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電力計がちょうどよい

ICの消費電力を推定したいという話があって、

ICの足で電力を測定できればよいのだが、それはなかなか難しい。

1つのICに電源端子がいくつもあったり、ICの足で消費電力を測定するのは難しい。

そこまで厳密な測定はいらないので、プリント板の入口で電力を測定すれば、推定できるんじゃないかという話になった。


プリント板の電源入力のところにヒューズが入ってるので、

ヒューズに直列に電流計を挿入できるように細工をして、マルチメーターで電流を測定した。

測定は出来たが、これって妥当な結果なのかな?

ということで設計者に確認してみると、設計上の最大消費電力の半分以下ではあるのだが、桁が違うほどではない。

ただ、動作条件に対する消費電流の変化が想定と異なったので、どうしたもんかと。


そこで判明したのだが、測定対象のICに供給する電力を作るのに、スイッチングレギュレータを使っているようだ。

プリント板の入力電源電圧とICの電源電圧が違うことは知っていたのだが、

リニアレギュレータで電圧をドロップさせているのかなぁと思っていた。

だから、ICの消費電力を推定するのに、プリント板の供給電圧はあまり重要ではないと思い込んでいた。

でも、スイッチングレギュレータというのは、入力電圧が変化すると、必要な電力に応じて消費電流が変化する。

ということは、電圧も測定して、電流×電圧で消費電力を出さないと、正しくICの消費電力が推定できないことに気づいた。

測定条件によって入力電圧も変化しかねないですから。


電流と電圧を同時に測定しないといけないけど……というところで電力計を使えばよいことに気づいた。

交流電力の測定だと電力計は必須だが、直流だと電流×電圧で求まるので、必須とまでは言えない。

ただ、1台で電流と電圧を測定できるのだから、まさに適しているのは確か。

電力計なんて使うのは、高専時代の実験以来だなぁなんて思いながら結線していた。

もっとも、あの頃使ってた電力計はアナログの指示計器で、交流しか測定できませんでしたけどね。

職場に置いてあるのはデジタル式で、直流からそれなりに高い周波数までの測定精度が保証されている。

1Wもいかないような電力を測定するには不釣り合いな気もするけど、用途的には全く問題ない。


電力計というのは、電流の測定端子と、電流の測定端子を別々に持っている。

電力計は使い方に応じて、電流・電圧の結線方法がいろいろ変わるので、それぞれ自由に結線できるようにしてあるのだろう。

デジタルの電力計というのは、電流・電圧をそれぞれ測定したのを、デジタルでかけ算・積分して電力を出しているだけのはず。

それを高精度にやるにはデジタル信号処理の工夫もいろいろあるんだろうけど、測定回路としては電流計+電圧計というのが実情ではないか。

アナログの電力計は電流計・電圧計とは測定原理からして違うけど。


条件を変えて測定してみると、電源電圧が条件によって変化するので、

電力計で測定するアプローチは妥当だったようだ。

もっとも、それでも動作条件と消費電力の対応に想定と異なる点が残った。

もうちょっと工夫が必要そうだね。


Author : hidemaro
Date : 2019/08/08(Thu) 23:36
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無償交換への道

四半期決算が出るごとにその内容の社内説明が行われる。

その中で「引当金」を特別損失に計上したことが説明されていた。

とある理由により、製品の無償交換などを行う必要が発生したので、その費用見込みを計上したものだ。

基本的にこういう無償交換などの情報は、ユーザーに個別に説明されるものなのだが、

決算に影響するとなれば、投資家への説明も必要になるので、社外向けの資料にも概略が書かれていた。

こういう形で技術情報が書かれるのは珍しい事例だが、それだけの大ごとである。

もっとも金額としてはむちゃくちゃ大きな話ではなくて、全体の業績に影響するけど……という程度の数字だった。


うちの職場で開発された製品でも、無償交換などの対応が必要になった事例はけっこうある。

ただ、特定の用途で使っている場合に限るとか、特定の地域に限るとか、対象が限定されることが多い。

結果として対象件数0ということもある。

ところが、今回はケタ違いに規模が大きいものである。

この無償交換で、偶発的に低頻度で発生するいくつかの有害事象を解消・緩和される。

これらの有害事象は、ずいぶん前から知られていたのだが、発生時対応でなんとかしてきた。

ところが、最近になって、発生頻度は極めて低いが、影響度の大きな事象が顕在化してきた。

僕はこの話を聞いたときに、正気を疑ったものだが、お金はかかるが、無償交換は総合的にはよい対策という判断があったのだろう。


実は、僕がこの職場に来てまもない頃、無償交換のきっかけになったであろう有害事象を解消する処理を作り込んだんだよね。

当時のチームリーダーにこういう機能を作り込んでくれと依頼され、

「どうしてこんな処理を組み込まないといけないんだろう」と思いながら、設計・実装に取り組んだのだった。

この時点でチームリーダーはこういう有害事象が発生しうるということに気づいていたのだろうが、顕在化はしてなかった。

誰もが半信半疑で組み込んだ対策だったんじゃないかな。

このとき僕が設計した処理は、同種の他の製品にも展開されていると聞いている。


設計に欠陥があったといえばそうなんだけど、設計当初から予期するのは困難だったんじゃないかな。

市場に出てからのフィードバックにより判明してきたことが多いのが実情である。

失敗から学んだ知見が蓄積され、それは確実に対策に生かされているんじゃないかと思う。

学んだ結果として、これといった対策は不要という決断もあるが、それはそれとして。


Author : hidemaro
Date : 2019/08/07(Wed) 23:46
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製油所で大量の水素が消費される

