なにしろ母体がFMラジオ局ですからね。音重視だと。ノンストップ音楽番組がほとんどを占めるチャンネルも多い。

放送局の理解としてもi-dioはインターネット時代の放送局だと言うことで、SNSとの連動を重視しているとのこと。

Listen, Watch & Share as One! TS ONEから広がる新時代メディアの広告コミュニケーション (i-dio)


いずれも既存の放送局がバックに付いているということに気づく。

超!A&G+は文化放送の事業の1つだし、AbemaTVはテレビ朝日と提携、i-dioは実質的にはTOKYO FMと一体になっている。

やはり結局は既存の放送局は強いという話になるんですね。

一方でインターネットの放送局にどうやって順応するかというのも大切なポイントではある。

超!A&G+は地上波でやってたようなトーク番組を充実させる一方、映像付きの生放送番組を充実させていった。

AbemaTVはアニメ・スポーツに多くのチャンネルを用意し、既存放送局とは違った切り口でニュース・バラエティ番組を充実させている。

アニメもスポーツも既存の放送局では手が届かないところをうまくやってる気がする。あと全国放送なのもいいよね。

i-dioはまだ駆け出しだが、SNS時代の新しい音楽の楽しみ方を目指しているのかも知れない。うまく行くかは知らないが。


こういうポイントを抑えていれば、既存の放送局でもインターネット時代に適合するかもという話はあって、特にラジオだよね。

ラジオは放送区域がゆるい、基本的に音だけなのでインターネット配信に向いているとかあるんでしょうけどね。

あと、古くははがき・FAX、今はE-mailで双方向にやりとりする文化もSNS時代に会っていると。

NHKとかけっこういろいろやってるなぁと思いますけどね。

別に新しい放送局をでっちあげる必要はないのだが、チャンネル数を増やせることに意味があるというのもありますので。

特にAbemaTVの物量作戦はBSでもやらないレベルなので。


Author : hidemaro
Date : 2017/11/19(Sun) 23:53
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国立大ホールってなんだ?

横浜のみなとみらい21地区に パシフィコ横浜 という展示場がある。

展示場としては20000m2というのはそこそこ広いが、観点による。

みやこめっせ(京都市) の倍以上といえば広いが、インテックス大阪や幕張メッセ(千葉市)の3割と言われると狭い。

用途次第ですかね。大規模な展示会を同時に複数やるとかそういうことはできないよって話かね。


パシフィコ横浜は展示場とともに国際会議場の機能も備えている。

この国際会議場部分を構成するのが 国立大ホール と 会議センター なのだが……

いつもこの「国立大ホール」ってなんでそんな命名なんだろって気になってたんだよね。

国立大/ホール と切るのかと思ったが、ネーミングライツを売ったという話も聞かない。(確かに横浜市には横浜国立大学があるけど)


この答えはパシフィコ横浜のWebサイトに明確に書かれていた。

東日本唯一の「国立」の会議場は二枚貝をイメージした外観が特徴的な、パシフィコ横浜を代表とするメイン施設です。

(国立大ホール (パシフィコ横浜) )

えっ、国立の会議場なんてあったの!?

そう、この意味は単純に 国立/大ホール でよかったのだ。

英語表記だと National Convention Hall of Yokohama ですからね。そのままですね。


日本にはもう1つ国立の会議場がある。

それが 国立京都国際会館、確かにあれ国立って付いてたな。

多くの国際会議が行われてきたが、その中でも有名なのが 第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)、京都議定書が締結された会議ね。

その歴史は古く1966年に日本初の国立の会議場として開業した。

京都という土地柄、国際会議の舞台にはいいところという考えもあったのだろう。


それに続く2つ目の国立の会議場がパシフィコ横浜だったようだ。

ただし、国立といっても施設の所有者は 株式会社横浜国際平和会議場 という横浜市・神奈川県などが出資する会社だ。

たいていの国際会議場・展示場は公共施設として行政が所有している。

例えば、グランキューブ大阪は大阪府の施設だし、東京ビックサイトは東京都の施設だ。

もう1つの国立の会議場、京都国際会館は国の施設だ。

国の計画として、横浜に国際会議場を整備すべきというのはあったのだが、整備したのは国ではなく会社だったと。

そう考えると「国立」ってなんだって思うけどね。


これを調べていたときに驚いたんだけど、国立大ホールの座席数って最大5002席もあるらしい。

ホールって2500席超えるとかなり広い部類という印象があった。

関西だと一番広いのがグランキューブ大阪のメインホールだと思うんだけど、これが2754席だ。

その倍に近いって何事!? って思ってしまうよね。

5000席クラスのホールというのは世界トップクラスに広いらしいが、日本にはもう1つ、この規模のホールがある。

それが東京国際フォーラム ホールAで、これが5012席だ。

ここに出てきたどのホールも実際に入ったことないから、どんなものかは知らないんだけどね。


Author : hidemaro
Date : 2017/11/15(Wed) 23:02
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半日とはおおざっぱなことを言う