昨日、水素の国内シェアの50%以上をイワタニが握っていると書いたが、厳密には正しくないようだ。

水素で聖火を灯す?

確かにイワタニは販売される水素の50%以上を握っているのはその通りらしいのだけど、

はるかに大量の水素を製造する工場が世の中にはある。しかし、その水素の大半は工場内で使ってしまう。

何だそれは? と思ったかも知れないが、水素を大量に作り、大量に消費する工場というのは製油所である。

なんと日本国内の水素消費の7割は石油精製に使われているという。そして、その水素は自家製造しているという。

産業用ガスとしての水素はごくわずかなのだ。


何に水素を使うのかというと、水素化精製と水素化分解という処理で使うようだ。

原油を精製して作られる石油製品というのは、基本的には炭化水素、炭素と水素が結びついたものである。

原油の中には硫黄や窒素も含まれているが、これはあまりありがたくない。

特に硫黄を含んだ燃料を燃焼させると、硫黄酸化物(SOx)を発生し、酸性雨の原因となるなど問題が多い。

そのため、現在販売されている ガソリン・灯油・軽油 は硫黄分を低減している。

原油に含まれる硫黄や窒素を、水素と結合させて、硫化水素やアンモニアの形で取り出すのが、水素化精製だそうだ。


水素化分解というのは、分子量の大きい炭化水素に水素を加えて、分子量の小さい炭化水素に分解すること。

水素化精製にしてもそうだけど、水素ってのはハサミみたいなもんだね。

石油製品で高く売れるのが、ガソリン・灯油・軽油、逆に重油というのは安くしか売れない。

そこで重油となってしまう分子量の大きな炭化水素を、ガソリン・灯油・軽油の材料によい炭化水素に作り替えるわけだ。

重油分の多い原油から、いかにガソリン・灯油・軽油をたくさん作るかというのが、石油精製という商売のキーポイントらしい。

他に重油分を熱分解して、ガソリン・灯油・軽油の原料に適した炭化水素 と 炭素(石油コークス) に分解する方法があるそう。

重油分に水素を足すか、炭素を余らせるか、このどちらかのアプローチで重油分を減らしているということである。


逆に石油精製の中では、水素が発生するところがあって、それがガソリンの製造。

というのも、ガソリンエンジンの効率を高めるためには、圧縮比を高くするのが効果的だが、

発火点が低いと、所望の圧縮比に到達する前に爆発してしまうという問題がある。

発火しにくさを表す指標としてオクタン価というのがあるが、オクタン価を高めるための処理で水素が発生するんだそうだ。

オクタン価を高めるためには、炭化水素の結合を増やすとよいらしく、結合をくっつけると水素が余ると。

水素を足したり引いたり複雑だが、有用な石油製品を作るにはそういう工夫が必要だと。


ただ、これだけでは全ての水素をまかなえないので、軽質ナフサの水蒸気分解も併用しているとのこと。

ガソリンの原料よりもさらに分子数の小さな炭化水素だが、そこに水蒸気を加えて、二酸化炭素と水素を作るということ。

さっきまで分子量が大きい炭化水素を分解するという話を書いてたが、分子量が小さすぎるのもそれはそれで価値が低いようだ。

こうやって、製油所は大量の水素を作り、自家消費しているということだ。


重油の用途として大きいのが船舶燃料だが、2020年以降、全世界で船の燃料の硫黄分を0.5%以下にすることが決まっている。

硫黄分の少ない燃料として、すでに広く活用されているのが 軽油(A重油) 、取扱も便利ですからね。その代わり高くなるけど。

あるいは天然ガスなど、安価で硫黄分を含まない燃料に移行することも考えられているようだ。

重油(C重油)を低硫黄化したものも用意されるようだが、供給能力や品質に不安があるようである。

重油ほど硫黄分を低下させるのが大変で、それが実現できたとしても、大量の水素が必要になる。

それなら、SOxを除去する装置を船に取り付けて、従来の硫黄分のC重油を使おうという考えもあるが、できる船とできない船があるだろう。

いずれにせよ、石油精製の余り物を重油として売ろうにも、需要がなくなって売れなくなる時代がやってきつつあるようだ。

重油を軽油などに作り替えるにせよ、低硫黄の燃料を作るにせよ、精油所で作る水素はなおさら重要になっているようだ。


Author : hidemaro
Date : 2019/07/29(Mon) 23:35
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水素で聖火を灯す?

来年には東京でオリンピック・パラリンピックが開かれる。

この聖火の燃料に水素を使うということがにわかに話題になっていたが、

今さら出てきた話ではなくて、だいぶ前から考えられてきたことらしい。

東京の聖火は水素で、トヨタめざす 近く点火実験 (朝日新聞)

こういう記事が2017年に出ているぐらいなので。


ただ、水素というのは炎がとても見えにくい。

かつて照明によく使われていた ろうそく はススを出しながら燃えるので、炭素の発光により明るく光る。

都市ガスやLPガスであっても、完全燃焼しているときは、青い炎になり、けっこう見えにくい。

一般に炭素分が少なくなるほど、炎というのは見えにくくなる。

そして、炭素を一切含まない水素の炎は、ほとんど見えない。

それは聖火としては致命的な問題だが、解決策として炎色反応というのが考えられていて、先の記事でも、

見栄えするよう、水素の炎にさまざまな色をつける演出も考えている。

と書かれているが、これは炎色反応を起こす物質を炎に加えることで、炎を見えるようにするということ。

ナトリウムなら黄色、カルシウムなら橙色、カリウムなら紫色、コスト面からすればこの辺ですかね。


このような提案がなされた背景には、水素が燃えるときに二酸化炭素を発生しないということがある。

聖火の燃料としては都市ガス(天然ガス)やLPガスが一般的で、1998年の長野では都市ガスが使われている。

天然ガスは一般的には環境にやさしい燃料として認識されているが、石炭ほどではないにせよ二酸化炭素を発生するのも確か。

水素を燃やすのならば、燃やすことによって二酸化炭素が発生することはない。

確かにそれはその通りだ。でも、その水素はどうやって作るのだろう?