労働組合の仕事で、職場に説明するために制度の説明を受けてたんだけど、

そこで「半日」という言葉が出てきて、半日ってのもいい加減な言い方だよなぁと思った。


有給休暇を半日単位で取れる制度がある。

この半日というのは昼休みより前か後ろという意味だ。

職場にもよるのだが、うちの職場は社内でも昼休みが早いことが知られている。

これだと午前は3時間強、午後は4時間半ぐらいになるので、明らかに午後半休の方がお得だと。

厳密に所定労働時間の半分の時間を半休と定義している会社もあるだろうし、午前・午後の時間差が小さい会社もあろうと思う。

ただ、うちのように午後半休が明らかにお得な会社ってけっこうあるんじゃないかなぁ。


もう1つ、複雑なのがフレックスタイムという制度があること。

フレックスタイムで出退勤時刻を動かすのと、半日休みが組み合わさるとどうなるか?

  • 午前休み(出勤=昼休み明け) : 事業所所定の終業時刻を基準にフレックスタイムのプラス・マイナスを考える
  • 午後休み(退勤=昼休み開始時) : 事業所所定の始業時刻を基準にフレックスタイムのプラス・マイナスを考える

ってことでしょうかね。

本来は決めた始業時刻から所定労働時間を経過したところから、フレックスタイムのプラス・マイナスを考えるはずなんですけどね。

例えば、所定労働時間7時間45分、昼休み45分の職場で始業時刻を8時と決めれば、

16時30分に対して退勤時刻が前ならマイナス、後ろならプラスのフレックスタイムになるということ。

ちなみにこの時点で定時後の休憩を取っていない場合は、この時間から定時後の休憩を取るというルールもある。

(逆に出勤時刻を遅らせた場合、所定労働時間に達する前に定時後の休憩が来るが、それは普通に休憩になる)


なんにしても半日という考え方はわかりやすそうで、いろいろ突き詰めると不都合が見えてくる。

一方の時間単位有給休暇は、厳密に時間で定義される。

なのでフレックスタイムとの相性がよくて、出退勤時刻を動かした上で、所定労働時間に満たない分を休暇で埋めるというのも簡単にできる。

例えば、10時に出勤して、労働3時間45分+昼休み45分で14時半に退勤したとする。

ここで、この退勤時刻から4時間の時間単位有給休暇を取ったということにすれば、この日のフレックスタイムは±0時間となる。

4時間というと半日とも言えるが、半日休暇ではこういうことはできませんからね。


フレックスタイムのなかった時代だと半日ってのはわかりやすかったんだろうけどね。

実際、工場などフレックスタイム適用除外の職場では、特別な事情がない限り、所定始業・終業時刻を割り込むのは半日が最低単位のはず。

今回、説明を受けた制度も、おそらくはフレックスタイム制がない時代にできた制度のような気がするな。

かなり特殊な制度で、適用例もあまり多くはなさそうなんだけど、

フレックスタイムとの組み合わせを想定すると、当初の想定とは違う結果になりそうだなとか。

今は適用例の少ない制度だが、うまくリニューアルすると、役立ちそうな気もするが……どうだろ?