日本での水素製造の大半を担うのが岩谷産業(イワタニ)である。

イワタニといえば、家庭用のカセットボンベで有名で、LPガス関係の事業が占める割合が高いのは確かだが、

それと並んで存在感があるのが産業ガスの事業だ。

イワタニが手がけている産業ガスとしては、酸素・窒素・アルゴン・ヘリウム、そして水素がある。

酸素・窒素・アルゴンは材料が空気ということもあって手がける会社は多いが、水素とヘリウムはそうもいかず、

水素とヘリウムはそれぞれ国内50%以上のシェアを占め、特に液化水素は国内唯一のメーカーとして大きな存在感を持っている。

液化水素はロケット燃料としての利用が先行したが、現在は水素の輸送手段としても活用されている。


イワタニのWebサイトには水素事業について充実した紹介ページがある。

水素とイワタニ

水素エネルギーハンドブックには現在のイワタニの水素の製造方法が記載されている。

ハイドロエッジ(堺市)での製造方法は天然ガスから水素を作って精製していると書かれている。

同工場では空気を冷却して液化窒素・液化酸素・液化アルゴンの製造を行っているが、この冷却にLNGの気化熱を活用している。

すなわち、イワタニはLNGを購入して、気化したLNGから水素を、気化熱で空気分離ガスを製造するという工夫をしている。

ただ、この方法では天然ガスから水素を取り出した残りとして二酸化炭素が発生する。

岩谷瓦斯千葉工場と山口リキッドハイドロジェンでは、隣接する他社の食塩電解工場から水素を買って、これを精製して製造している。

隣接する食塩電解工場が大量の電気エネルギを投じた副産物を買っていると言うことで、合理的ではある。

ただ、食塩電解というのは、苛性ソーダや塩素の需要次第で動くもので、水素製造の都合で動くものでもないだろう。


水素の製造方法は、基本的には化石燃料を使う方法か、電気分解による方法か、この2つである。

バイオマスの発酵により水素を得る方法もあるが、これは例外的なものだろう。

電気分解というのも電気エネルギーを何で得るかと考えると、今はほとんどが化石燃料の燃焼である。

食塩電解のように他の目的を持って電気分解をするなら、合理的ではあるけど、水素製造のためだけに電気エネルギーを使うのは無駄である。

ただ、最近では季節・時間帯によっては太陽光発電のエネルギーが余剰になるなどの事態も発生している。

このような再生可能エネルギーの余剰分を使って電気分解するならば、電気分解による水素製造も正当化できる。


よく語られるストーリーは再生可能エネルギーでの電気分解による水素製造だが、

それではとても賄えず、本命は化石燃料からの水素エネルギー製造のようである。

オーストラリアで低品位の褐炭を使った水素製造に向けた動きがあるようだ。

褐炭は石炭ではあるが、水分が多く運搬が難しく、その場で燃やすぐらいしか使い道がなかった。

そこで、その場で褐炭を不完全燃焼させる。これにより一酸化炭素、メタン、水素などができる。

一酸化炭素は水蒸気と反応させて、二酸化炭素と水素を作ることができるので、実質的に水素の原料である。

こうやってできた水素を液化して、日本に輸出するということである。


エネルギーの有効利用としてはよいアイデアだが、結局は石炭を燃やしただけの二酸化炭素が発生するんだよね。

そこで、二酸化炭素を地下に封じ込めるCCS技術との併用が前提となっているようだ。

水素製造のためには二酸化炭素を分離する必要があるので、その点ではCCSとの組み合わせは相性が良い。

近くにある油田に二酸化炭素を注入し、これで石油を押し出すことと、二酸化炭素を地下に貯留することを目指しているようだ。

こうやって製造された水素は「CO2フリー水素」として取り扱われるそうである。


そこまでして水素を使うことに意味があるかという話だけど、やっぱり燃料電池でしょうね。

関空にイワタニが水素ステーションを設置して、フォークリフトなどの燃料に使っているわけだけど、

実はもともとフォークリフトの動力源には蓄電池ががよく使われていた。蓄電池なら排ガスは出ないはずだが……

ところが蓄電池にとっての問題は充電時間、そのため軽油を燃料とするフォークリフトを併用したりしていた。

これが水素を燃料とすることで充填時間が短縮され、燃料電池は水以外のガスを出さず、環境負荷が低い。


それに比べれば、たかが炎のために水素を使うのは、そこまで意味はないような気がするけど、

炎を出すためには、何らかの可燃性ガスが必要で、その中では水素が理想的にはもっともよいという言い方はできる。

現状なら天然ガスを燃やすのが、もっとも合理的なのは疑う余地はない。

ただ、来たるべき水素社会においては、これが理想というのは必ずしもおかしな話ではない。

といっても、石炭や石油ならともかく、天然ガスを直接燃やさなくなる時代なんて、なかなか想像できませんけどね。


Author : hidemaro
Date : 2019/07/28(Sun) 23:49
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旧世代の製品のバッドデザイン

製品評価のために、製品を組みあわせて、設定してシステムを構築していたのだが、

その中で1つの製品がエラーを出していた。

マニュアルにこういうところを疑うようにとあったが、設定を見直してもエラーが消えない。


こういうとき開発者は内部情報を見て、エラーの切り分けをしてしまうのだが。

内部情報を見る限りでは、マニュアルで疑うべきと書かれていたエラーのフラグが立っていた。

でも、そのエラーは絶対に出ないように設定を変えたはずなのだが。

そこで、モジュールから設定ファイルを読み出して、解析してみた。

すると、未使用チャンネルに不適切な設定がされているのが原因であることがわかった。


そうそう。このモジュールって複数のチャンネルに他の機器を接続できるんだよね。

ツールでは、そのうち1つのチャンネルのみ設定して、それで設定ファイルを自動生成していた。

未使用チャンネルには適切な設定がされると思っていたのだが、未使用=標準設定のようだ。

出荷時のハードウェア設定のまま、標準設定で動かせば、このエラーは起きないのだが……


問題はこのモジュールには、機能設定用のジャンパーピンがあること。

多くの場合は出荷時のまま使用されるのだが、今回は接続する機器の都合でジャンパーピンを変更した。

このような使い方をするモジュールはいくつかあるのだが、

今回使用したモジュールは、ジャンパーピンで切り替えされる回路の健全性をチェックするため、ジャンパーピンの設定値を設定ファイルに設定する。

すなわち、未使用チャンネルに対して、ジャンパーピンの設定が正しく反映されていないことが原因だったのだ。

というわけで、この問題は、未使用チャンネルにダミーチャンネルを定義して、妥当な設定にすることで解決された。

チャンネルを定義したのに未接続だと別のエラーが発生しかねないが、そこは設定を工夫すれば回避出来る。


最新世代の製品を主に触れてきた僕にとっては、いろいろな意味で衝撃を受けた。

  1. 「未使用」という設定が存在しない
  2. ハードウェアスイッチじゃないと設定できない機能がある
  3. ハードウェアスイッチの設定内容を設定ファイルに正しく書き込まないとエラーが出る

まず 1. が諸悪の根源なんだよね。

最新世代の製品は、そのアーキテクチャゆえに「未使用」という設定があるので、未使用チャンネルに干渉されることはない。

ところが、1つ前の世代の製品には「未使用」という設定はなく、使用するチャンネルと同様の設定が必要になる。

それで未接続だとエラーになるのはその通りなのだが、そこは上位側のプログラムでマスクされるので基本的には問題ない。

ただ、今回のような特殊なケースでは、マスクできないエラーが発生してしまうのだった。


その上で問題となるのが 2. と 3. のことである。

そもそも、ハードウェアスイッチでの設定というのがバッドデザインである。

ソフトウェアでアクセスするためのアドレス設定をハードウェアで行うというのは妥当だと思うし、

設定事項の全てがハードウェアスイッチというモジュールも、それはそれで一貫している。

ところが、このモジュールは、回路の切り替えだけをジャンパーピンで行うという必要がある。(どうしてこうなっているかは後述)

基本的にこのジャンパーピンの設定値をマイコンが知っている必要はないのだが、このモジュールに限っては回路の健全性を確認するために必要となっている。

ところが、マイコンはこのジャンパーピンの設定値を読み出すことはできないので、設定ファイルに書き込む必要があると。

さすがにこれは理解に苦しむが、やむを得ない事情があったんだろう。


旧世代の製品であっても、同種の設定をジャンパーピンで行うものばかりではない。

どうするかというと、複数の接続口があって、接続方法を変えることで機能を切り替えてるんですね。

ジャンパーピンでないにしても、ハードウェアで設定を切り替えていることに変わりは無い。

信号の流れる向きが逆なので、それを接続方式を変えることで解決しているのだ。

ジャンパーピンで切り替えるモジュールも、ジャンパーピンだけでは信号の流れる向きを全部逆転することはできないので、

直感的ではない信号接続と併用することで、やっと内部回路を流れる信号の向きが揃って使えるようになる。

できるだけ同じ内部回路を共有し、信号の向きを揃えるには、こうならざるを得ないようである。


この問題はいずれも最新世代の製品では解消したのだが、実はけっこうな力業で解決している。

というのも、2つの信号の向きに対応するために、内部に2種類の回路を持っていて、これをFETで切り替えているのだ。

2種類の回路を持つことで部品数が増えるとか、実装面積が増えるという問題もあると思うが、

どちらかというと、2種類の回路に対して工場で検査などが必要になるので、時間への影響が大きいのではないだろうか。

あまり使用頻度が高いとは言えない設定なので、従来はジャンパーピンや接続方法での切り替えもやむなしと判断していたのだと思うが、

市場の要求や、新製品のコンセプトなど考慮した結果、このような実現方法になったようだ。


最新世代の製品ではいろんな意味で解決した問題ではあるけど、1つ前の世代の製品もまだまだ現役ですからね。

今回の問題は設定ファイルを生成するソフトウェアのバグなのでは? と思ったけど、

それを抜きにしてもいろいろトラブルの種を持っているのが実情である。

これはひどいというのは易しいけど、こういう問題を作り込まざるを得ない難しさはあったんじゃないだろうか。


Author : hidemaro
Date : 2019/07/18(Thu) 23:30
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mbarってそういう意味?

製品評価を行うときには、気温・湿度・気圧のデータを記載する。

一番センシティブなのが気温だが、あとはそこまででは。

特に問題だったのが気圧で、フロアに1台しか気圧計がなくて、その湿度計の置場が普段作業する場所から離れていてめんどくさい。

さらに、その気圧計が校正に出てしまうとフロアに1台もなくなってしまう。

他のフロアの気圧計を見に行くというのも手ではあるが、めんどくさい上に場所によって気圧は違うしね。標高の影響は確実にある。

かといって、製品性能に影響を及ぼすほどの気圧変化自体がそもそもあり得ないのだが。


そんな問題もあってか、温度・湿度を測る装置を、温度・湿度・気圧を1台で測れる装置に置き換えた。

これで便利になると思ったが、気になったのが気圧の表示が「1001.2mbar」のようになっていること。

補足説明として「mbarはhPaと同じ単位です」と書いてあった。

あれ? 1barって1気圧って意味じゃなかったっけ?