Author : hidemaro
Date : 2017/11/09(Thu) 23:26
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その昔、荒川と利根川は一緒だったが

おととい「荒川・利根川水系」とうっかり書いたけど、この2水系を一緒にして扱うのは利水の話で、治水はそうじゃないよねと。

利水でこの2水系が一緒に扱われるのは、武蔵水路の存在が大きい。

武蔵水路について (水資源機構 利根導水総合事業所)

埼玉県・東京都への水道用水供給と、隅田川の水質改善(利根川からの水を足して流量を確保する)を目的としている。


でも、実はもともと荒川と利根川って同じ水系だったらしい。

どういうこと? って調べたら驚くべきことがわかった。

川について知る (江戸川河川事務所)

そもそも、現在の利根川水系の流れはこのようになっている。

利根川: 群馬県みなかみ町→羽生市→古河市(渡良瀬川と合流)→茨城県五霞町(江戸川と分岐)→銚子市
江戸川: 五霞町(利根川から分岐)→江戸川区(河口付近で旧江戸川と分岐)
渡良瀬川: 日光市→古河市(利根川に合流)
中川: 羽生市→越谷市(大落古利根川と合流)→葛飾区(新中川が分岐して旧江戸川に合流、中川自身はそのまま河口へ)

そういや江戸川って何なんだろ? とは思ってたんだけど、利根川の分流という位置づけなんですね。

利根川本川はなんと銚子に向かっていたわけだ。

群馬県・栃木県からの水が主には銚子に向かうというのは違和感があるが、それが今の利根川である。


これがもともとはこんな流れだったらしい。

利根川: みなかみ町→羽生市→(現:大落古利根川)→越谷市(荒川=現在の元荒川と合流)→(現:中川)→江戸川区
荒川: 秩父市→熊谷市→越谷市(利根川=現在の中川と合流)
渡良瀬川: 日光市→古河市→(現在の江戸川=かつては太日川と呼ばれた)→江戸川区
常陸川: 茨城県境町→香取海(→銚子付近で海と交わる)

下流部は今と何一つ合わないというのがすさまじいが。

これが江戸時代に行われた治水事業により、利根川の負荷軽減が図られた。

  1. 羽生市付近の利根川と古河市付近の渡良瀬川の間をつないで、利根川の水を太日川(=江戸川)に流すようにする
    かつての羽生市付近より下流の利根川は 大落古利根川~中川 となる
  2. 熊谷市付近で荒川と吉野川(→市野川→入間川)の間をつないで、吉野川~市野川~入間川を荒川にする
    かつての荒川は 元荒川 となる
  3. 古河市付近の利根川を五霞町付近を経て境町付近から常陸川につないで、常陸川を利根川にする(太日川=江戸川は舟運のために水は流している)
  4. 五霞町から江戸川へ直行する短絡ルートを作り、利根川・江戸川の分岐点を古河市付近から五霞町付近にする

以上の結果、荒川は入間川水系と結合され、残る利根川水系は香取海を経て銚子へ向かうルートと、江戸川を経て東京湾へ向かうルートができた。

香取海というのはかなり広大な内海だったのだが、利根川から流入する土砂が堆積し、大きな内海はだんだんと埋まっていき、

それでも湖として取り残されたのが霞ヶ浦や印旛沼の湖沼ということだそう。


一方でかつて川だったところは、江戸川は別として、上流から切り離されたが、

雨水や農業排水、下水の流入があるので、大落古利根川・中川や元荒川のような中小河川として残っている。

これらの流域は低い平地ということで大雨になってもなかなか水が流れず、その結果として洪水被害に悩まされることになった。

上流と切り離されたから上流からの水は引き受けなくなり、流れる水の量はぐっと減った。

でも、中流・下流部に降った雨を流す役目は残っている。だから一定の流下能力は必要なのだけど、周辺の都市化が進み、改良も難しい。

そこで取られた対策が首都圏外郭放水路の建設だった。

概要 首都圏外郭放水路とは (江戸川河川事務所)

倉松川・大落古利根川・中川などの中小河川から洪水時の余剰な水を引き受け、地下水路を経て、江戸川に安全に放流するわけだ。

先週末の大雨でも活躍し、過去の同規模の大雨と比べても浸水害を大幅に抑えることができたとのこと。


大阪平野でも似たような話はある。

大和川はかつて柏原市付近から現在の長瀬川~第二寝屋川~寝屋川~大川(旧淀川)と流れていた。

これを柏原市付近から堺へ向かうように付け替えを行った。

これにより奈良盆地からの水を比較的安全に流せるようになった。

一方で寝屋川流域は低地が続き、中小規模の河川の流下能力が不足し、洪水被害に悩まされた。

これも対策の切り札は地下河川で、寝屋川北部地下河川寝屋川南部地下河川の事業が進んでいる。

現在は部分的に完成し、下流への排水はできないが、貯留はできるということで、洪水被害の軽減に役立っている。


ところで、○○水系という言い方があるけど、実はこれってけっこう難しいんだよね。

利根川水系だと利根川本川とそれに合流する河川(渡良瀬川など)が属するのはわかりやすい。

利根川から分岐して下流側に来る江戸川も利根川水系というのもまぁわかる。

ただ、中川はそれ自身が海に流れ込むにもかかわらず、新中川(中川放水路)が旧江戸川に合流するということで利根川水系になる。

すなわち利根川と中川の関係はお互いに分流の分流の上流の上流と言う位置づけになる。

これ、新中川でつながってなかったら中川水系という独立した一級水系(複数の都道府県にまたがる場合は通常そうなる)になってたのかね?