調べたのだが、bar(バール)という単位は、1bar = 100kPa である。

すなわち 1mbar は 100Paとなり、これは1hPaである。h(ヘクト)は100倍を表す接頭辞だしね。

日本の計量法では、圧力の法定単位として Pa、N/m3、bar、気圧 の4つの単位を定めている。

法定単位ということは、ちゃんと計量単位令で定義が定められていて、barの定義は次の通り。

バール パスカル又はニュートン毎平方メートルの十万倍

1bar=100kPaではあるのだが、bar 自体はSI単位ではない。

そのため、日本の気象庁では1992年にmbarからhPaに移行している。ただし、単位が変わっただけで、数値の意味は変わっていない。


元はbarという単位は気象分野で生まれた単位で、最後まで使われた(地域によっては今の現役)のも気象分野だった。

というのも、1barというのは1気圧に近くなるように、当時のCGS単位系(cm,g,sを基本とした単位系)で選ばれた数字だったから。

最初に書いた誤解の原因もそこだったのだが、確かに1barは近似的に1気圧だが、1気圧というわけでもない。

そもそも、気圧というのは緯度、標高、気温などによっても変動するものである。

1気圧って1013.25hPaじゃないの? と思うところだが、これは1954年にパリの緯度で標高0m(海水面相当)での平均気圧から定めたものである。

1気圧という概念自体は古くからあったかもしれないが、世界共通の1気圧を厳密に定義できたのは1954年のようだ。

一方、barという単位が生まれたのは1911年ことだそうで、こっちの方がはるかに長い歴史を持っている。

近似的に1気圧 かつ 厳密な定義を持っていたというのが、気象分野で利用された要因だったようだ。


ちなみに、barという単位は、工業分野ではあまり使われなかったようだ。

工業分野で使われる圧力の単位は、日本では kgf/cm2 などが主流だった。

アメリカでは psi(pound-force per square inch)が未だに使われてると聞くが。

日本では1999年頃から圧力の単位はPaに移行していった。Paは意外と歴史の浅い単位なのだ。

日本は計量法が厳しいからPa以外の圧力の単位はほぼ駆逐されたが、世界的にはまだまだでしょうね。

1kgf/cm2 =98kPa で換算できるので、なんか微妙にキリの悪い圧力を見たらこの換算の跡かもしれない。


日本では非SI単位が駆逐されるのが早いもんで、barという単位を実用しているのは今回初めて見た。

日本メーカーであれば、気圧の測定器では hPa を単位に使うだろうが、この測定器は輸入品である。

計量法では法定単位以外を書いた測定器を製造することはできないし、輸入して販売することもできない。

ただ、barという単位は日本ではすっかり使われなくなったとはいえ、れっきとした法定単位ではある。

というわけで、何の問題もないのだった。

でも、戸惑うよね。だからこそ、担当者は「mbarはhPaと同じ単位です」という補足説明を付けたんだろうが。


Author : hidemaro
Date : 2019/07/12(Fri) 23:29
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LとNは何が違う

直流だと+と-という明確な極性があるが、交流ではこれといってなさそうだが、

実際には交流電源を接続するところにLとNという極性がある。

通常は黒のケーブルをL、白のケーブルをNに接続すればよいのだが、

そもそもこれはなんなのか、そしてなんの意味があるのか。


LとNはそれぞれ、LiveとNeutralを表す。

通常、交流電源の一方は変圧器側で接地されている。

この接地側をNeutral、接地されていない側をLiveと呼んでいる。

LとNを指定している場合は、そこを区別して接続して欲しいということである。


なぜ、ここを区別するかというと、ヒューズなどはL側だけに入っていることがあるそうだ。

L側のヒューズを溶断しても、N側は回路に接続されたままになる。

でもN側は接地側だから、アースとの間の電圧は小さいことが期待される。

もし、これを逆にするとアースとの電圧が高いL側が回路に接続されっぱなしになり、危険な状態が続く可能性がある。

というわけで主に安全面の理由から、LとNを区別しているようである。通常状態ではどちらでも動く。


もっとも日本のコンセントはLとNを区別して接続するのは難しい。

日本で使われているAタイプの2極のコンセントは左右を逆にしても普通に刺さるというか、区別していない。

同じAタイプでもアメリカではコンセントに接地極が付いていて3極であるのが通常だから、ここは区別される。

日本でも3極のコンセントを使っているところはあるが、少なくとも家庭では一般的ではない。

どうして日本では2極のコンセントなのかというと、おそらくTTシステムいう接地方式の都合なんだろうと。

ヨーロッパやアメリカではTNシステムという方式を使っている地域が多く、L, NとともにPE(Protective Earth)も配電される。

一方で日本のTTシステムではアースは配電されず、必要なところで確保することになっているので、コンセントにはアースがないのが通常。

水回りなど安全面からアースを接続する必要性が高いところには、アース端子が付いてたりするけど、それでも家庭では3極コンセントは一般的ではない。


最近、職場で試験用のシステムを組んでいて、その電源配線をするのにLとNを意識しながら接続したのだが、

2極プラグだと、どっちがLかNかわからなくなるので、プラグにこっちがLで、こっちがNとマーキングしていた。

外観でどっちがどっちか区別する手段はないので、線をバラしてどっちが黒とつながっているか調べるしかない。

ちなみに2極コンセントでも、穴が大きい側がNという区別方法がある。

3極コンセントの場合は、アースを下にしたとき、Nは左側になるので、こちらはより明確に区別できる。

なのでプラグにマーキングしておけば、少なくとも穴の大きさを区別すれば正しく接続できるわけだ。


といっても、直感的にはわかりにくいということか、社内の電源装置の出力側のコンセントに「N」というマーキングがありましたけどね。

3極プラグなら意識する必要はないが、2極プラグの場合も想定していたのだろう。

おかげでL,Nとマーキングした2極プラグはN同士で向きをあわせて差し込めば、簡単に正しく接続できた。


LとNを区別しなくても動くだけに、あまり意識することは多くないが厳密には区別するべきだと。

本当にこれで正しいのかと疑うこともしばしばあるが、基本的には信じるしかないよね。

ただ、アースとの間で電圧を測定して、0Vに近ければN、公称電圧に近ければLと言う区別はできるので、

そういう観点でのチェックするのが本来は正しいのかも知れない。あんまりやらないけど。


Author : hidemaro
Date : 2019/07/08(Mon) 23:42
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改造できるモジュールが足りない

他部署の人から、評価で使用するモジュールの改造を依頼された。

とある偶発的に発生する事象を模擬するためにマイコンのプログラムを書き換える改造を行うもので、

特に回路を変更したりということは必要なくて、ごく簡単な作業である。


ところが問題は渡されたモジュールが古い試作品だったこと。

僕が今の職場に来るちょっと前に開発されていたものなのだが、試作品もたくさん作られた。

ただ、ある時期以前に作られた試作品は製品版と回路構成が大きく異なる部分があるので、マイコンのプログラムに互換性がない。

今回書き込みを依頼された、模擬用のプログラムは最新の製品版のプログラムを改造して作ったもの。

終盤の試作品以降であればプログラムは互換性があるので、最新の製品版である必要はない。


ところが終盤の試作品は台数が少なく、そのほとんどは他の改造が施されている。

逆にその部署には今となっては使いづらい中盤の試作品が多く残されている。(生産準備の都合で多く作ったのが渡ってたらしい)

うちの部署ではその時代の試作品は混乱の元だと軒並み捨てたのだが、なんとなく使う分にはあまり問題ないので未だに使われ続けてるんだとか。

苦肉の策として、過去にはその部署からの依頼で古い試作品を最新版にごまかすという改造もしたことがある。

システムからの見た目は最新版だが、中身のハードウェアもソフトウェアも古いというひどい有様だが。


さっきも書いた通り、もともと最新の製品版のプログラムを改造したものなので、

終盤の試作品以降であれば、製品版でも改造可能である。

それで「終盤の試作品がなければ、製品版でも」とは提案したのだが、

その部署のポリシーとして製品版を改造するのは避けたいとのことである。


そういう事情はわかるし、もう改造できるモジュールがその部署にないのは認めざるを得ない。

困ったなぁということで、うちの部署の人に聞いて回ったら、未使用の製品版が1つ発見された。

それならば、ということで自分が開発用に持っていた終盤の試作品に依頼された改造を施して貸し出すことにした。

貸し出すと手元にあるモジュールが1つ減ってしまうが、それを発見した製品版で穴埋めすればとりあえず困らない。

製品版といっても、特に用途もなく放置されていたもの。必要なら改造しても問題ないだろうとのことだった。

今回貸したモジュールも最終的には返してもらえるはず。いつになるかわからないけど。


他のモジュールでも、同様の改造を依頼されたことがあったのだが、

このときはうちの部署で持っていたものを改造して貸し出した。

このモジュールは当初開発時の試作品も多く余ってて、このときは当初の試作品からほとんど設計変更がなかった。

さらに製品化後に小さな設計変更をやっていて、このときの試作品も数台余っていた。

なので、こちらから数台改造して提供するのは全く問題なかった。


本来ならば改造用に製品を購入して提供してもらうのが筋なんだろうけどね。

うちの部署でも終盤の試作台数が少なかったこともあってか、そのモジュールの台数は不足気味だった。

最近は製品評価のために製品版を購入して台数が増えているが、それは厳密な用途で使うので改造は避けているのが実情である。

他部署からの改造依頼にも、そちらから改造元のモジュールを提供して欲しいと依頼していたのは、

この部署にとっても改造可能なモジュールはカツカツであることを表している。

こっちで余裕があればいくらでも貸し出すんだけどね。


Author : hidemaro
Date : 2019/06/20(Thu) 23:48
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ソケットのはんだ付けがダメ

もうかれこれ半年近く、マイコンの代わりにソケットの付いた基板を使った調査をしている。

フルICEとはなんだったのか

フルICE用に作られた基板だったんですね。


すぐに解決できない問題があって、停滞していた時期もあったのだが、

最近になって対策が決まって、その効果を確認したところ良好な結果が得られた。

これが解決したなら次のステップということで、もっとも動作条件がもっとも厳しいと思われるものに手を付けることに。

昔作った、ソケット付きの基板を取り出してきて、それで調査に着手した。

おっ、正しく動き出したぞ、と思ったのだが、問題が2つ発生した。

一方の問題は発生したりしなかったり、もう一方の問題は必ず発生するが、程度に差がある。


一方の問題は手の付け所がわからなかったが、もう一方はオシロスコープ片手に調査できそうな気がした。

調査は難航したのだが、結論としてはソケットのはんだ不良だった。

そういう観点でもう一方の問題も調べてみると、こちらもソケットのはんだ不良が原因だった。

中途半端に導通していたので、問題が発生したりしなかったりするんですね。


想定外の問題だったのだが、確かにはんだ不良になるのも無理はないなと思った。

というのも、周辺の部品との位置関係により、はんだ付けの作業性が極めて悪い部分で発生した問題で、

ソケットの他の部分はきれいにはんだ付けできているのに、この部分だけ明らかに仕上がりも汚い。

自分ではどうやっても直せないだろうということで、職場のはんだ付けが上手そうな人に頼んで修正してもらったのだが、

一方の問題は解決したものの、もう一方は作業性が極めて悪く修正が困難とのことだった。


不幸中の幸いは、ちょうどこのソケット付き基板を新しく作ろうと準備を進めていること。

基本的に1種類1枚しかないので、故障すると代えがないということで、新しく作って欲しいと要望をしていたのだ。

まさか、使う前から壊れているとは想定外だったが、転ばぬ先の杖とはこのことである。

しかし、今回の問題は根本的にソケットを付ける作業性の悪さに起因するものだから、

ソケットを付けるのは工場の熟練作業者がやるとしても、果たして問題なく作れるのかという疑問が出てくる。

もともと熟練作業者が作ったはずのものが、こうして問題を引き起こしているのだから。

周辺の部品を一旦のけてもかまわないとか、そういう指示も必要かも知れないなど、新しい波紋が起こったのだった。


コネクタの接触不良とかで、つながるべき場所がつながっていないというのは、

これまでも何度か発生しているが、まさかソケットでそれが起きるとはねぇ。

ソケット付きの基板は1種類1枚しかないので、取り替えてうまくいくかという観点で試せない。

原因が判明すれば、そりゃそうもなるよねという感じなんだけどね。


Author : hidemaro
Date : 2019/06/14(Fri) 23:02
電気・数学・物理 | Comment | trackback (0)