現状の中川は江戸川と一体的に治水対策が行われているわけですが。(歴史的に旧利根川を含むというのもあるんだろうけど)


Author : hidemaro
Date : 2017/10/29(Sun) 19:45
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ダムがとても絞った

先週末、近畿地方では台風による大雨で、川が増水して大変だったわけだが、

そんな中で少しでも被害を防ごうともがいてたのがダムである。


淀川水系のダムの多くは水資源機構が管理していて、台風のときは防災操作の速報が掲載される。

ダムの計画というのは、百年に一度とかそういうレベルの大雨を想定して作られている。

実際の大雨が想定より上だと、ダムは洪水を防ぎきれないことになる。

こういう場合は仕方ないのでダムは流入量と流出量を同じにする。これを、ただし書き操作というそうだ。

下流にはダムがないときと同じだけの被害が出るが、一方でダムが満杯になるまで時間稼ぎはできるので、

その間に避難するなどの対策は取れるから、ダムが全く無意味というわけでもない。


逆にダムの計画を下回る洪水だと、普通にダムで受け止められるわけだが、

状況によってはそれでも洪水被害が発生することがある。

下流の流下能力が低かったり、他の河川からの流入が多いとか、そういうところが要因ではないだろうか。

このような場合、計画以上にダムの流出量をしぼることが行われることがある。

通常の防災操作より絞るということで 特別防災操作 というそうだ。

※特別防災操作とは、下流河道の整備状況を勘案し、中小規模の洪水を対象に、操作後の貯水容量に余裕があると判断した場合には、ダムの洪水調節容量をより効果的に・効率的に活用し、貯留量を増やして放流量を低減させることで下流の被害を軽減すると操作のことです。

(水資源機構 関西・吉野川支社 淀川本部)


具体的にはどういうことか。桂川の日吉ダムの例を見てみる。

日吉ダム台風21号に伴う洪水に対し防災操作を実施~桂川の河川水位を低減~ (pdf) (水資源機構)

桂川では水位が上がり危険な状態だった。

そのため日吉ダムでは本来150m3/s流すべきところ、最小で15m3/sまで絞る特別防災操作を行った。

とんでもない絞り方だが、ダムで制御できない他の河川からの流入を考慮すると、これぐらいやる必要があると判断したのだろう。

この結果として、桂川では大きな被害を出さずに済んだのだった。


しかし、特別防災操作というのはリスクのある行為でもある。

というのも絞りすぎて、本来は百年に一度とかの洪水に耐えるはずのダムが満杯になってしまったでは本末転倒だからだ。

一方で通常の防災操作では防げない洪水というのもあり、可能な限り救ってあげたいという考えもある。

なので、今後の雨の予想から、どうすれば救えるのか、どこまでならダムが耐えられるかというのを考えてるんですね。

上流に複数のダムがある場合は、それぞれで流すタイミングをずらしたり、余裕のあるダムに絞ってもらったり、そういうこともやる。

淀川水系のダムの防災操作を見ると非常に頭を悩ませながらやった跡が見えることが多い。


淀川水系は琵琶湖やダムが多数あることもあって、渇水というところで悩むことは少ない気がする。

開発しやすい河川だったということか、流域外への水道供給も多く行っている。

ダムは多目的ダムとして洪水調整の役目も持っており、このような形で活躍している。

逆に開発の余地が少なくて、渇水にも洪水にも悩まされるのが大和川水系なのかな。

渇水対策は吉野川(紀の川)や木津川を開発することでなんとかしたが、洪水対策はどうしょうもないよね。

荒川・利根川水系も関東平野が平べったいからこういう問題あるんだよね。なかなか厳しい。


Author : hidemaro
Date : 2017/10/27(Fri) 23:33
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