大電力用はデカイ

抵抗器には電力定格が定められている。

定格を超えて使うと発熱に耐えきれずに抵抗器が壊れるということ。

1005サイズとか1608サイズのチップ抵抗だと、定格は0.1Wとか。

汎用的なほっそりとしたリード抵抗だと0.25Wとか0.5Wとかそんなもの。


汎用的に使われるのはそんなものだが、大電力用の抵抗器というのもある。

うちの職場で開発する製品ではほとんど使われないが、評価などで使うことがしばしばある。

おおざっぱに言えば大きい抵抗器は電力定格が大きいということだが。

まず、最初に出てくるのがずんぐりとした円筒型のリード抵抗。

職場でよく見るのが定格が3Wのもので、直径6mm、長さ16mmの円筒状になっている。

定格0.5Wの抵抗が直径3mm、長さ6mm程度の円筒状だからずいぶんずんぐりしているが、基本的な形状は同じ。

このタイプの抵抗器では定格5Wぐらいが最大だそう。


これを超えてくるとセメント抵抗というのが使われる。

白い直方体をしていて、セラミックケースにセメントで封止された巻線が入っているらしい。

このような構造にすることで耐熱性が高くなっていて、大電力にも耐えられるようになっているようだ。

職場で比較的見るのが定格15Wぐらいのもので、断面は10mm角、長さ48mmといったところ。

ただ、立ち位置的に中途半端なのか、セメント抵抗を使っているのは意外と見ない。


セメント抵抗は大きなものもあるが、汎用的に使えるのはせいぜい20W程度までのようだ。

それを超えるとメタルクラッド抵抗というのを使うことになる。

うちの職場では通称「金抵抗」とか呼ばれているが、それはこんな見た目だからだろう。

HS50 aluminium housed resistor (ARCOL)

かまぼこ状のアルミ製の放熱容器に入れられ、ヒートシンクに付けられるようにネジ穴が付いている。

うちの職場で使用頻度が高いのは定格が50Wのものと、100Wのもの。

定格50Wで長さ50mm、幅20mm、定格100Wで長さ65mm、幅37mmといったところ。

最大で定格300Wのタイプまであるようだが、うちの職場ではそこまで行かないので。


さらに大電力となるとホーロ抵抗になるのかな。

陶器の筒に巻線をして絶縁コーティングしたもので、巨大だが大電力に耐えられる。

定格1000Wで、長さ30cm、直径12cmとのことで、とんでもない筒である。

このクラスになると、うちの職場で使われることはそうそうないが、可変抵抗器になっているタイプは時々使ってるような。

調節形抵抗器(スライド) TRH-A (タマオーム)


ふとメタルクラッド抵抗のデータシートを見ていたのだが、

どうも、この定格電力というのは周囲温度25℃でヒートシンクを付けた場合のときのものだそうだ。

標準ヒートシンクとして、面積535cm2、厚さ1mmと書かれている。

23cm角の板を付ければ満たせる数字だが、そんなに巨大な板を付けている使っているのは見たことが無い。

周囲温度25℃でヒートシンクを付けない場合では、定格14Wとのことで、こちらが実質的なターゲットかなと。

意図してか意図せずか、実際に使用している電力もそんなものですね。


メタルクラッド抵抗に限った話でもないと思うけど、抵抗器を電力定格ギリギリで使うことは避けられる傾向がある。

電子部品一般にそうだと思うけど、抵抗器は定格ギリギリで使う理由があまりないので、なおさら。

大きな抵抗器を使うか、あるいは複数の抵抗器に電力を分散させるという対策が取れますからね。

先日、消費電力がおよそ5Wになる抵抗負荷を定格3Wの抵抗器9本の組み合わせで作ってあるのを発見した。

抵抗値を調整するため、抵抗値が異なる物を組み合わせたりで、消費電力は均等に分散されているわけではないが

消費電力が大きいものでも0.7Wということで、3Wの定格に対して十分な余裕がある。

複数の抵抗を組み合わせる手間を考えれば、定格10W程度の抵抗1つで作った方がよかったのではとも思ったが、

あり合わせのもので作れたとか、抵抗値の調整という点では好都合だったとか、そういう事情もあったのかもしれない。


Author : hidemaro
Date : 2019/06/06(Thu) 23:55
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